自分の話ばかりしたり、他人を見下すような人が身近にいないでしょうか。

そうした人は自己愛が強く、ナルシストの可能性があります。

ナルシストの人の特徴や心理、対処法などを紹介します。

ナルシストとは

ナルシストとは、自己愛が強い人のことです。


ナルシストの語源はギリシャ神話に登場する美青年、ナルキッソスです。

ナルキッソスは泉に映った自分の姿に恋しますが、叶わぬ恋にやつれ最後には死んでしまいます。

この神話が由来で、自己陶酔する人のことをナルシストといいます。

ナルシストの特徴

自分を過大評価する

ナルシストは自分を過大評価するのが特徴です。

自分は仕事ができる、容姿に優れているなど、実際より自分を高く評価しています。

それを表に出さなければ何とも思われませんが、ナルシストの人は自己評価が高いために、特別扱いされることを望みます。

人を見下す

ナルシストは人を見下すのが特徴です。

自分が優れていると思っているので、他人は自分より下の人間であると思っています。

自分が上の立場だと思っているので、他人に命令するなど、仕切りたがる傾向があります。

嘘をつく

ナルシストは嘘をつくのが特徴です。

自己愛が強いため、自分を守るためなら嘘もつきます。

自分が何かミスした場合、自分のせいだと認めたくないので言い訳したり、責任転嫁しようとします。


恋愛でもパートナーに都合の悪いことは言わない、浮気をするなど、自己優先する面が目立ちます。

他人を利用する

ナルシストは他人を利用するのが特徴です。

自己中心的なため、自分が利益を得たり、注目を集めるために人を道具のように扱うことがあります。


また親がナルシストな場合、子供を利用しようとするなど、毒親になっている場合があります。

人の話を聞かない

ナルシストは、人の話を聞かないのが特徴です。

自分と違う意見に反論したり、人から助言されても気に入らなければ聞き入れないなど、人の話を聞きません。


人の話を聞くより自分の話を聞いてほしい、自分の言うことに従ってほしいなどの気持ちが強い傾向があります。

共感性が低い

ナルシストは、共感性が低いのが特徴です。

自分の気持ちが大切なため、人の気持ちを考えることはしません。

自そのため心無い発言が平気でできてしまうなどの特徴があります。


ただし、ナルシストは自己愛が強いため自分が心無いことを言われると傷ついたり、怒ったりすることがあります。

ナルシストの心理・原因

家庭環境

ナルシストになった原因は、家庭環境にあると考えられます。

例えば親が子供を過大評価していれば、子供も自分を過大評価するようになり、ナルシストになる可能性があります。


また、親が子供に厳し過ぎたり、愛情をかけないなども、ナルシストの原因になることがあります。

親から愛されなかった、認められなかったために、自分で自分を大切にしなければ生きられなかったことがナルシストの原因になっている可能性があります。

注目されたい

ナルシストは注目されたい心理があります。

人からの注目を集めるために、権力やお金などの力を得ようとする傾向があります。


目標を達成したいと思う過程で権力やお金を得たり、注目を集めていく人もいますが、ナルシストの場合は力を得ること自体を目標にしているのが特徴です。

全ては自分のため

ナルシストが行動するときは、それは全て自分のためである可能性が高いです。

例えばナルシストの人でも、人を手助けすることはありますが、助けることで人に感謝されたい、注目されたいなど見返りを求める心があるからです。

繊細な性格

ナルシストには傲慢なタイプだけでなく、繊細なタイプの人もいます。

繊細なタイプのナルシストは、自分が人から認められていないと感じると、落ち込んだり傷ついたりします。

そのため、人から認められるために権力を得ようとしたり、強く自己主張するなど目立つような行動を取りがちです。

SNSの影響

ナルシストになるのは、SNSの影響によるものと考えられます。

SNSで私生活を公開することで注目されるようになると、「もっと注目されたい、評価されたい」などの気持ちが出てくる場合があります。

承認欲求を満たすための行動が、ナルシストの原因になっている可能性があります。

人格障害

ナルシストの傾向が強い場合、自己愛性人格障害など、人格障害の可能性があります。

自己愛性人格障害の人は自分の能力や業績などを過大評価する、他人を見下すが、自分が見下されることを恐れるなどの特徴があります。




ナルシストの直し方

自分の話ばかりしない

ナルシストを直すには、自分の話ばかりしないように意識してみましょう。

自分の話だけだと、コミュニケーションが一方的になり、相手はつまらないと感じてしまいます。

自分の話をしたら相手の話も聞くというように、会話のキャッチボールを意識してみましょう。


また、相手の話で気になることがあれば質問してみるなど、相手の話に興味を持つことも大切です。

等身大の自分を受け入れる

ナルシストな人は、自分の欠点を認めたくないと思っていることがあります。

それを隠そうとするために自己主張が強くなったり、人を見下してマウントを取ろうとするなどの原因になっている可能性があります。

そうした態度をやめるには「完璧な人間などいない、誰にも弱みや欠点はある」と認める気持ちを意識してみましょう。


自分で考え方を変えるのが難しい場合、心理療法を受けることで改善されていく場合もあります。

自分を受け入れられるようになると、他人のことも受け入れられるようになっていくでしょう。

ナルシストな人への対処法

可哀相だと思う

ナルシストな人の発言にイライラしたときは、考え方を変えて話を聞いてみましょう。

例えば自慢が多いのであれば、それは人に愛されたい、認められたいと必死になっている状態ともいえます。


自尊心がなかったり、愛情に飢えている気持ちの裏返しなのだと思えば、怒りより可哀相だと思う気持ちが出てくると思います。

共感する

ナルシストの人と会話するときは、共感する姿勢を意識してみましょう。

ナルシストの人の話に反論したり、つまらなさそうに聞いていると、ナルシストの人は自分が拒否されたように感じて怒ったり、落ち込んだりする可能性があります。

話さなければならないときは、自分が疲れない程度に話に付き合い、話を合わせるコミュニケーションを取ってみてください。

認める

繊細なタイプのナルシストは、認める気持ちで接してみましょう。

繊細なナルシストは人から認められるために色々と努力しています。


その努力を認めてあげることで、ナルシストの人も気持ちが安定しやすくなるでしょう。

褒める

ナルシストな人に敵対心を持たれたくないときは、適度に相手を褒めておきましょう。

ナルシストは承認欲求の強い人です。

「さすが○○さんですね」のように日頃から褒めておくことで、相手の承認欲求を満たすことができ、敵視されにくくなります。

頼ってみる

ナルシストは感謝されたい気持ちがあるので、人に手助けすることがあります。

そこで、あえて頼ってみるのも対処法です。

「○○さんだからお願いしたいんです」のように頼りにしていることを伝えてみましょう。


ナルシストの人も自分に期待してくれていると思うので、引き受けてもらいやすくなると思います。

納得できないことは伝える

ナルシストな人は自分勝手な行動をしたり、責任転嫁するなど自己中心的な態度を取ることがあります。

そうした態度を取られたときは、自分の意見を伝えることも大切です。

人から言われることで、ナルシストな人も自分の矛盾点に気付くことができます。


言いなりにならないことで、ナルシストな人に利用されるのを防げるメリットもあるでしょう。