自分の目的を果たすためなら手段を選ばず、他人を利用する人が身近にいないでしょうか。

そうしたタイプの人は、マキャベリストの可能性があります。

マキャベリストとはどのような人なのか、特徴や心理、対処法などを解説します。

マキャベリストとは

マキャベリストとは、目的を果たすためなら非道な手段も厭わない人のことをいいます。


マキャベリストの由来は、イタリアの思想家ニッコロ・マキャヴェッリの著書『君主論』です。

「政治と道徳は切り離して考えるものだ」という思想が、自分の目的のためなら手段を選ばない人のことを指すようになりました。

マキャベリストの特徴

口が上手い

マキャベリストは、口が上手いのが特徴です。

相手を利用するために、言葉で騙して自分の思い通りに相手を動かそうとします。


また、道徳のない行動をして責められたときも、自分の行動を正当化して、周りを言いくるめようとすることがあります。

嘘をつく

マキャベリストは、嘘をつくのが特徴です。

マキャベリストは手段を選ばないため、ときには嘘をついて相手を騙そうとすることがあります。

「嘘も目的を果たすためには必要」と考えているため、嘘をつくことに罪悪感がありません。

自己中心的

マキャベリストは自己中心的なのが特徴です。

「この企画を成功させたら会社の利益になる」と言いながら、実は自分の評価を上げるのが目的であるなど、自分のことしか考えていません。


建前では皆の利益になるようなことを言って周囲の協力を得ようとしますが、自分が得することしか考えていないのが特徴です。

願望を与える

マキャベリストは、相手に願望を与えるのが特徴です。

例えば「これをやればお金持ちになれる」など利益をちらつかせ、相手を利用しようとすることがあります。

目の前に餌を与えることで、自分の思い通りに動かそうとするなど、狡猾な面を持っています。

損得勘定で動く

マキャベリストは損得勘定で動くのが特徴です。

自分に利益があるなら人と協力することもありますが、何のメリットも無いなら、相手が困っていようと無視します。


また、マキャベリストに頼み事をすると、倍の見返りを求めてくるなど、利己的な面が表れることがあります。

責任転嫁する

マキャベリストは、責任転嫁するのが特徴です。

自分の保身のために言い訳をしたり、他人に罪を着せることもできてしまいます。


マキャベリストが目的のために手段を選ばない面が、こうしたところに表れています。

観察力がある

マキャベリストは、観察力があるのが特徴です。

普段から人をよく見ており、どんなこと言えば相手が喜ぶか、自分の言うことを聞くかなど、相手の性格を把握しています。


上手に相手の機嫌を取り、利用しようとするのがマキャベリストの特徴です。

または相手の弱みを握り、脅しのように相手を従わせようとする場合があります。




マキャベリスト仕事・恋愛の特徴

仕事ができる

マキャベリストは、仕事ができるのが特徴です。

利益重視の考え方や行動ができるので、仕事でも結果を出すことができます。

ただし結果を出すため、自分の評価を上げるためには手段を選びません。

そのためパワハラのように人をこき使ったり、他人の成功を横取りしようとするなどの行動を取ることがあります。


仕事はできるが、人情がないという印象を持たれやすいです。

魅力的に見える

マキャベリストは、外面的な魅力があるのが特徴です。

マキャベリストは人から良い印象を持たれるため、見た目に気を遣ったり、愛想良く振る舞うように心がけています。

上辺を飾るのは、自分の周りに人を惹きつけたい(他人を思い通りにしたい)、利己的な本心を見抜かれたくないなどの心理があると考えられます。

恋愛でモテる

マキャベリストは魅力的に見えるので、恋愛でもモテるのが特徴です。

見た目にも気を遣っていますが、口が上手いので、会話で人の心を惹きつけるのも得意です。


観察力があるため何をしたら相手が喜ぶのかも分かり、そうした面がモテる理由にもなっています。

マキャベリストの心理

他人を道具だと思っている

マキャベリストは、他人は自分の目的を果たすための道具のように考えていることがあります。

他人を道具扱いすることに罪悪感を感じないため、遠慮なく色々な要求をします。


マキャベリストが相手のためを思うような発言をしていても、実は自分のためであるなど、自己中心的な面があります。

利用することに罪悪感がない

マキャベリストは、人を利用することに罪悪感がありません。

「人を利用してでも結果を出せるなら、それは悪いことではない」のように結果重視の考え方をします。


罪悪感がないので、身近な人やものなど、利用できるものは利用しようと考えます。

道徳は綺麗事だと思っている

マキャベリストは道徳は綺麗事なので、大切にする価値がないと考えている可能性があります。

マキャベリストは観察力があるため、世の中の矛盾によく気が付きます。

特に、合理的に物事を考えるマキャベリストにとって、道徳には矛盾を感じる点が多いと考えられます。

例えば命は尊いと言いながら人間は戦争をする、自然破壊するなど、道徳は綺麗事だと考えさせられることは数多くあります。

「道徳を尊重していようと、それが守られていない現実を見れば机上の空論である」「何の役にも立たないものに価値はない」のように考えている可能性があります。

正直者は馬鹿を見ると考えている

マキャベリストは、正直者は馬鹿を見ると考えている可能性があります。

マキャベリストはいかに人を利用して得をするか、利益を上げるかという考え方を持っています。

それは、正直に生きても損することが多いと考えているからかもしれません。

また、マキャベリストが騙そうとするのは正直者や真面目な人など、人の話を疑わず、素直に聞くタイプの人です。

こうしたタイプの人が騙されやすいことを知っているため、マキャベリストは「人を利用できる人の方が賢い、得をする」と考えている可能性があります。

犠牲は必要だと考えている

マキャベリストは、どんな物事にも犠牲は必要だと考えています。

何かを達成するために何かを犠牲にする、誰かが得するために誰かが損するなど、どんな物事にも犠牲はつきものと考えています。

誰かが犠牲になることは悪いことや悲しいことではなく、当然のことと考えるのがマキャベリストの心理です。


そこで思考停止しているので、「たとえ犠牲が出るとしても、なるべくそれを減らし、皆が幸せになるためにはどうすれば良いか」を考えません。




マキャベリストとサイコパスの違い

マキャベリストの特徴や心理を紹介しましたが、何となくサイコパスに近いものを感じると思った人もいるのではないでしょうか。

マキャベリストとサイコパスに共通するのは、自己中心的な面や他人に罪悪感を抱かないところです。

サイコパスは他人に罪悪感を抱かないことに加えて、喜び、怒り、悲しみなど、あらゆる共感性がないのが特徴です。


マキャベリストは、目的のために手段を選ばない行動が目立つ人のことをいいます。


ただしサイコパスとマキャベリストは似ているため、両方の面を持ち合わせている場合もあります。

マキャベリストの対処法

なるべく関わらない

身近にマキャベリストのような人がいるときは、なるべく関わらないようにしましょう。

マキャベリストは自分の目的を叶えるために、仕事でもプライベートでも人を利用しようとします。

そのため側にいるほど自分の精神的エネルギーやお金など、様々なものを奪われていきます。


マキャベリストの人と恋愛関係になると、色々な物事を要求され、最後には捨てられる可能性もあります。

自分がボロボロになる前に、マキャベリストとは距離を置いた方が良いでしょう。

個人的な話はしない

マキャベリストには、個人的な話はしないことが大切です。

自分や身近な人の個人情報などを話すと、その情報を利用される可能性があります。

色々質問されても「分からない」「答えられない」と拒否するか、反対に相手に訊き返す、話題を変えるなどして、情報を与えないようにしましょう。

疑いながら話を聞く

マキャベリストの話は、疑いながら聞くようにしてみてください。

話を聞いていて、妙にうまい話だと思ったり、疑問に感じたことは質問してみましょう。


マキャベリストが騙そうとするのは、自分の話を鵜呑みにするような人です。

疑い深い人や、洞察力があり鋭く指摘してくる人などは面倒なので、マキャベストは騙せると思いません。

色々質問して面倒な人間だと思わせることで、マキャベリストは次第に近寄らなくなるでしょう。

対等になるよう意識する

マキャベリストと関わるときは、お互いが対等になるよう意識しましょう。

マキャベリストに頼み事をされたら、自分の願いを聞いてもらうなど、一方的な要求で終わらないようにすることが大切です。


マキャベリストがその話に乗らないのであれば、自分も協力しないなど、相手の願いだけ聞き入れないようにしてみてください。

マキャベリストがそれを面倒と感じるのであれば、相手の方から離れてくれる可能性があります。