自分以外の人が注目されるとその人の悪口を言ったり、機嫌が悪くなる人がいないでしょうか。

そういう人は、何事も自分が一番でいないと気が済まない人かもしれません。

なぜ一番になることにこだわるのか、心理や対処法について解説します。

自分が一番でいないと嫌な人の特徴

自分と他人を比べる

自分が一番でいないと嫌な人は、何かと自分と他人を比べるのが特徴です。

そして他人が自分より優れていたり、幸せそうだと感じると、些細なことでも対抗心を持ちます。

また他人の不幸話を聞いたときも自分の方が不幸であるというように、ネガティブなことでも張り合ってくる場合があります。

人の話を聞かない、自慢が多い

自分が一番でいないと嫌な人は、人の話を聞くより自分の話を聞いてもらおうとします。

話す内容も自分に関することばかりで、自慢するような話が多いです。

明らかに誇張だと分かるような自慢をする場合、周囲から呆れられていたり、嘘つきだと信頼されていないことがあります。

人の成功を妬み、失敗を喜ぶ

自分が一番でいないと嫌な人は、人の成功を妬み、失敗を喜びます。

誰かが自分より先に成功すると足を引っ張ろうとしたり、「自分の方が先に知っていた」と手柄を横取りされたような言い方をします。

人が失敗したとは同情するふりをして面白がる、先を越されずに済んで安心するというように、相手を思いやる心がありません。

悪口を言う・人を褒めない

自分が一番でいないと嫌な人は、よく悪口を言うのが特徴です。

自分が一番でありたいと思いながら努力しないので、他人を貶すことで自分の価値を上げようとします。

また普段から人を褒めない、悪い評価しかしないなど、人の良いところを見ようとしないのが特徴です。

機嫌が悪くなる

自分が一番でいないと嫌な人は、自分が注目されていないと感じると機嫌が悪くなることがあります。

誰かが褒められていると顔色を悪くする、怒って悪口を言うなど、自分以外が注目されていることに嫉妬します。

負けず嫌い

自分が一番でいないと気が済まない人は、些細なことでも負けることを嫌います。

自分が勝ったときには自慢したり機嫌が良くなりますが、周囲の支えがあっても感謝せず、結果を独り占めしようとします。

自分が負けたときには勝った人の悪口を言ったり、運が良かっただけ、不正をしたに違いないなど言いがかりをつけて、潔く認めることができません。

独占欲が強い

自分が一番でいないと嫌な人は、好きな人やものに対して独占欲が強いのが特徴です。

友人や恋人などを束縛し、自分以外の人と話しているだけで嫉妬するというように、自分だけのものにしようとします。

また食べ物のように人に分けられるものでも自分だけで独り占めするというように、自分が満足することだけを考えています。

尽くす

自分が一番でいないと嫌な人は、好きな人に尽くすこともあります。

尽くすことて誰よりも自分が相手のことを思っている、役に立っていることをアピールするためです。

困ったときは自分に一番に相談してほしいというように、好きな人の一番になりたい、信頼されたいと思っています。

自分が一番でいないと嫌な人の心理

自己肯定感が低い

自分が一番でいないと気が済まないのは、自己肯定感が低さが関係しています。

自己肯定感があれば自分の存在価値を自分で認められるので、自分と他人を比べていちいち対抗心を持つことはしません。

自己肯定感が低いからこそ、一番になって人から注目されたいという欲求が強まります。

承認欲求

自分が一番でいないと嫌な人は自分で自分を認められないので、他人に認めてもらおうとします。

一番になれば認めてもらえる、褒めてもらえるという欲があるからこそ一番になることを求めます。

自分だけを見てほしいので他人が注目されることが気に入らず、悪口を言ってしまう人もいます。

被害妄想

自分が一番でいないと嫌な人は常に自分と他人を比べているので、自分以外が褒められると、自分を否定されているように感じることがあります。

例えば誰かが仕事ができて優秀だと褒められていると、「自分は仕事ができないから何も言われないのだ」というように、被害妄想が出てきます。

被害妄想がなければ他人が評価されたとき「あの人はすごいな」「自分も頑張ろう」というような気持ちになるものですが、自分を否定されたような妄想を抱くので、他人に対して嫉妬心を抱いたり、攻撃的になります。

過去を忘れられない・挫折経験がない

過去に何かの大会で優勝したことがある、成績一位を取ったことがあるなど、一番になることで褒められたり注目された人は、一番に執着することがあります。

過去の栄光や高揚感を忘れられない人ほど、一番になることを求めます。

また挫折経験があると勝つことばかりが大事ではないと、冷静さや謙虚さが身につくものですが、そういう経験がないので一番ばかり追い求めるのかもしれません。

完璧主義

自分が一番でいないと嫌な人は、一番にならないといけないというこだわりがあるのかもしれません。

完璧主義者は何でも一番になることが良いこと、それ以外は意味がないというように極端な考えを持っていることがあります。

「絶対に一番にならなければならない」と強迫観念のようなものがある場合、親や教師が厳しかったなど、幼少期の環境が影響している場合もあります。

支配欲

自分が一番でいたい、輪の中心人物でありたいという場合、承認欲求だけでなく支配欲を持っていることがあります。

自分が最も力を持っていれば、他人をコントロールできると思っているからです。

高い地位や権力を求めるので、その障害となるような優れた人に対して敵対心を持ちます。

支配欲がある人は自分が有利でいるために悪い噂を流したり人を騙すなど手段を選ばないことがあり、集団の人間関係を破壊することがあります。

トラウマがある

自分が一番でいないと嫌というより、強がっているだけの可能性もあります。

過去に人からいじめられた、馬鹿にされたなどのトラウマがあるのかもしれません。

自分以外は敵だと思っていたり、人から舐められたくない気持ちがある人は何かと突っかかることがあるので、負けず嫌いや一番にならないと気が済まない性格に見えることもあります。

自分が一番でいないと嫌なのは病気?

人格・発達障害の特徴として、何でも競いたがり、自分が一番にならないと気が済まない症状を持っていることがあります。

こうした特徴は自己愛性人格障害やアスペルガー症候群などで顕著にみられるものです。

  • 誰かに負けることは、自分の全てを否定されることである
  • 自分の理想やこだわり(勝つこと)から外れることが絶対に許せない

というように極端な思い込みや価値観を持っているため、それが一番を目指す原因になっていることがあります。

単なる負けず嫌いでは済まないほど、勝つことに異常にこだわる場合は性格や気質だけが原因ではない可能性もあります。




自分が一番でいないと嫌になるときの直し方

原因を考える

なぜ自分が一番でいないと気が済まないのか、分からないときは原因を考えてみましょう。

自分が一番でいないと嫌なのは生まれつきの性格かもしれませんが、そうでない場合もあります。

例えば幼少期に周囲から愛された記憶がない、構ってもらえたことが少ないなど、過去の愛情不足やトラウマが原因になっていることもあります。

原因が分からないよりも分かっている方が、自分の心を理解して対処法を考えられるようになったり、自分の状況を受け入れやすくなると思います。

自分や他人を肯定的に捉える

自己肯定感が低い場合、まずは自分のことを肯定的に考えるようにしてみましょう。

また自己肯定感が低い人は自分の悪いところばかり見て、更に自己肯定感を下げるという悪い癖を持っていることがありますが、それもやめることが大切です。

「自分が一番注目されていないと寂しい、イライラする」
→「こんな子供みたいな自分が嫌」×
→「誰でも大切にしてもらいたい、認めてもらいたい気持ちはある」

今の自分の感情を受け入れたり、自分にも良いところがあると、自分を肯定的に捉える意識を持ってみましょう。

自分を認められるようになれば、他人のことも肯定的に受け入れようとする気持ちが出てくるでしょう。

目標を決める

何でも一番でいないと気が済まない人は、一番になりたいことを一つに絞ってみましょう。

あれもこれも一番になりたいと考えると中途半端になりがちですが、一つにすることで目標・計画を立てやすくなります。

一つだけに決めて集中すると他のことを考える余裕はなくなるので、何でも一番になりたいという欲はなくなっていくでしょう。

上下関係だけで判断しない

自分が一番でいないと気が済まない人は、他人の一面だけを見て自分より上か下かで判断していることがあります。

仕事ができても家事は苦手、家事はできても仕事は苦手というように、人それぞれに得意不得意はあるものです。

本来は人間に上下はない、それぞれパズルのピースのように個性があり、助け合って生活しているというように、世の中や人間に対する見方を変え、視野を広げる意識を持ってみましょう。

自分軸を持つ

自分が一番でいないと嫌なのは、他人からの評価を気にし過ぎているのが原因かもしれません。

外に自分の存在価値、意義を求めたり、誰かに価値を見出してもらおうとする生き方は順調なときは良いですが、そうでないときは精神的に病みやすいです。

「誰かと競って一番になるより、今の自分が出せるベストを尽くす」というように、自分に集中している人の方が自分軸が定まり精神的に強くなります。

自分の一番は誰かや何かに決めてもらうのではなく、自分で決めるという意識を持ってみましょう。

人格が高い人と関わる

自分が一番でいないと嫌な人は、尊敬できる人を探したり、人格が高い人に出会うと、自分の中にある傲慢さに気付くかもしれません。

自分が尊敬できる人に直接会う、身近にいないなら講演会に行く、本を読むなどで価値観が変わっていく可能性があります。

また尊敬されている人や優秀な人の共通点として、自分が一番であるなどとは考えていないことが話を聞けば分かると思います。

優れた人の教えや価値観を知ることで、自分は大した存在ではない(自己否定ではなく、等身大の自分を受け入れる)と、謙虚な心を持てるようになるかもしれません。

自分が一番でいないと嫌な人への対処法

距離を置く

自分が一番でいないと気が済まない人は、どこでも我を張るので人間関係では距離を置かれたり、衝突しやすいです。

人と張り合うために実力に見合わないことをして失敗し、トラブルメーカーになっていることもあります。

またトラブルが起きたときは自分の非を認めず、周囲に押し付ける場合もあります。

仕事や人間関係のトラブルを起こして自滅することもあるので、距離を置けるときはなるべく関わらない方が良いでしょう。

信用しない

自分が一番でいたい人は、自分が優位になるためなら手段を選ばないので、信用しない方が賢明です。

自分が優位でいるために自慢したり、誰かを下げるような悪口を言いますが、ほとんど嘘だと思って聞き流しておきましょう。

明らかに矛盾していたり、嘘だと分かることを指摘しても絶対に認めないだけでなく敵対視される可能性もあるので、相手にしないことが大切です。

次第に嘘つき、面倒な人と思われて周囲から見放されるので、敵対視されたくなければ聞き流していた方が良いでしょう。

質問する

自分が一番でいたい人は他人の夢や目標を否定することがありますが、否定されたときは理由を聞いてみるのも対処法です。

具体的な理由を話す人は本当に相手を心配していると考えられますが、曖昧なことしか言わないなら、他人が成功するのが面白くないので諦めさせようとしている可能性があります。

自分が一番でいたい人は他人の足を引っ張ることがあるので、ネガティブなことを言われても真に受けないようにしましょう。

自分の話をしない

自分が一番でいないと気が済まない人の前で、自分の話をするのは避けた方が良いでしょう。

自分が一番でいたい人は些細なことでも人と比べるので、自分より幸せそうだと思われると対抗心を持たれる可能性があります。

不幸話をしても不幸自慢と思われるかもしれないので、相手のことや世間話を中心に話す方が無難です。

褒める

自分が一番でいたい人には、適度に褒めるのも効果的です。

自分が一番でいたい人は承認欲求が強いので、褒めるなど肯定的な態度を取ることで敵対視されにくくなります。

ただし褒め過ぎると承認欲求を満たしてくれる存在として依存されるかもしれないので、適度にしておくことが大切です。

理由を聞いてみる

友人や恋人のように親しい相手なら、なぜ一番を目指すのか理由を聞いてみると答えてくれるかもしれません。

良い成績が取れないと親に認めてもらえなかった、過去に一番になれずとても悔しい思いをしたことがあるなど、トラウマを抱えていることもあります。

もし他人の評価を気にして一番に固執しているなら、「一番になれなくてもあなたを嫌いにならないし、見捨てたりしない」ということ伝え続ければ、心を開いてくれたり、価値観を変えてくれる可能性があります。

付き合い続けるか慎重に考える

自分が一番でいないと気が済まない人を結婚相手に選ぶと、苦労する可能性があります。

  • 自分が一番でいたいので、家族を見下すようになる
  • 家族の行動を監視、束縛する
  • 自分が優位でいるためなら平気で嘘もつく
  • 自分の好きなことしかせず面倒なことは押し付ける、自分のためだけに浪費するなど、家庭を顧みず責任感がない
  • 都合の悪いことは一切話さない、勝手に借金するなど重要なことを事前に相談しない
  • 子供より自分を優先する、子供にばかり構っていると機嫌が悪くなる、自分を優先するよう文句を言う

など、精神的に未熟な面があるので、支え合って暮らしていくのは難しいことがあります。

結婚を機に自分を認めてくれる相手に出会い、少しずつ変わっていく人もいますが、変わらない場合もあります。

変わらない場合は関係が続くほどDV・モラハラに発展する可能性があるので、結婚相手に選ぶときは慎重に判断した方が良いでしょう。