都合が悪くなれば言い訳する、責任転嫁するなど自分に甘い人がいると、本人は自分の非を認めないので、周囲の人は迷惑してしまいます。

またそう言う人を見てイライラしたり、自分にも甘いところがあり、それを直したいとお悩みの方もいるかと思います。

そこで今回は自分に甘い人の心理・原因に加えて、直し方と対処法をご紹介します。

自分に甘い人の心理

自分は特別である


自分に甘い人は自覚していなくても、自分は特別であるという深層心理を持っています。

ですから自分がミスをした場合は、自分の性格や能力に原因があると考えるのではなく、状況や運など自分以外のものにミスした原因があると考えて言い訳をします。

承認欲求


自分に甘い人が人に厳しくするのは、自分がそれだけ優れているからこそ人に指示できるという心理があります。

自分が周囲から尊敬されたいという気持ちがあり、人をこき使うことでその欲求を満たしています。

他人に関心がない


自分に甘い人は、人の気持ちを思いやることができません。ですから、他人がミスをしたときには事情や原因も聞かずに、ただ相手を批難します。

相手を非難するのは、相手を見下すことで自分が優れているかのような気分になれるからです。また、自分に甘い人は自己中心的なので、自分がミスしたときには何か別の原因があるというように都合の良い考え方をします。

自分に甘い人の原因

甘やかされて育った


親がなんでも自分の我がままを聞いてくれる人だと、自分の願いは何でも叶う、自分は特別だと思うようになり、大人になってもその考え方のままになる人がいます。

また、甘やかして育てる親は子どもが苦労しないよう先に困難を取り払ってしまうので、苦労知らずで育ってきた人が社会に出て失敗や挫折を経験すると、今まで自分のやることは何でもうまくいったのにおかしい、何か自分以外のことに原因があると考えます。

親も自分に甘い人


自分に甘い人は、その親も自分に甘い性格である可能性があります。親が自分に甘い発言・行動をしているのを見て、それが普通だと思い込んで育った人は、成長しても親と同じような行動を取るようになります。

性格的な遺伝と育った環境での習慣で自分に甘くなった人は、生まれてからずっとそういう環境で育ってきたため、自覚しない限り改善することはありません。

辛い境遇・環境で生活してきた


甘やかされて育った人とは正反対に、機能不全家庭で育った、いじめなど人間関係のトラブルを経験したという人も、自分を守るために人の言葉を聞き入れられなくなり、自分の考えが正しいと思い込む性格になることがあります。

自分のミスを絶対に認めなかったり言い訳を繰り返す人は、自分が正しいと思い込まないと生きていけないほど、辛い過去を抱えている可能性もあります。

自分に甘い性格を直す改善法

自分に甘いとどうなるか考える


自分に甘い人は、自分を甘やかしていると必ずそのツケが返ってきます。

自分のミスを認めず人のせいにしていると厄介な人扱いされて、たとえ友人や恋人であっても、そのうちに人が離れていきます。

人のミスに厳しい人は、自分がミスをしたとき他人から許してもらえず、自分がしてきたように他人から批難されます。

ダイエットがうまくいかず言い訳ばかりする人は、自分に甘い分だけどんどん体重が増え太っていきます。

自分に甘い性格であるということは、そういう代償が返ってくるということです。自分に甘いと将来何も良いことがないと思えば、自分に甘い性格を改善した方が良いと思うのではないでしょうか。

自分に甘いことを自覚する


人間は誰でも自分を特別だと思いたい気持ちが少なからずあるので、どんな人にも自分に甘いところはあります。

ただ、それを自覚している人は自他ともになるべく公平であろうとコミュニケーションを取ることができ、自分もミスをすることがあると、人のミスにも寛容になれます。

また自分に甘い人は言い訳が多いところがありますが、言い訳は自分以外のものに責任転嫁する無責任な発言です。

家族、友人などプライベートな関係では大目に見てもらえるかもしれませんが、社会に出れば言い訳は通用しないどころか、自分のミスを認めず、挽回すらしようとしない無能な人間扱いされます。

もしどうしても自分のせいだと思えない場合は、まず謝罪した上で「実はこういう事情があった」と説明してみましょう。事情が納得できるものであれば、相手からもミスした事情を理解してもらいやすくなります。

相手の気持ちを考える


自分に甘い人は自分の都合が悪くなると他人や物事、環境など自分以外に責任転嫁しようとするところがありますが、人のせいにしたときの相手の気持ちを考えてみましょう。

もし自分が相手の立場だったら、何でも周りのせいにする人とは関わりたくないと思うのではないでしょうか。相手の気持ちを考えると、自分のそういう性格も客観視できるようになります。

自分に甘い性格は社会的には幼稚な考え方であり、人から嫌われやすい性格でもあるので、言い訳しそうになったときは、聞かされる相手の気持ちも考えてみるようにしましょう。

自分に甘い人にイライラしない対処法

関心しない


自分に甘い人を見ていてイライラするのは、あなたに本当は相手と同じことがしたいという心理があるからです。

例えば病気などの理由がなく、ただ無職の人にイライラするのは、本当は自分も働きたくないという心理があるからです。働くことが好きな人、生きがいの1つである人は、無職の人を別にどうとも思いません。

無職の人が生活保護で暮らしていようが、親のスネをかじっていようが、「そういう人もいるよね」で終わりです。腹が立つというよりも、自分で稼いだお金で好きなことをする楽しみも知らない、放蕩して過ごすだけで生きがいも見つけられない可哀想な人と思うかもしれません。

無職の人が身内や家族であれば家庭問題になるので話は別ですが、赤の他人の事情にやたら関心を持ち、そういう人に腹を立てて批難する気持ちが生まれるのは、あなたの心のどこかにうらやましいという心理があるからです。

イライラするのは相手に原因があるのではなく自分の心に原因があります。イライラする人がいる場合は相手を非難するのではなく、そういう自分の心を自覚して、なるべく関わらないようにするのが対処法です。

関わらない


身近に自分に甘い人がいる場合は、なるべく関わらないようにしましょう。自分に甘い人の側にいると、都合が悪くなったときに責任転嫁されやすくなります。

また、自分に甘い人は言い訳はしても自分で解決しようとする努力はしないので、責任転嫁された上に失敗の尻拭いをさせられる可能性もあります。どこまでも自分勝手な面を持っているので、トラブルに巻き込まれないためにも距離を置くようにしましょう。

話し合いをする


自分に甘い人にミスをなすりつけられたときは、なぜ自分のせいになるのかその理由を聞いてみましょう。納得できないものであれば、その人の上司、親など目上の人を挟んで3人で話し合いすれば、自分に甘い人も言い訳や言い逃れができなくなります。

また、一度そういう場を設けて相手が反省すれば、今後自分に甘い人があなたに責任転嫁しようとすることがなくなるでしょう。自分に甘い人が言っていることが都合が良い、おかしいと思う理由であれば、こちらが反論するのも1つの対処法です。

普通に接する


自分に甘い人には普段から厳しく接するという人がいます。それは甘えていることが腹立たしいとか、厳しく接すれば甘い性格が改善されると考えているからです。

ですが、甘えていることが腹立たしいというのは、先ほども書きましたが、心のどこかに相手がうらやましいという心理があるからです。自分に甘い人にうらやましい気持ちがなければ、ずるいだとか、腹立たしいという気持ちは生まれません。ただどうしようもないと呆れるだけです。

また、厳しく接すれば甘い性格が直るという考え方は傲慢といえます。人でも動物でもそうですが、性格は一朝一夕で注意すれば直るものではありません。どんな生物でも遺伝を加え、その人の人生で培ってきた経験の元に性格がつくられます。そういうものを他人が変えられると思うのは傲慢であり、相手の人格を変えようとする危険な思想です。

家族・親戚など身近な人であっても、他人を変えることはそう簡単なことではありません。他人なら尚更です。自分に甘い人を変えようと厳しい接し方をしていると、今度はそれを見ている周囲の人があなたの人格を疑うようになり、場合によってはいじめ・パワハラをしているという見方もされます。

相手の性格を改善させるという考えはせず、自分に甘い人であっても、普段は他の人に接するのと変わらない態度で接しましょう。

自分に甘い人は相手のミスも許そう

自分に甘いと言われる人は、人には厳しいからこそ嫌われやすくなってしまいます。嫌われない人間関係を築くなら、人のミスも許せる心の広さを持ちましょう。

また、自分に甘い人が身近にいてイライラするのは相手ではなく、自分の心に原因があります。

他人は自分を映す鏡でもあるので、相手はあなたに何かヒントを与えてくれているのかもしれません。自分に甘い人が楽しんでやっていることが、今のあなたが本当にやりたいことなのではないでしょうか。