子どもの頃から、自分の親と関係が上手くいかず悩んだことはないでしょうか。

また、親だけでなく他人とのコミュニケーションが苦手で生きづらさを感じている場合、毒親が関係している可能性があります。

毒親育ちの人の特徴や、毒親から解放されるための対処法について解説します。

毒親育ちの人の特徴

自己肯定感が低い

毒親育ちの人は、自己肯定感が低いのが特徴です。

毒親に「お前は駄目な子だ」など否定的なことを言われて育った人、ネグレクトを受けた人などは「自分は価値がない人間だ」と思い込む傾向があります。

親から認めてもらえなかった、愛情をかけてもらえなかった過去が、自己肯定感の低さに関係しています。

常に緊張している

毒親育ちの人は常に緊張気味だったり、ストレスを抱えているのが特徴です。

毒親育ちの人は自己肯定感が低いため、人の顔色をうかがい、気を遣い過ぎる傾向があります。

常に気を張って生活しているため、疲れたりイライラしやすい、また肩こり、首こりに悩んでいるなどの特徴もあります。

白黒思考

毒親育ちの人は、何事も極端に考える白黒思考が特徴です。

例えば仕事などでミスすると、自分は生きている価値が無いとまで思い込んだりします。

それは、常に緊張した環境で生きてきたからこそ、少しの失敗も許されないという恐怖心があるためです。

漠然とした不安感がある

毒親に愛された記憶がない人は、漠然とした不安を抱えていることがあります。

子どもは親に愛されていると感じることで安心感を得、精神的に安定して育ちます。

しかし、愛情をかけてもらえなかった場合、親の顔色をうかがい、常に不安を抱えながら育つことになります。

幼少期に愛されている、守られているという安心感を得たことがない過去が、説明できない不安感と関係しています。




自分より他人を優先する

毒親育ちで性格の優しい人は、自分より他人を優先する特徴があります。

他人を優先しがちなのは「他人に気を遣わないと大事にされない、嫌われる」など、自己肯定感の低さから来る考え方です。


例えば親の期待に応えようと、自分のやりたいことを我慢して勉強に励んできたなど、他人の気持ちを優先します。

自分のことを自分で決められない

何でも親が先に決めてしまったり、命令してくる親の環境で育つと、子供は自分の意思で行動できません。

すると自分だけでは決断できなくなり、何でも「まずは親の同意を得なければならない」と思い込んでしまうことがあります。

結果、自分の気持ちだけで何かを始めようとすると罪悪感を感じるようになり、大人になっても親や他人の意見を気にします。


自分だけで決断できない状態が続くと、次第に自分が何をしたいのか、何が好きで嫌いなのかなど、自分の気持ちも分からなくなる悪循環が起こります。

コミュニケーションが苦手

親が怒鳴る、暴力的だったなど、親に恐怖を感じて育った人は、人とのコミュニケーションの取り方が分からないことがあります。

本来、親は信頼できる相手であり、子供は信頼できる相手に育てられて人との関わり方を学んでいきます。

しかし親が信頼できないと、人間関係の基礎を学ばないまま育つことになるので、どう人と関われば良いのかが分からないまま生きていくことになり、社会に出ると生きづらさとしてそれが現れてくることがあります。


特に暴力的な親の元で育つと、人と話すだけで緊張する、目を合わせられないなど、人と会話するだけでもトラウマを思い出し、コミュニケーションを取ることが怖くなってしまうこともあります。

人を頼れない

生活がだらしない親、喧嘩ばかりしている親の姿を見ている子供は、例え親であっても信用できない人、頼りにできない人だと思うようになります。

すると、子供も「自分で何とかしなければならない」と思う気持ちが生まれ、しっかりした性格に育つことがあります。

特に一人っ子や長子は頼れる兄弟もいないので、その傾向が強くなります。

こうした人は社会に出ると責任感が強いと思われることがありますが、実は人を信用できなかったり、頼ってはいけないと思い込んでいるなど、頼り方を知らないので人を頼れないという場合があります。

結婚願望がない

両親が不仲、喧嘩が絶えなかった、親の借金、不倫など、家庭問題を抱えた環境で育つと、結婚に良いイメージを持つのが難しくなります。

また、自分が毒親に育てられたので良い家庭を作る自信がないため、結婚を諦めてしまっている場合もあります。

「結婚=幸せではない」ということが分かっているので、結婚願望がないか、あるとしても相手選びには慎重な傾向があります。




毒親から解放されるための対処法

親からのマインドコントロールに気付く

自分が何か始めようとしたり、選択するときに親の顔が浮かんで来たり、罪悪感が湧いてくる人は、親のマインドコントロールが抜け切っていません。

日頃から「自分のことは、自分で決める(決めていい)」と意識してみましょう。


例えば子供の頃にやってみたかったけど、できなかったことはないでしょうか。

やってみたかった習い事を始める、行ってみたかったところへ行く、たくさんお菓子を買って食べる、好きなだけ漫画を読むなど、何でもいいです。

親の意思でなく、自分の意思で行動するための練習でもありますが、アダルトチルドレンを癒すために必要なことでもあります。


自分の中にいる幼い自分の願いを、成長した自分が叶えてあげることで、幼い自分も、成長した自分も癒されていきます。

子供の頃に好きだったこと・やってみたかったことが天職に繋がっていることもあるので、自分が本当はどんな仕事をしたいのかを見つけるきっかけにもなります。

親と関わらない

親が嫌いだと思っていても、いざ親を前にすると言うことに従ってしまう人は、なるべく親と関わらないのが対処法です。

既に親と同居していない人は、そのまま会わずに暮らした方が平和に過ごせるでしょう。

親と会わないことに罪悪感を感じるかもしれませんが、あなたが「会いたくない」と思うのであれば、親はそう思われるほどあなたに辛い思いをさせた人なのですから、嫌なら会う必要はないです。


誰でも、自分が好きだと思える相手と生きられる自由があります。たとえ親兄弟だろうと、あなたが嫌いで、会いたくないなら会う必要はないです。

親と同居せざるを得ない場合は、自室にこもる、一緒に出掛けない、外出を多くする、話しかけられても勉強や仕事で忙しいと相手にしないなど、なるべく顔を合わせないようにしましょう。

家族にストレスを感じたときは一人暮らしの計画を立てるなど、すぐに家を出られるよう準備しておくことも大切です。

親を反面教師にする

もし、両親が不仲などでとても幸せそうには見えないなら、親を反面教師にしましょう。

親は自分の人生を使って「私のように生きると不幸になりますよ」と体現してくれているのですから、親の生き方を教訓にすれば、親と同じような人生は送らずに済みます。




自分は親とは違うと言い聞かせる

「良い家庭を作れる自信がない」「自分が虐待されていたので、子供が生まれたら虐待しそうで怖い」のように、結婚に対して不安を感じる人は、まだ毒親にマインドコントロールされている状態です。

自分がどうしたいのかより先に「親のようになってしまったらどうしよう」と、親の姿を自分に投影してしまっています。

そうした不安が起こったときは「自分は親とは違う」と、自分に言い聞かせてみましょう。


親の人生は親の人生で、自分の人生は自分の人生です。

何度も繰り返して、自分と親は別の人間であることを自覚させます。そうして親と自分を切り離して考える練習をしてみてください。

毒親がテーマの本・漫画を読む

毒親について書かれた本には、どのような親が毒親なのか、毒親がどのような思考で子供に接するのかなど、毒親について分かりやすく説明されています。

毒親の心理を学ぶことで、自分は親とどう関われば良いか考えたり、自分の心の問題を解決する参考にもなります。


本が難しそうなら、毒親について描かれた漫画を読むのも良いと思います。

他人の経験談に触れることで、自分だけが毒親に育てられた訳ではない、また毒親にも様々なタイプがあるということが分かります。

良い家庭像を知る

「毒親に育てられたので、良い家庭を作る自信がない」という人は、理想の家庭像をイメージすることが大切です。

  • 理想の家庭像をノートに書き込む
  • 家族・結婚・子育てに関する本を読む
  • YouTubeなどの家族動画で、楽しそうに暮らしている家族を知る

など、結婚生活に対する良いイメージを自分の中に取り込んでいきましょう。