自分の気持ちに素直になれなかったり、「自分は駄目な人間だ」のように思うことはないでしょうか。

自分を受け入れられない気持ちがあるのは、自己肯定感が関係しています。

自己肯定感が低い人の特徴や、自己肯定感を高める方法について解説します。

自己肯定感とは?

あなたは、自分の自己肯定感について考えたことはあるでしょうか。そもそも「自己肯定感とは何?」と思う人もいるでしょう。

自己肯定感とは、「どんな自分でも受け入れる気持ち」のことです。


自分の性格や自分に起きた出来事をポジティブに考える人は、自己肯定感が高い人です。反対にネガティブに考える人は、自己肯定感が低いといえます。

自己肯定感が低いとネガティブに物事を考えたり、落ち込みやすい原因になるといわれています。

自己肯定感と自尊心の違い

自己肯定感に似ている言葉に「自尊心」という言葉がありますが、「自分を尊重する気持ち(プライド)」のことです。

例えば自尊心が安定している人は、人に何か忠告されても、相手の言葉を素直に聞き入れられます。

しかし自尊心が高い人はプライドを傷つけられたように感じ、相手を恨んだり、反論してしまいます。

自己肯定感や自尊心が高すぎると人とトラブルを起こしやすくなり、低すぎると自分がネガティブになってしまうのでバランスが大切です。

今回は自己肯定感が低い人の原因や、自己肯定感を高める方法について解説します。

自己肯定感が低い人の特徴

挑戦する気が起こらない

自己肯定感が低い人は、何かに挑戦しようとしても、行動に移せない特徴があります。

行動できない理由は、「自分は駄目な人間だ」のように思い込んでいる心理があるからです。


「駄目な自分が何かしても、どうせ失敗するだろう」のように考えるので、自分を変えるのが難しくなってしまいます。

物事をネガティブに考える

自己肯定感が低い人は、物事をネガティブに考えるのが特徴です。

例えば何かに失敗したとき、自己肯定感が高い人は「次は別の方法を試してみよう」のように前向きに考えます。

しかし自己肯定感が低い人は「やはり自分には能力がないので、できない」のように思い、落ち込んだり、逃げ出してしまう傾向があります。

落ち込みやすい

自己肯定感が低い人は、嫌なことがあると落ち込みやすいのが特徴です。

自己肯定感が高い人は嫌なことがあったら気分転換する、趣味に集中するなど自分でメンタルを整えることができます。

しかし自己肯定感が低い人は「自分が駄目だから上手くいかないんだ」のように、自分を責めて落ち込んでしまいます。

自分の意見を言えない

自己肯定感が低い人は、率直に自分の意見や感情を表せないのが特徴です。

本当は言いたいことがあっても「どうせ自分の話は聞いてもらえない」と決めつけてしまうのが特徴です。


また人の顔色を気にしてしまい、自分より人の意見に従ってしまう場合もあります。

完璧主義

自己肯定感が低い人は、完璧主義になる特徴があります。

完璧主義の人は「完璧な人間になることで認められる、強くなれる」のように思う心理から、完璧主義になってしまいます。

「完璧でない自分は価値のない人間だ」と思っており、努力家な反面、上手くいかなくなると自分を責めたり、落ち込みやすいのが特徴です。

自己肯定感が低い原因

失敗や挫折がトラウマになっている

自己肯定感が低い原因は、過去の失敗や挫折がトラウマになっている可能性があります。

過去のミスがトラウマになっていると、「二度と同じ思いをしたくない」という気持ちが生まれる原因になります。

すると新しいことを始めることができず、挑戦することをあきらめてしまうことがあります。

成功体験を積めないので、「自分には勇気も能力もない」と自分を責めて、自己肯定感が低くなってしまう原因になります。

コンプレックスがある

自分へのコンプレックスがあると、自己肯定感が低い原因になっていることがあります。

自分の容姿や学歴などに劣等感があると、それについて何度も考え込んでしまう人がいます。

自分についてネガティブに考える時間が長いほど、「自分は駄目な人間だ」のように思い込んでしまう原因になります。

親子関係

親の子育て方法が、子どもの自己肯定感を低くする原因になることがあります。

親から否定的な言葉ばかり言われると、子どもは「自分は駄目な子だ」と思う原因になります。

否定的な言葉とは、「どうしてこんなこともできないの?」「あの子に比べてあなたはできない子ね」のような言葉です。

また、親がいつも子どもの話を無視していると、子どもは「自分は大切にされる価値がないんだ」と思ってしまうことがあります。

幼少期から自分は駄目な人間、無価値な存在だと思い込んでいると、大人になっても自己肯定感が低いまま生きる原因になってしまいます。

学校教育

自己肯定感が低くなる原因には、学校教育も関係しています。

日本の学校は協調性を重視する教育システムのため、個性を認める機会がほとんどありません。

個性の強い子は「変わった子」のように見られ、学校でいじめにあう原因になることもあります。

皆と同じでなければ仲間外れにされる、生きていけないなどの恐怖が、ありのままの自分でいてはならないと思い込ませる原因になります。


自分の気持ちより常識を大切にする考え方が固着してしまうと、大人になっても自分の気持ちに素直になれず、自己肯定感が低いままになることがあります。

自己肯定感が低いとどうなる?

自分の気持ちを信じられない

自己肯定感が低い人は、自分の意見に自信を持てないことがあります。そのため、自分より他人の意見に従ってしまう傾向があります。

例えば何か新しいことを始めようとしても、他人に「あなたには向いてないと思うよ」のように言われたとします。

すると自己肯定感が高い人は、人に何か言われても自分の考えを通します。

しかし自己肯定感が低いと不安になってしまい、挑戦することをあきらめてしまうことがあります。

褒められても嬉しくないと感じる

自己肯定感が低い人には、褒められても嬉しくないと感じる人がいます。

嬉しくないのは、自分が自分の価値を認めていないからです。

「自分は無価値だと思っていると、人から認められても違和感を覚えてしまう原因になります。


そのため、人から褒められても否定してしまったり、お世辞に決まっていると素直に相手の気持ちを受け取れなくなってしまいます。

他人と自分を比較してしまう

自己肯定感が低いと、自分と他人を比べてしまいがちです。

「自分には価値がない」という思い込みがあるので、自分より優れていると思う人にコンプレックスを感じてしまうことがあります。


「あの人に比べて自分は無力だ」と思ってしまうと、ますます自己肯定感が低くなってしまいます。

依存しやすくなる

自己肯定感が低いと、人やものに依存する傾向があります。

自己肯定感が低い人は、自分は何もできないと思っていることがあります。

そのため自分で決断できず、何でも人にやってもらおうとすることがあります。

また、自己肯定感が低いと自分を嫌いになる原因になります。

自分が嫌いで現実逃避したくなると、お酒や煙草などに依存することがあります。



自己肯定感を高める方法・習慣

「大人になってから自己肯定感を高めるのは難しいのでは」と思う人もいるのではないでしょうか。たしかに、自分の価値観をすぐに変えるのは難しいと思います。

しかし自分の意識や習慣を変えていけば、自己肯定感は少しずつ高めていくことができます。

自己肯定感を高めるためには、どんなことを意識すると良いのか紹介します。

自分の好きなことをする

自己肯定感を高めるには、自分の好きなことをしましょう。

仕事や家事に追われて、自分の気持ちを無視しているとストレスがたまっていきます。

それは疲れているだけでなく、自分のやりたいことができていないからです。

ときには、自分の心の声に耳を傾けてみましょう。自分で自分の願いを叶えてあげることが、自分を受け入れることになります。

完璧になろうとしない

自己肯定感を高めるには、完璧になろうとする気持ちを手放しましょう。理想ばかり追い求めていると、今の自分を否定することになってしまいます。

自己肯定感は、どんな自分でも受け入れる気持ちを持つことです。

自分に駄目出しをするのでなく、完璧でない自分を許す気持ちが大切です。

ネガティブな感情も受け入れる

ネガティブな気持ちが起こったときは、その気持ちも素直に受け入れてみてください。

いつでもポジティブな人はいません。明るいときも、暗いときもあるのが人間だと認めると、自分のネガティブな気持ちも受け入れやすくなります。

ただしネガティブな気持ちに浸っていると、自己嫌悪や悲観的な気持ちが起こりやすくなるので、考え過ぎないことも大切です。

自分の長所を伸ばす

自己肯定感を高めるには、自分の長所を探してみてください。

自己肯定感が低い人は、自分の短所しか見ていないことがあります。

自分の長所を見つけて、それを伸ばしていくと自分を好きになれるきっかけになります。


自分の長所が分からないときは、身近な人に自分の長所や短所を聞いてみてください。他人は自分では分からない、自分の個性を教えてくれることがあります。

ポジティブな言葉を使う

「どうせ~」のように、ネガティブな言葉が口癖になっていないでしょうか。

否定的な言葉が口癖になっていると、日常的に気分が落ち込む原因になります。

ネガティブな口癖はやめて、ポジティブな言葉を使うよう心掛けてみてください。

「ありがとう」「上手くいっている」「今日も素晴らしい」など、前向きな言葉を口癖にしていきましょう。

体調を整える

自己肯定感を高めるには、体調管理も大切です。

体調が悪い状態で自己肯定感を高めようとしても、ポジティブになるのは難しいです。

体の不調は心の不調につながるので、規則正しい生活を意識してみてください。

普段から無理をし過ぎないようにするなど、病気にならないよう自分を労わる気持ちも自己肯定感を高めるには大切です。

姿勢を良くする

自己肯定感を高めるには、姿勢を良くすることも意識してみてください。

自己肯定感が低い人は、普段からうつむきがちだったり、猫背の傾向があります。体が前傾する姿勢でいると、ネガティブな気持ちになりやすいです。

普段から顔を上げる、背筋を正すことを意識してみましょう。姿勢を整えることで、精神も安定しやすくなります。

笑顔を意識する

普段からネガティブになりやすい人は、笑顔を意識してみましょう。

面白い映画を観る、漫画を読むなど、自然と自分が笑顔になれることを一日の中に取り入れてみてください。

ネガティブな気持ちを引きずる時間を、意識的に減らすことが大切です。

運動する

気分が落ち込んだり、ストレスがあるときは運動が効果的です。

体を動かすと交感神経が優位になり、ポジティブになりやすいメリットがあります。

運動はストレス発散や精神安定などの効果もあるので、習慣的に運動することでポジティブ思考を保ちやすくなります。

また、運動で体力や筋力がつくことも、自己肯定感を高めることにつながります。