同族嫌悪とは、自分に似た人に嫌悪感を持つ心理現象のことです。

なぜか分からないけど嫌いな人がいるという場合、同族嫌悪の感情が関係していることがあります。

同族嫌悪する人の特徴や心理について解説します。

同族嫌悪する人の特徴

共感性が強い

同族嫌悪する人は共感性が強く、身近な人に感情移入しがちです。

感情移入して他人を通して自分の嫌な面を見てしまうため、自分に似ている人を嫌ったり遠ざけるようになります。

気が強い

気が強い者同士は、お互いに譲ることができないので衝突しがちです。

一緒にいることが多いほど、些細なことでも喧嘩やトラブルを起こす危険があります。

傍から見ると似た者同士で嫌い合っているように見えますが、当人達は自覚していないことがあります。

嫌いな人が多い

同族嫌悪する人は、身近に嫌いと感じる人が多いのが特徴です。

よく分からないけど嫌い・苦手など、明確な理由がなく他人を嫌いになることがよくあります。

理由が分からない場合、他人を見ることで自分のコンプレックスを思い出すなど、自分の心の悩みを他人を通して見ていることがあります。

家族が嫌い

同族嫌悪する人は、血縁者を嫌う傾向があります。

家族は遺伝的にも見た目や性格が似たり、同じ生活環境で暮らすため生活習慣や考え方が似てきます。

同族嫌悪する人はそこに嫌悪感を感じるため、家族を嫌いになったり距離を置くようになります。

また自分の子供まで嫌う場合は子供にイライラしてしまい、毒親になる可能性があります。

同族嫌悪する人の心理

劣等感がある

同族嫌悪する人は、劣等感があり自己肯定感が低いです。

内心では自分を受け入れていなかったり、自分を嫌っています。

そのため自分に似た性格や容姿の人を見ると、自分を見ているようで嫌悪感を抱いてしまいます。

敵対心がある

自分に似た人に敵対心を抱く人は、同族嫌悪することがあります。

自分に似ている人が、自分より人生が順調そうに見えると面白くないと感じる人は同族嫌悪に陥りやすいです。

自分と他人を比べやすく、嫉妬深い人や攻撃的な人に多い傾向です。

唯一無二でありたいから

同族嫌悪する人は、「自分のような人間は一人だけいれば良い」と考えていることがあります。

そのため自分の考え方やファッションなどを、自分に関することを真似されるのを嫌います。

自分に似ている人がいると個性が失われる感じがするため、自分に似た人を遠ざけようとします。

独占欲がある

自分と好きなものが似ている人を嫌悪する場合、好きなものに対しての独占欲が強いと考えられます。

好きなものを独占したい、自分が誰よりも好きという気持ちがあるため、同じものを好きな人に嫌悪感を抱きます。

裏切られたと思うから

同族嫌悪する人は、自分に似た人に一方的な期待を抱くことがあります。

自分に似ているのだから、自分と同じような考え方をしてくれるに違いないという期待感です。

しかし相手が自分と違う意見を持っていたり、自分の気持ちを察してくれないと裏切られたように感じ、嫌ってしまうことがあります。




同族嫌悪をやめたいときの対処法

同族嫌悪に気付く

誰かを嫌いと感じるときは、同族嫌悪に陥っていないか自分に問いかけてみましょう。

嫌いと感じるのは相手に原因があるのではなく、自分の心の問題という場合もあります。

相手のどういうところが嫌いなのかを自問してみると、それが自分の抱えている悩みやコンプレックスを表していることがあります。

自己嫌悪をやめる

自己嫌悪する人は、自分と他人を比べがちです。

自分と他人を比べるのは誰でもすることですが、嫌悪感を抱いて終わりという負のループから抜け出すことが大切です。

自分に足りない点があればそれを今後の課題としてみるなど、ポジティブ思考に切り替えてみましょう。

期待し過ぎない

同族嫌悪する人は、自分と共通点を感じる人に期待して、それが裏切られると相手を嫌うことがあります。

「自分と似ているから同じように考えてくれるはず」「言わなくても察してくれるはず」のような期待を抱きやすい人は、それを自覚することが大切です。

自分に似ていると感じる人でも、自分と同じ人間ではないことを意識してみましょう。

会話してみる

何となく嫌いと感じている人でも、話してみると意気投合する場合もあります。

同族嫌悪の場合は嫌いな面が似ているだけでなく、性格や価値観も似ていることがあります。

そのため気が合う部分があれば、感情が一転して好きになる可能性もあります。

また自分と似ているようで、相手のものの見方や考え方が全く違う場合、それが自分の価値観を変えるきっかけになることもあるでしょう。

嫌いな人にはあえて自分から近付いてみると、苦手意識がなくなるかもしれません。