職場の近くの席にやたら大声で話したり、引き出しを乱暴に開け閉めしたり、キーボードを乱暴に叩く人がいませんか?
それらの騒音は最近「音ハラスメント」と言われていますが、音ハラと思われやすい音にはどんなものがあるでしょうか。
音ハラになりやすい音の種類と、音ハラへの対策方法についてご紹介します。
音ハラスメントとは?

音ハラスメント(音ハラ)とは、日常生活の音が周囲に迷惑をかけていることに気付かないことから起こるトラブルです。
特に話し声や足音が大きいなど、普段からがさつな印象を与える人はうるさいと思われやすく、音ハラの原因になりやすいですが、本人は無自覚なことがほとんどです。まずは、日常生活の中で音ハラになりやすい音にはどんな種類があるのかについて解説します。
音ハラスメントになりやすい音の種類
大声・独り言

「そんなに大声で話さなくても聞こえるよ!」というくらい普段から大声で話す人がいますが、本人は自分が大声で話していることに気付いていません。
「もう少し小さな声で話して」と注意されても、本人は大声で話すことが普通の状態になっているので、直すのはなかなか難しいでしょう。
ただ、声の大きい人の中には難聴が原因で、自然に声が大きくなってしまっていることもあります。
また声が大きくなくても、独り言をブツブツ話す人がいると、周囲の人も話しかけられたのかと勘違いしたり、気になって耳障りだと感じることもあるでしょう。
鼻呼吸・鼻をかむ、すする
鼻の調子が悪く、鼻呼吸が聞こえる人が側にいると、それが耳障りだと感じる人もいます。ただ鼻炎が慢性化していると、本人は鼻呼吸がうるさいことに気付いていないことがあります。
また、やたら鼻を噛んだりすすったり、大きなくしゃみをするなども、うるさい、不潔なイメージを抱かせるなど、周囲に不快を感じさせやすい原因です。
咳・ため息・舌打ち

病気の咳はもちろん、咳が癖になっている人が側にいて、近くにいたいと思う人はいないと思います。
日常的にゴホゴホしているとうるさいだけでなく、病気をうつされるのではと感じるので、好感を抱く人はいないでしょう。
また、他人のため息や舌打ちを聞いて明るい気分になる人はいません。ストレスをまき散らしているように見えるので、周囲の人は不快に感じます。
咀嚼音
クチャクチャと食べる音(クチャラー)や、麺類をすする音、飲み物をストローでズズズと吸う音なども、本人は無自覚でも周囲は不快に感じるでしょう。
音がうるさいというだけでなく、食事マナーがなっていないと思われて、嫌われやすい原因になります。
足音・貧乏ゆすり

ドスドスと響くように足音が大きい人、わざと足を引きずるように歩く人、ヒールの音がうるさい人も騒がしい印象を与えます。
ヒールのある靴はどうしてもカツカツ音がしてしまうものですが、やたらうるさい音がする場合、靴のサイズが合っていない、ヒールの底が削れて金具が床にぶつかっている、ヒール内部が空洞の靴を履いているなどの原因があります。
また、貧乏ゆすりの音や大きいと周囲に音や振動が伝わり、うるさいと思われることがあります。
ドア・引き出しの音
ドアや机の引き出しをバーンと思い切り閉める人は、うるさいと思われるだけでなく、育ちが悪いと思われる原因になります。
ものの扱い方が乱暴だと、いつもイライラしているように見えることもあり、人によっては恐怖を感じるかもしれません。
うるさい人、怖い人と思われ近づきたくないと思われる原因にもなるでしょう。
ペン・キーボードの音

ペンをカチカチ鳴らす音やキーボードをカタカタ叩く音、マウスの操作音など、やたら作業音を出す人も、周囲に騒音をまき散らしている状態です。
うるさいだけでなく落ち着きのない人と思われやすく、がさつな印象を受けるので嫌われる原因にもなります。楽器の音
楽器の音は住居トラブルに多いもので、防音室でない空間で演奏する、朝・夜・休日など人が家にいることが多い時間帯に演奏するなどで周囲に音が伝わってトラブルになりやすくなります。
楽器の音が聞こえても気にならない人もいますが、騒音と感じる人にとっては、家にいるときにずっとその騒音が聞こえてくるのは不快でしかありません。
苦情を入れて改善されれば良いですが、トラブルが長引くと騒音から人間関係の悪化につながり、刑事事件まで発展することもあります。
音ハラへの対策方法
その場を離れる

不快な音が聞こえてくるときは、部屋を移動してその音を出している人の近くからできるだけ離れましょう。
「うるさい音を出しているのは相手なのに、どうして自分が動かなければいけないのか」と思うかもしれませんが、そもそも相手は騒音を出していることに気付いていないので、注意してやめてもらうか、自分が動くしかありません。
相手にはっきり注意すると、そこから人間関係が悪くなることもあるので、自分が動けるならさっさと移動してしまう方が良いでしょう。耳栓をする・音楽を聴く

職場などでその場を移動できないときには、耳栓をしたり音楽を聴くことで騒音を耳に入れないようにします。
耳栓はなるべく遮音性が高いものを選び、長時間音楽を聴いて耳が悪くならないか心配なときは、ノイズキャンセリングイヤホンを使うのがおすすめです。それとなく自覚させる

はっきり「うるさい」と注意するのでなく、遠回しで本人にうるさい音を出していると自覚させる方法もあります。
例えば、机の引き出しを思い切り閉めたときに「どうしたんですか?」と聞いてみます。
相手は「え、何が?」と聞いてくるでしょうが、「すごい音がしたので、何か落としたのかと思いました」のように言うと、「そんなに大きな音を出していたのかな」と相手に自覚させることができます。
言い方も大切で、嫌味っぽく言うと相手とトラブルになることがあるので、本当に驚いた様子で「どうしたんですか?」と聞くのがポイントです。
大きな音でなく独り言などでも、ブツブツ話す声が聞こえてきたら「え?何ですか?」と聞いてみましょう。
相手は「独り言だよ、気にしないで」などと言うでしょうが、「話しかけられたのかと思いました」と言うことで、独り言が周りに聞こえていることを自覚させられます。
ただし、相手にそれとなく自覚させるには、一度でなく何度も同じことをやる必要があります。
繰り返し「どうしたんですか?」と聞くことで相手は自分が思っている以上に音が周りに聞こえていると自覚し、また一々聞かれることにうんざりしてやめるようになってくれる可能性もあります。本人に注意する

うるさい音を出す人に「もう少し静かに行動してほしい」と直接注意したり、書面に書いて渡すことで騒音を自覚してもらう方法です。
注意を受けて気を付けるようになってくれれば良いですが、騒音を出している本人は音に無頓着なことが多いので「自分はうるさい音など出していない」と反論される可能性もあります。
人間関係の悪化をなるべく避けるなら、自分でできる対策をするか、それとなく自覚させる方法をおすすめします。
静音キーボード・マウスに変えてもらう

職場の場合、可能であれば静音キーボードやマウスを導入してもらうことを検討してみましょう。
静音キーボードやマウスは、一般製品よりも操作音が小さくなるようにデザインされています。
また、マウスを直接机に置いて使う人がいますが、机にマウスがぶつかる音や引きずる音がうるさく気になることもあると思います。その場合はマウスパッドを敷いてもらうだけでも騒音が解消されることがあります。
まとめ
- 大声・独り言
- 鼻呼吸・鼻をかむ、すする
- 咳・ため息・舌打ち
- 咀嚼音
- ペン・キーボードの音
- ドア・引き出しの音
- 楽器の音
- 耳栓をする・音楽を聴く
- その場を離れる
- それとなく自覚させる
- 本人に注意する
- 静音キーボード・マウスに変えてもらう