夫婦のどちらかが癇癪持ちで困っている、職場に癇癪持ちの人がいるというように、大人の癇癪に悩んだことはないでしょうか。

大人が癇癪を起こす場合、性格や性質などが原因ではなく、病気や発達障害の可能性もあります。

癇癪持ちの人の特徴や治し方、癇癪持ちの人への対応方法などを紹介します。

癇癪持ちとは?

癇癪持ちとは、怒りの感情を抑えることができず、一度怒り始めると我を忘れてしまう人の状態を指します。


癇癪持ちの人は怒ってからしばらくすると冷静になり、暴言を吐いたり、暴れたことに対して後悔することもあります。

ただし自分の気持ちをコントロールできないので、暴れては後悔するというように、何度も同じことを繰り返してしまいます。

癇癪持ちの人の特徴

感情をコントロールできない

癇癪持ちの人は、自分の感情をコントロールできないのが特徴です。

子どもはまだ自分の感情を上手くコントロールできないので、自分の思い通りにならないと癇癪を起こすこともあります。

成長すると嫌なことがあってもそれをすぐ態度に出すことはしなくなりますが、癇癪持ちの人の場合は大人になっても、感情を抑えられず癇癪を起こします。

怒りっぽい

癇癪持ちの人は、怒りっぽい性格が特徴です。

普段から身の回りの出来事にイライラしており、不満や悪口を言うことがあります。

そうして自分でストレスを溜め込んでいくので、ふとしたことで癇癪を起こしやすくなります。

わがまま

癇癪持ちの人は、わがままな性格が特徴です。

わがままな人は、納得がいかない、思い通りにならないときに癇癪を起こします。


こうした人は、子供の頃から癇癪を起こすことで、自分のわがままを通してきた可能性があります。

完璧主義

癇癪持ちの人は、完璧主義な性格が特徴です。

完璧主義の人は、何でも自分の思い通りにならないと気が済まない人です。

そのため少しでも仕事や家事の予定が狂ったり、ミスがあるとイライラして癇癪を起こします。


また他人にも完璧主義を押し付けて、相手が思うように動いてくれないと癇癪を起こす場合もあります。

内向的な性格

癇癪持ちというと、すぐ感情を態度に表す人をイメージするかもしれません。

しかし、内向的な性格の人が癇癪持ちの場合もあります。

内向的な人は普段から自分の意見を言わない、不満を口に出すことをしないので、日頃溜まっているストレスが癇癪となって爆発することがあります。


我慢して爆発するというサイクルを繰り返すことで、癇癪持ちだと思われるようになります。




癇癪持ちの人の原因

ネガティブ思考

癇癪持ちの人は、ネガティブ思考の傾向があります。

ネガティブな人は、普段から物事の悪い方面ばかり見ています。


不満やストレスを溜め込む考え方をするので、イライラしたときに癇癪を起こしやすくなります。

自己肯定感が低い

癇癪持ちの人は、何らかのトラウマを抱えている可能性があります。

例えば幼少期に親から否定的なことを言われて育った、いじめられた過去があるなど、人から否定された過去がトラウマとなっていると、自己肯定感が低くなる傾向があります。

自己肯定感が低い人は精神が不安定になりがちです。すると、少しのストレスでも気持ちが乱れやすくなり、癇癪を起こす原因になることがあります。

病気・障害

癇癪持ちの症状がよく出る場合は、うつ病や発達障害の可能性もあります。

例えばうつ病には、感情の起伏が激しくなる症状があります。

また、発達障害の場合は、感情のコントロールが上手くできない症状が見られます。

間欠性爆発性障害(IED)は些細なことでも急激にストレスを感じ、怒りを爆発させる症状があります。怒りは数十分で収まり、その後は普通に戻るのもこの障害の特徴です。


癇癪持ちで考えられる障害には他にも強迫性障害、境界線人格障害などがあり、病気や障害を疑う場合は、精神科や心療内科で適切な治療を受ける必要があります。




癇癪持ちの治し方

癇癪持ちを自覚する

癇癪持ちを治すには、まず自分が癇癪持ちであることを自覚しましょう。

また、どんなときに自分がイライラしやすいのかを思い返してみてください。

自分がイライラしやすい状況を把握しておけば、それに対する対処法も考えられます。

例えば今取り組んでいることが上手くいかないと癇癪を起こす、という場合は一旦作業を止める、別のことをやるなど、イライラする気持ちを長引かせない対処法を考えてみましょう。

リラックスする習慣を作る

ストレスを溜め込みやすい人は、リラックスできる時間を持つことが大切です。

ストレスがあると、その分癇癪を起こしやすくなります。

毎日一時間は好きなことをするなど、習慣的にリラックスできる時間を作りましょう。

怒りの感情をプラスに変える

癇癪を起こす人は、その怒りのエネルギーを別のことに向けてみましょう。

怒りを人にぶつけても、人から嫌われるだけです。

スポーツをする、カラオケで思い切り歌う、楽器演奏するなど、怒りの感情をプラスに変えられるものを探してみてください。

癇癪を起こした後のことを考える

イライラを感じたときは、癇癪を起こした後のことを考えてみましょう。

癇癪を起こした直後、一時は清々した気分になるかもしれません。

しかし、その後に待っているのは気まずさや後悔だと思います。

大人で癇癪を起こしていると、周囲の人から「大人なのにみっともない」と思われたり、何度も繰り返せば距離を置かれてしまうことも考えられます。


「癇癪を起こしても、自分にも他人にも良いことはない」ことを意識してみてください。

治療を受ける

習慣的に癇癪を起こす場合、病気や発達障害の可能性もあります。

疑いがあるときは、心療内科など専門的な機関へ相談してみましょう。


病気や発達障害でなくても、過去のトラウマが癇癪を起こす原因になっている場合もあります。

自分で解決するのが難しいと感じたときは、専門家の力を借りるのも一つの対処法です。




癇癪持ちの人への対応方法

一人にさせる

癇癪持ちの人が怒り始めたら、別室に移動させるか、自分が距離を置くなど、一人にさせることをおすすめします。


癇癪持ちの人に怒りを抑えるよう言っても、興奮状態なので何も耳に入らない可能性があります。

そのため癇癪を起こしたときは、収まるまで放っておきましょう。

突発的な怒りの感情は、それほど長くは続きません。

癇癪持ちの人も、一人になる方が気持ちが落ち着きやすくなります。

同じ土俵に立たない

癇癪持ちの人の態度に対抗しようとしたり、怒り返すのは危険です。

火に油を注ぐように、癇癪が悪化する可能性があります。

癇癪を起こしているときは宥めるように話すか、距離を置いて一人にさせることをおすすめします。

相手にしない

自分の思い通りにならないと癇癪を起こす人は、相手にしないのが対処法です。

駄々をこねる子のように、癇癪を起こすことで自分の願いを叶えようとする人もいます。

癇癪を起こしても無駄、相手の態度が変わらないと分かると、癇癪を起こさなくなる可能性があります。

相談する

職場に癇癪持ちの人がいる場合は、相手の上司などに相談してみましょう。

癇癪の程度によっては、パワハラになることも考えられます。


また、癇癪持ちの人は周りからトラブルメーカーのように思われていることがあります。

皆で癇癪持ちの人の態度に困っていることを報告し、上司から注意してもらうのも対処法です。