辛いときも人に頼れない、甘えることが出来ないことで悩む人が男女問わず増えています。
それは今までの経験の中で辛いときに人に頼れない、甘えることが出来なかったことから、人への頼り方や甘え方を知らないという原因が考えられます。
人に頼れない、甘えることが出来ない人の心理と改善法についてご紹介します。
人に頼れない人の心理・原因
プライドが高い
プライドが高く人に頼ること、甘えることを恥だと思っている人は、何でも自分で解決しようとします。どんなに困っていてもプライドの高さから、人に助けを求めることができません。
分からないことも自分で解決しようとする姿勢は悪くありませんが、仕事のように効率性を求められることについては別です。
どんなに調べても分からないことは詳しく知っている人に聞いた方が早いのに、それが出来ないと他の人の仕事にも影響が出たりと、かえって周囲に迷惑をかけることもあります。
人を信用できない
仕事や恋愛の人間関係で裏切られた経験があり、強いショックを受けた経験がある人は他人を信用できなくなり、人に頼ったり、甘えることができません。
「人に頼っても良い結果にはならない」、「もう裏切られたくない」という思いから、経験的に人を頼らなくなります。
幼少期の環境
幼少期に親に甘えられなかった、助けてもらうことができなかった、長男・長女でしっかりしないといけないという思いが強かったという人は、人に頼る方法や甘え方を知らずに育ってきたため、しんどくても自分で何とかしなければならないという考え方になります。
自尊心が低い
親から否定、無視されて育ってきた人は自分を認めてもらった経験がないので、自尊心が低い傾向があります。
自尊心が低いと自分は価値のない人間と思い込むようになり「こんな自分が人に頼ってはいけない」、「信じられるのは自分だけ」という考えを持つようになり、人に頼ったり、甘えることができなくなります。
人に頼れないのは病気?
本当は人に頼りたくても頼れないという考えがある場合、病気ではありませんが、回避性愛着障害の可能性があります。
回避性愛着障害とは生まれ持った性格の要因や幼少期に十分に甘えられる経験ができなかったなどの原因で、人に頼ることができないことです。
本来は両親に守られながら愛されていくことで愛着が人格として形成されますが、虐待、ネグレクト、死別などの原因で親に甘えられなかった経験があると、愛着を知らないまま育つことになります。
愛着が分からないと人との結びつきや信頼関係の作り方が分からず、人間関係で苦しむようになります。
回避性愛着障害の傾向がある人はそれを自覚し、意識的に人と関わろうとする気持ちが改善へとつながります。
とはいえ、回避性愛着障害は自分だけで解決することは難しいので、カウンセリングを受けて自分の気持ちを受け止めてもらうとそこから安心感が生まれ、症状を改善することが可能になってきます。
人に頼れない・甘えられないときの改善法
人に頼れないことを自覚する
人に頼れないのを改善するには、プライドの高さや幼少期の環境などどのような原因であっても、「自分は人を頼れないんだ」ということを自覚する必要があります。
他の人が人を頼ったり甘えているのを見て違和感を感じたり、イライラした気持ちが起こるのは、自分も本当は人を頼りたいのに、頼ることができないジレンマから生まれる感情です。
違和感やイライラを感じたときは、自分は原因があって人を頼れなくなったけど、本当は人に頼りたいんだと自覚することも大切です。
頼る人を手本にする
人に頼ることが出来ない人は、コミュニケーションも苦手に感じている傾向があります。
コミュニケーションを取るのが苦手だと、分からないことは自分で調べるという考え方になりやすくなります。
そこで、まずは人に頼ることが上手な人やコミュニケーションが上手な人をお手本にします。
人に頼る人は普段から自分も人に何かを教えてあげるなどして、相手と信頼関係を築いています。
だからこそ、自分が困ったときに人を頼ることに遠慮を感じることもなく、困ったときはお互い様だと思って人を頼ることができます。
ですから、人に頼ることができない人はまずは自分から周囲の人を助けるように心がければ、自分が困ったときに自然と周りの人が声をかけてくれたり、自分も人を助けている分、遠慮なく人を頼りやすくなります。
迷惑をかけない人はいないと考える
他人に迷惑や負担をかけてはいけないという思いから頼れない人は「人に迷惑をかけても良い」と考え方を正反対に変えていくことも大切です。
人間社会で生活している以上、皆誰かの世話になって暮らしています。本気で人に迷惑をかけたくなければ、無人島で自給自足生活するしかありません。
皆何かしら人と助け合って暮らしていることに気付けば、何でも自分で解決しなければならないとか、人に頼ってはいけないという考え方がどれだけ自分を縛り付け、ストレスを与えて来たかということに気付くことができます。
頼ることは良いことと考える
人は頼られて嫌な気持ちになる人ばかりではありません。むしろ、人に何か頼まれたら多くの人は「何とかしてあげたい」という気持ちになるものです。
それは、頼られているということは、相手が自分を信用してくれているという気持ちの表れが含まれているからです。
そして積極的に人の面倒を見るのが好きな人、人に何かを教えるのが好きな性格の人もいます。そういう性格の人に頼れば、それは相手のためにもなっているともいえます。
他人に頼ることを悪いと考えている人は、自分の考え方を他人にも当てはめて判断するところがあります。
人には色々な人がいて、頼ったり、甘えられることが嬉しいと考える人もいるんだということを知ることで、主観的だった自分の考え方を変えることにもつながります。
頼れないときは自分から行動する
人に頼ることができないときは、まず自分から人を助けることを心がけるのが良い改善法です。自分の行動を変えることで、自分に対する周囲の反応も変わります。
日頃の些細なことでも人に代わって何かをしたり、教える習慣があると、周囲の人から感謝され、信頼されていくようになります。すると、自分が人を助けて来た分、自分が困ったときに周りの人が自然と手を差し伸べてくれるようになります。