人に期待しない生き方と聞いて、孤独な生き方をする人と考える人もいれば、しっかり自立している人の生き方と考える人もいます。
人に期待しない理由は自立心が強い、裏切られたことがあり人を信用できないなど様々です。
仕事も恋愛も人に期待しない方が人間関係の煩わしさやストレスは減りますが、期待しない度合いが強すぎるとデメリットも生まれます。
そこで人に期待しない人の心理やメリット、デメリットについてご紹介します。
期待しない生き方の心理
他人を信用していない
人に期待しない人はそもそも他人を信用せず、信じているのは自分だけです。
人に仕事を頼んでも、万が一頼んだ仕事に失敗やミスがあったときには埋め合わせができるように事前に対策を練っておくというように、人に期待しない人は基本的に自分の力だけで全て解決しようとします。
自信がある
人に期待しない人は自分に自信があるため、人に何かを任せても、最終的には自分で判断します。
自信がない人は他人に強く言われると相手の言いなりになってしまうところがありますが、それは相手に自分の判断を委ねてしまうことでもあります。
自信がある人は他人の判断に振り回されるリスクを避けるため、後悔しないように自分で物事を判断します。
裏切られたくない
人に期待して裏切られた過去があると「もう誰も信用しない」と考えて、人に期待をしない性格になる人も存在します。
裏切られて悲しくなる、怒りを感じるというように、辛い気持ちになることは二度と経験したくないという防衛心から、人に期待しなくなる心理が生まれます。
期待されたくない
人から期待してプレッシャーを受けやすい人の場合、本人も他人には期待しない傾向があります。
期待をかけることで相手に精神的な負担をかけてしまうのではないかと思い、自分と同じような思いをさせたくないことから人に期待しない心理があります。
期待しない生き方のメリット
自分のペースで行動できる
仕事で他人がミスをして怒りが湧いてくるのは、相手に期待し、全てを任せっきりにしていたから、つまり信用を裏切られたと思ったからです。
期待しない人は同じ仕事を進める人の仕事の進捗状況についても、定期的にどこまで終わっているのか確認します。
それはその人が仕事をミスをしていないか、仕事が遅れていないか判断するためです。
恋愛も思ったように行かなくてイライラするのは、相手に期待している気持ちがあるからです。
恋人であってもお互いに一人の人間なのだから、意見が食い違ったり、うまくいかないときもあると期待せず割り切れるようになれれば、相手の言動に一々イライラすることもなくなります。
ストレスが減る
人に期待するとそれが裏切られたときにショックや怒りを覚えることがありますが、そもそも期待しなければそのような気持ちは生まれません。
仕事でよくミスする、やる気があるのか分からないという人がいる場合、そのような人は自分のことで精一杯か、自分のことしか考えられない人です。
期待をかけても成長する見込みがないと思えば、こちらも期待せず事務的な対応を取ることでストレスを減らせます。
やる気がある人であれば今までの態度との違いに気付いてもっと仕事を頑張ったり、自分の何が悪いのか質問してくるので、期待しないことで相手の仕事に対する姿勢を窺うこともできます。
恋愛でも相手の性格や習慣などで嫌なところが目に付く場合、それを指摘したくなると思います。その指摘も根底にあるのは相手に対する「こうあって欲しい」という期待です。
自分の言っていることが正しいと思ったとしても、それは結局自分の理想の押し付けでもあります。
特に性格や習慣は指摘されたところですぐに変えられるものではないので、自分の理想と違うなら別れるか、関係を続けていきたいなら相手の全てには期待しない心を持つことで、相手との衝突や自分の抱えるストレスを減らすことができます。
自立心が向上する
人に期待しないで生きようと思うと「何でも自分でやる」という気持ちに変わっていきます。
人に期待する人は仕事でも「分からないことは○○さんに聞けばいい」「このまま会社にいれば昇進して待遇も良くなる」というように、自分の仕事や人生を他人任せにしています。
一方で人に期待しない人は自分から仕事を取りに行きます。待遇についても「この仕事を成功させたら昇進か、給料を上げてください」というように、自分から上司や社長に交渉します。
自力で収入の見通しが立つのであれば、会社に所属しなくても自分が経営者になったり、フリーランスとして活動していくこともできます。
自立心が生まれると「恋愛して癒されたい」「結婚して養ってもらいたい」というような人に期待(依存)する気持ちもなくなります。
恋愛で異性に依存したい願望を持っている人は無意識でも言動にそのような態度が見られるので、かえって恋愛が上手くいかないこともあります。
恋愛で依存傾向のある人は、いつも人に頼っていたことでも自分にできそうなことは、まず自分でやってみることが自立心を成長させます。
期待しない生き方のデメリット
誤解される可能性がある
人に期待せず何でも自分で済ませてしまうと、相手も「信用されていない」「嫌われているのでは」と感じてコミュニケーションが取りにくくなることがあります。
期待しないことで相手とギクシャクした関係にならないようにするには、自分は人に期待できない性格であること、相手のことが嫌いで期待しない訳ではないことを伝えることが大切です。
自分は期待しない人間だと分かってもらうことで、相手は「嫌われていた訳じゃなかったんだ」と理解でき、誤解を防ぐことができます。
心を開きにくくなる
人に期待しない気持ちが強くなると、自分の悩みもトラブルも全て自分で解決しようという気持ちも強くなります。
自分の思いを人に伝えたところで、それは「自分の気持ちを受け入れて欲しい」という期待になるので、話したところでどうなる訳でもないと感じて、自分の気持ちを言わなくなります。
人に期待しなくなると人間関係の面倒はなくなりますが、その分心を開けない孤独を感じやすくなります。
期待されなくなる
人は相手にされたことに対して、相手にも同じことをしたいと思う心理があります。
人に期待をかけるのは好意の表れのため、期待をかけられると相手に期待に応えたい、頑張って認められたいという気持ちが生まれ、一種の信頼関係が生まれます。
しかし人から期待されてもその期待に応える気がなかったり、自分も人に期待することがなくなれば、自然と人から期待されたり、好意を受けることはなくなります。
期待しない生き方は適度に取り入れる
期待しない生き方のメリットとデメリットについてご紹介しましたが、期待しない考えが強すぎると孤独になるので、期待しない心は適度に生活の中に取り入れることが大切です。
特にイライラする原因が自分の期待から生まれるものである場合は「そもそも期待しなければイライラすることもない」と考えて、淡々と現実を受け入れる心がけを意識すればストレスを受けないで済みます。
期待しない気持ちを上手く取り入れられるようになると仕事、家庭、恋愛でストレスを回避する処世術にもなるので、ぜひ実践してみてください。