自分を試すような質問をしてきたり、わざと困らせるようなことをしてくる人がいないでしょうか。

見下されたり、嫌がらせをされている気分になる人もいるかもしれませんが、試し行動をする人は自信のなさや寂しさを抱えていることがあります。

人を試す人の心理や対処法について解説します。

人を試す人の特徴

上から目線

人を試す人は、相手を見下すような態度を取ります。

自分は試練を与える側に回り、それを解決できるか試すようなことをしてくるのが特徴です。

職場の責任者なら能力を測るためかもしれませんが、そうでないなら自分より優秀か、思い通りになる人間かを試そうとしていると考えられます。

思いやりがない

人を試す人は、人が傷つくようなことを平気ですることがあります。

普通に話していてもふと酷いことを言う、あるときは無視するなど、冷たい接し方をするのが特徴です。

そうした態度を取ることで、相手がどういう反応をするのかを試しています。

疑い深い

人を試す人は疑い深く、簡単に人を信用しません。

信用できるのかを調べるために、試すような行動を取ります。

過去に裏切られたことがあるなど、トラウマを抱えている場合があります。

損得勘定する

人を試すのは、損得勘定でやっていることがあります。

一緒にいて得する人間か、そうでないかを判断するために人を試すようなことをしてきます。

人付き合いを好き嫌いで選ぶよりも有能・無能で判断する人です。

メンヘラ気質・かまってちゃん

人を試す人は寂しがり屋で、愛情に飢えていることがあります。

自分だけを見てほしい、心配してほしい気持ちが強いので、試し行動をして相手の愛情を確かめようとします。

メンヘラ気質のように情緒不安定な場合、わざと危険なことをして人の気を引こうとすることがあります。

人を試す人の心理・原因

能力を測るため

仕事で人を試す場合、能力を測るためと考えられます。

「どの程度仕事ができるのか」、あるいは「この人に従っても大丈夫なのか」と知りたい気持ちがあるからです。

試すことでどの程度まで信頼できるのかを確かめています。

支配的

人を試すのは、支配的で傲慢さがある性格だからかもしれません。

自分の基準で相手を試して、自分の期待に応えてくれる人は有能、できない人は無能と判断します。

物事が思い通りに動かないと、怒ったり不機嫌になるような傾向があります。

劣等感が強い

何らかの劣等感があると、人を試してマウントを取ろうとすることがあります。

わざと難しい質問をしたり任せたりして、自分は相手の知らないことを知っている、できないことができるという優越感に浸るためです。

マウントを取るのが目的なので、自分より能力が低いと思う人に試すようなことをします。

寂しい

人を試すのは愛されている自信がないのかもしれません。

わざと相手を困らせるようなことをするのは、どれだけ自分を大切に思ってくれているのか、確認するためです。

あるいは試すような行動を取れば、相手がもっと自分を気にしてくれるかもしれないと考えていることがあります。

思い上がり

人を試すのは愛情の確認ではなく、何をしても許してもらえると考えている場合もあります。

自分は偉いから何をしても良い、大切に思われているから試しても大丈夫と、甘く見ているので試すようなことをします。

試し行動をして相手が困っているのを見て楽しんだり、自尊心を満たそうとします。

愛情不足・精神的に未熟

子供は親の言うことにわざと反抗したり、悪いことをするなど試し行動をすることがあります。

それは親の反応を見て、自分のやっていることが良い・悪いことなのかを学ぶためです。

そのため機能不全家族で育った人は、成人しても子供のように試し行動をすることがあります。

また幼少期の経験から「自分は愛される存在ではない」と思っていると、大切にしてくれる人が現れても信じられず、試すことで気持ちを量ろうとすることがあります。

病気・人格障害

試す人によっては他人を裏切ったり、傷つくような行動を取ることがありますが、精神的な問題を抱えていることがあります。

例えば平気で酷いことをしておきながら、相手に愛想を尽かされてしまうと、自分がしたことは棚に上げて相手を恨んだり、泣いて許しを求めます。

常に自分のことだけを考えており、相手への思いやりがありません。

認知の歪みが強いほど、人間関係でトラブルを起こす傾向があります。

試し行動の例

人を試す人は、以下のような行動を取る傾向があります。

試し行動をすることで自尊心を満たそうとしたり、他人がどの程度まで受け入れてくれるのか反応を見ています。

  • こちらの気持ちや能力を試すような質問が多い
  • 頼み事が多い、無理な要求をしてくる
  • 困らせたり、傷つくような嘘をつく
  • 不幸話で気を引こうとする
  • 束縛する
  • 冷たい態度を取る
  • 馬鹿にしたり、見下した態度を取る
  • 無視する、連絡を遮断する
  • 別れる、縁を切る、死ぬと言う




試し行動をやめたいときの対処法

行動する前に考える

試し行動をしそうになったら「こういうことをしたら相手がどう思うか」「自分がされたらどう感じるか」というように、別の視点で考えてみましょう。

された側の気持ちになって考えてみれば、良い気分にはならないと思います。

相手の立場で考えてコミュニケーションを取ることが大切です。

信頼を失うと自覚する

試し行動をされた側の気持ちを考えてみましょう。

信頼している友人や恋人に、試されるような行動を取られたら「自分は信頼されていなかったのだな」と思うのではないでしょうか。

試し行動をすることで「私はあなたを信用できていません」と伝えることになってしまい、そこから人間関係が壊れることもあります。

試し行動は相手の受け止め方次第では、縁を切られるほど相手を傷つけることもあるものです。

試すことで相手の愛情を確かめるどころか、大切な人を失う可能性の方が高いと分かれば、試し行動をする気は起こらなくなると思います。

試し行動を続けた結果を考える

試し行動を繰り返していると、最終的には孤立します。

「人を試す=信用していない」ことを伝えることであり、いつまでも心を開いてくれない人とは、良い人間関係が築けるとは思えないからです。

また試されるような態度は見下されている、馬鹿にされているような感じがして失礼だと思う人もいます。

相手を信じたいからこそ試す行動を取るのでしょうが、かえって人を遠ざける原因にもなります。

試し行動をする人は無意識にやっていることがあるので、なぜか人が離れていくと思う人は、そういう言動をしていないか自覚することが大切です。

素直に聞いてみる

気になることがあるなら、試し行動で相手の気持ちを知ろうとするより、素直に聞いてみましょう。

正直に聞くのが怖いので試すのでしょうが、遠回しに気持ちを確かめる態度は、面倒くさがられたり、嫌われる原因になることがあります。

誤解されて仲が壊れてしまうなら、自分の正直な気持ちを話したり、相手の気持ちを聞いた方がお互いに「こういう風に思っていたんだ」と、気持ちが分かりやすくなるでしょう。

カウンセリングを受ける

愛情不足で育った場合、愛着障害として試し行動をしている可能性があります。

愛着障害とは親子関係が上手く築けなかったことが原因で、人間関係のトラブルを起こす状態のことです。

愛着障害は自己評価が低い、人間関係の築き方や愛し方が分からないなどの特徴があります。

生きにくさを感じている、その原因や解決策が分からないときは、相談することも考えてみてください。

試し行動をする人への対処法

試してくる人は試す

試してくる人は、こちらも試す気持ちで対応してみましょう。

試してくる内容によって、相手の人間性や性格、信頼できる人物なのかを判断するときのヒントになります。

試し行動の種類によっては、自信や能力がない、愛情がない人だと分かると思います。

そういう人と関わりを持つのか、距離を置くのかを決めるときの参考にしてみましょう。

質問してみる

どういう意図で試してくるのか分からないときは、質問してみましょう。

相手によっては「あなたの能力や特技を知りたいから」「寂しかったから」のように、正直な気持ちを言ってくれるかもしれません。

納得できる理由であれば、試されても良いと思える場合もあるでしょう。

納得いかないときは相手の期待に応えないか、そういうことはやめてほしいと伝えるなどの方法があります。

期待に応えない

人を試してくる人は、「この人なら私の願いを叶えてくれる、受け入れてくれる」のような勝手な期待を抱いていることがあります。

そういう人が面倒なときは、その理想を壊すような態度を取ってみましょう。

例えば優しいので何でも受け入れてくれそうと思われているようなら、許せないことには冷たい・厳しい態度を取るなどです。

理想像が壊れれば、相手の方から離れてくれるでしょう。

自分の気持ちを伝える

試し行動を無視すると悪化することがあるので、不快に感じるならその気持ちを伝えることが大切です。

愛情不足で育ったり、精神的に未熟な場合、どういうことが良い・悪いことなのかを理解していない可能性があります。

ただ「やめてほしい」と言うだけでは理解できないことがあるので、「そういうことをされると悲しい」「信用されていないと感じる」のように、された側の気持ちも伝えることが大切です。

愛情を伝える

親しい人に試し行動する人は、自分が愛されている、大切にされているか自信がない人です。

愛情を確認するためや、気を引くために試し行動をします。

その場合は大切に思っていることを言葉や態度で伝えましょう。

愛されている、受け入れられていることが分かれば、疑心暗鬼な態度も落ち着いてくるでしょう。

ただし人格障害や深い悩みを抱えている人と付き合っていくのなら、根気よく愛情を伝え続ける必要があります。

距離を置く

試し行動が酷い人は、暴言や暴力、平気で裏切るような態度を取ることがあります。

人格障害の場合、一般の感覚では理解できない考え方をしていることがあり、まともに対応しようとすると自分が病んでしまいます。

付き合い切れないと感じたときは、自分の身を守ることを優先しましょう。

相手も距離を置かれることで、やって良いことと悪いことを理解してくれる可能性があります。