仕事が遅い、休憩時間が長いなど、やる気がなくサボる人が身近にいないでしょうか。
会社や学校など集団の場では必ずサボる人が現れますが、性格だけが原因でなく、集団心理とも関係しています。
なぜサボる人がいるのか、心理や対処法について解説します。
サボる人の特徴
集団に所属している
サボる人は会社や学校など、集団の場で生まれやすいのが特徴です。
一人で行動するときはしっかりやろうと思えても、複数になると手を抜いてしまう人が現れます。
責任感が分散されると、無責任になる人がサボるようになります。
責任感がない
サボる人は自分の仕事に責任感がありません。
責任感がないので、遅刻が多い、締め切りに遅れるなど、約束を守らないのが特徴です。
チームワークの場合は、自分がやらなくても誰かが仕事をやってくれると思っています。
依存心がある
サボる人は依存症になっていることがあります。
ゲーム依存だと仕事中でも我慢できずゲームをするなど、仕事に関係ないことを始めてしまいます。
依存症だと自分でもやめるのが難しく、常習的になるのが特徴です。
人によって態度を変える
サボる人は、その場によって自分の態度や行動を変えます。
上司がいるときは一生懸命に仕事をしていても、上司がいないときはサボるなど、その場の状況で全く違う行動を取ります。
同僚や部下からは信用できない人と思われている傾向があります。
仕事ができる
サボる人は仕事ができないイメージがあるかもしれませんが、仕事ができる場合もあります。
自分の仕事は既に終わっているのですが、仕事を増やされたくないので、まだ仕事を続けるふりをしている人です。
仕事を増やされても給料が増えるのでなければ、わざとダラダラ仕事を続けているようにした方が良いと考えています。
要領が良い
頭の良い人は要領良くサボることがあります。
重要なことはしっかりやる、そうでないときは適当にやる、というように自分でバランスを取る人です。
頑張りすぎると疲れるので気を抜いているのですが、態度が極端だとサボっているように見えてしまう場合もあるでしょう。
自立心が高い
サボる人が学生で、学校に来ない場合は自立心が高い可能性があります。
学校が面倒で来ないのでなく、既に自分のやりたいことを見つけており、学業より優先したいものがある人もいます。
自分の夢や信念を優先している人であり、我が道を行くためなら、学校に来ないことで人からどう思われるかも気にしないという点で、自立心が高い人です。
サボる人の心理
面倒くさい
サボる人は仕事や勉強が嫌いで、やりたくないと感じています。
面倒くさいと思っているのですが、やらない訳にもいかないので仕方なくやっているだけです。
仕事はクビにならない程度、学業は落第しない程度に取り組むなど、必要最低限やれば良いと考えています。
現状に納得していない
サボる人は、自分の立場や地位に納得していない可能性があります。
「仕事を頑張ったのに、見合った給与・評価が得られない」「自分はこんな仕事をするために、この会社に入ったのではない」のような不満があり、やる気を出せないのかもしれません。
人の気持ちを考えない
サボる人は責任感や仲間意識がないため、自分がサボることで誰かに負担がかかっても気にしません。
誰かが代わりにやってくれるなら、申し訳ないと思うのでなく、面倒なことをしなくてラッキーだと考えます。
自分が得することだけを考えている人です。
苦手なことをしている
サボる人はサボろうとしているのでなく、苦手なことをして時間がかかっているのかもしれません。
思うようにならず行動が遅いと、それがサボっていると誤解されることがあります。
本人は頑張っていてもサボっていると思われれば、モチベーションも下がってしまいます。
誰かがやってくれると思っている
集団行動の場では「自分がやらなくても、誰かがやってくれる」と思う人が必ず現れます。
一人のときは責任を持って行動できても、集団になると手を抜いてしまう現象は傍観者効果、リンゲルマン効果などと言われます。
例えば道で人が倒れているのを見つけたとき、その場に自分しかいなければ大抵の人は声を掛けたり、すぐに救急車を呼ぶでしょう。
しかし大勢の人がいる場合、傍から見ているだけだったり、誰かが通報してくれるだろうと考える人が現れます。
当事者意識が低下すると行動しなくなるのは、性格的なものだけでなく、人間が持っている性質でもあります。
全体的なバランスを取っている
サボる人が必ず現れる現象は、「働きアリの法則」に当てはめて考えることもできます。
集団行動するアリは「一生懸命に働くアリ」:「普通に働くアリ」:「サボるアリ」の割合が2:6:2の割合になっており、働きアリが疲れて動けなくなると、サボっていたアリが働くようになります。
また働きアリだけを集めて巣を作らせても、またその中から働きアリとサボるアリに分かれます。結局、サボるアリが余計に増えた結果になります。
これは全てのアリが同時に働くと疲れてしまい、仕事が中断されたり、外敵から巣を守れなくなるからです。
アリの行動を人間に当てはめると、サボる人をクビにしても、新たなサボる人を生み出す可能性があります。
また人間の場合はやる気のある人ばかり集まると意見の衝突を起こし、かえって物事が順調に進まないリスクもあるでしょう。
サボる人がいるのは良くありませんが、人間も集団行動するときにはリスクを避けるため、無意識に全体のバランスを取ろうとしている可能性があります。
サボる人への対処法・考え方
注意する
サボる人が周りに影響を与えているなら、注意した方が良いでしょう。
チームワークが大切な場では、一人がサボっていると周りにも影響を与えます。
注意するときは頭ごなしに言うのでなく、「最近休憩時間が長いけど、具合でも悪いの?」のようにそれとなく話しかけてみましょう。
もしかしたらサボっているのではなく、何かトラブルを抱えているのかもしれません。
ただのサボりなら、探りを入れられることで気を付けるようになるでしょう。
何か事情があるなら話し合いの場を設け、正直に話してもらった方が良いと思います。
締め切りを早くする・細分化する
サボる人には、仕事の締め切り日を早めに設定しましょう。
締め切り期間が短ければ、サボる余裕はなくなります。
あるいは一つの仕事を分割して、それぞれに期限を設けるなど、細分化すると管理しやすくなります。
仕事内容を変える・異動してもらう
サボる人は、任せられている仕事が向いていない可能性があります。
適材適所に配置すると、モチベーションや成果が大きく変わる人もいます。
相手の得意分野を活かせる仕事を任せるなど、新しい役割を与えることも検討してみましょう。
手伝わない
サボる人の仕事を手伝うと、自分がやらなくても他人がどうにかしてくれると思われる可能性があります。
そのため手伝うよう求められても自分も忙しいと、応じないのも対処法です。
仕事が難しいなら上司に相談するよう勧めるなど、簡単に手伝いを引き受けない方が良いでしょう。
放置する
サボる人がいても自分に害がないのであれば、そういう価値観の人と思って干渉しないのが対処法です。
サボって困るのは最終的にその人自身なので、他人がイライラしても何の意味もありません。
サボる態度が目に余るようなら、上司に報告するなどしてみましょう。
深入りしない
サボる人が学生の場合は、さぼっているのではなく人に言えない病気や家庭問題を抱えている可能性があります。
「あの子ばかりサボっていてずるい」と、表面的な部分だけで判断するのは良くありません。
登校したくても、複雑な事情で学校に来れない人もいます。そうした人に「何で学校に来ないの?」「サボりは良くない」と言うのは、更に相手を苦しめることになります。
本人がサボる理由を話さないなら、何らかの事情を抱えている可能性があるので、深入りするのはやめましょう。
公平さを求めない
学校をサボる人にイライラする人は、「親に学費を払ってもらっているのに甘えている」「自分は嫌な勉強を頑張っているのにずるい」のような、自分と比較した不公平感を抱えています。
しかし学校は会社と違って、行く・行かないのは自己責任で、比べるものではありません。
またサボる人は自分で学費を払っているかもしれませんし、お金持ちでお金に対する価値観が全く違う可能性もあります。
学校に行かなくても勉強ができ、卒業証明が欲しいだけで学校に来る人もいます。
真面目に勉強している人は、不公平と思うでしょう。ただ、世の中は理不尽です。生まれたときからお金に苦労しない、勉強に苦労しない人もいます。
社会に出れば理不尽なことはもっと経験するので、公平さを求めると自分が苦しむだけです。
不公平で皆違う人間だからこそ、違いを楽しんだり、悔しさを感じて、人は成長します。
学校は勉強するための場所ですが、来る・来ない理由は人それぞれです。視野を広く持ち、多様性を学ぶ場でもあると考えてみましょう。