執着心が強い人は、他人や物に強い関心を示したり、一つの物事にこだわり続ける人です。

強い執着心はストレスを増やし、人間関係のトラブルを起こす原因にもなるため注意が必要です。

執着心の強い人の心理や対処法について解説します。

執着心が強い人の特徴

過去の出来事をよく覚えている

執着心が強い人は、良い意味でも悪い意味でも過去の出来事をよく覚えています。

自分に良くしてくれた人のことをいつまでも覚えており、少し助けられただけでも恩を感じる人です。

また反対に嫌なことも根に持つので、いつ、どこで誰に不快な気分にさせられたかを、昨日のことのように覚えています。

物を捨てられない

執着心が強い人は自分の物を捨てられないのが特徴です。

捨てようとしてももったいないという執着があるので、中々捨てることができません。

使わない物も捨てずに置いておくので、部屋が物で溢れている場合もあります。

お気に入りに執着する

執着心が強い人は、自分が気に入った人や物に強く執着します。

好きな物はどこに行っても持ち歩いたり、それがないと落ち着かないというように、手放すことができません。

人に執着する場合は、相手の私生活に干渉しようとしたりつきまとうなど、ストーカー化することがあります。

情緒不安定

執着心が強い人は情緒不安定になりやすいです。

執着が強い余り、大切な人や物のことを常に心配しているので不安が絶えません。

一度心配になると一日中考え過ぎてしまうというように、妄想や不安に捉われやすいです。

視野が狭い

執着心が強い人は、一つの考えにこだわるのが特徴です。

「この方法しかない」「私にはこの人しかいない」のように、一度執着すると他には目が向かなくなります。

決めたことを中々変えないのは意思が強いとも言えますが、上手くいかないことを無理に続けようとするのは視野が狭い、頑固だと思われてしまうことがあります。

独占欲が強い

執着心が強い人は独占欲も強く、相手の気持ちを考えることができません。

好きな人がいると束縛する、全て把握しようとするというように、強い関心を持つのが特徴です。

また自分の好きな物は誰にも分け与えず独り占めしようとするため、強欲で嫌われていることがあります。

損得勘定が強い

執着心が強い人は、自分が損することは徹底的に避けようとします。

少しでも損をしたと思うとイライラしたり、引きずってしまうというように、気持ちを切り替えるのが苦手です。

執着心が強いので、過去に損したこともいつまでも覚えていることがあります。

執着心が強い人の心理

愛着障害

他人に強い執着心を抱く人は、愛着障害の可能性があります。

愛着障害とは親からの愛情を受け取れなかったことで、情緒不安定になったり、人間関係のトラブルを起こす状態のことです。

愛着障害がある人は、幼少期に愛情をもらえなかった分、自分が好きになった人には強く執着することがあります。

誰も信用できない

友人や恋人などに執着する場合は、相手を信用していない可能性があります。

信用していないからこそ何をしているのか気になり、相手のことばかり考えたり、探ろうとします。

またそれは「いつか自分から離れてしまうのでは」という自信のなさの表れでもあります。

プライドが高い

プライドが高い人にとって、自分で手に入れたものを失うことは、プライドを傷つけられることです。

そのため自分が手に入れたものは簡単に手放そうとしません。

手に入れたものに執着しているというより、自分のプライドを守るために執着します。

思い入れがある

身の周りの人や物に何でも執着する人もいますが、特定の人や物にだけ執着する場合は、強い思い入れがあると考えられます。

子どもの頃から好きだった、中々手に入らずやっと手に入れたなど、思い入れがあるほど執着も強くなります。

無駄にしたくない

いらない物を捨てられないのは、無駄にしたくない気持ちが強いためです。

高かったので捨てられない、今は使わなくても、いつか使えるかもしれないと思うのでいつまでも捨てられません。

執着心が強いほど家に物が溢れていきます。

恐怖心がある・寂しがりや

執着心が強いのは、孤独を恐れている場合もあります。

一人になるのが嫌なので、人や物に執着して安心感を求めます。

ゴミ屋敷に住む人も、捨てられないのではなく、物に囲まれている方が安心感を覚えるので捨てない場合があります。

自分が正しいと証明したい

一つの考えに執着する人は、自分は正しいと証明したい気持ちがあるのかもしれません。

このタイプの人は周囲から反対されるほど、かえって自分のやり方にこだわります。

「自分が成功すれば反対した人達も認めてくれるはず」「自分を否定した人達を見返したい」のような気持ちがあるので、自分の考えを変えようとしません。

完璧主義

執着心がある人は、何事も完璧でないと気が済まないのかもしれません。

完璧にやり遂げたい気持ちが執着を強めるので、納得できるまではそのことについて考え続けようとします。

病的に執着心が強い場合は、強迫性障害の可能性もあります。




執着心を断ち切る方法

執着心は自分を苦しめると認識する

執着心は持っているだけで心の重荷となり、自分を苦しめるものです。

執着心があるだけでも苦しいですが、持ち続けていると、嫉妬、怒り、悲しみ、後悔などあらゆる負の念が湧いてくるようになります。

抱えているだけで毒になるものだと分かれば、これは手放した方が良いと思えるのではないでしょうか。

過去に捉われて今を生きるか、気持ちを切り替えて生きると決めるのかによって、今後の人生観に違いが出てくるでしょう。

無理に消そうとしない

執着心は消そうとして消えるものではないので、あるがままの状態を受け入れることも大切です。

消そうと意識すると、余計に執着するという負の循環に陥ります。

人は同じ気持ちを抱え続けることはできないので、いずれ手放すことに抵抗がなくなる、自然と忘れるときが来ます。

自分の意識でできることといえば、自分から執着心を強めようとしないことです。

執着していることについてずっと考え続けたり、思いを強めるようなことは避けましょう。

執着心に捉われるのではなく、執着心が残っている心を客観視することが大切です。

別のことに集中する・環境を変える

執着している対象について考え続けるほど、自分で悩みや苦しみを深めるようになります。

仕事に集中する、趣味に没頭するなど、別のことに意識を向けて気持ちを切り替えましょう。

転職、引っ越しなど環境を変えることも、執着を断ち切るきっかけになります。

断捨離する

今使わない物が後で役に立つこともありますが、溜め過ぎると家がゴミ屋敷になります。

「今月全く使わなかった物は捨てる」というように、ルールを決めていらないものは捨てていきましょう。

人間関係も常にネガティブな人、一緒にいて嫌な気分になる人とは縁を切るというように整理すると、自分にとって大切な人が分かり、人間関係のストレスを減らせます。

新しいことを始める

執着しているのは過去の出来事として、新しいことを始めるのも対処法です。

新しい人に会う、興味のあることを始めてみることで、関心がそちらの方へ向いていくこともあります。

新しい出会いによって自分の価値観が変わったり、過去の出来事があったからこそ今があると見方を変えられることもあります。

完璧にこだわり過ぎない

執着心が強くなる原因は、完璧にこだわり過ぎている可能性があります。

自分が思う完璧な状態とはあくまでも理想像で、必ずしも思い通りになる訳ではないと認識することが大切です。

「完璧にやり遂げなければならない」という、自分を追い込む気持ちを手放せるようになると、執着心も薄れていくでしょう。

「○日までに解決しなければやり方を変える」というように、自分で期限を決めておくと、気持ちを切り替えやすくなります。

執着心が強い人への対処法

一線を引く

執着心が強い人と人間関係が深まると執着されるようになります。

執着されたくないなら距離を置いた方が良いですが、できない場合は一線を引く態度を心掛けましょう。

必要なときは話しますが、それ以外は無関心でいることが大切です。

プライベートな話はしない

執着心が強い人はプライベートについて尋ねてくることがありますが、安易に答えない方が良いでしょう。

プライベートについて話してしまうと、関心を持たれてストーカー化する可能性もあります。

期待外れの行動を取る

執着心が強い人は、一度執着した人に勝手な理想像を抱いていることがあります。

その理想を壊すような行動を取ることで、思っていたのとは違うと夢から覚めてくれるかもしれません。

相談する

職場で執着してくる人がいるなら、相手の上司に相談するのも対処法です。

つきまとわれている、プライベートにまで介入してこようとするなど、迷惑に感じていることを全て報告してみましょう。

また自分の上司や同僚にも伝えておくと、助けてもらえることもあります。

締め切りを早くする

一つの考えに執着して仕事が進まない人の場合、締め切りを早く伝えるのも対処法です。

執着心が強い人は考える時間があるほど、なるべくやり方を変えないで続けようとします。

締め切りまでの期間が短ければ仕方ないのでやり方を考えようと、別の方法を考えてくれるようになる可能性があります。

相手の考えを受け入れてから提案する

自分の考えに執着する人は、自分は間違っていないと証明するために意地になっているのかもしれません。

その場合は相手を否定するようなことを言うと逆効果になるので、相手の気持ちを一旦受け入れることが大切です。

「あなたの考えも良いと思うけど、こういうやり方もあるのでは?」と提案された方が耳を傾けてくれる可能性があります。