恩を仇で返す人とは、親切にしてくれた人を裏切るような人のことです。
自分を助けてくれた人を助けたいと思うのが人として自然な心ですが、そうはならない人もいるので注意が必要です。
恩を仇で返す人の心理や対処法について解説します。
恩を仇で返す人の特徴・見分け方
助けてられても助けない
恩を仇で返す人は、自分は人に助けてもらっても、他人を助けることはしません。
自分の地位が高くなると、助けてくれた人さえも馬鹿にしたり、見下すことがあるのが特徴です。
他人に助けられても結果は全て自分の手柄にしようとするというように、自分が得することだけを考えています。
感謝しない
恩を仇で返す人は、普段から人に感謝しない、約束を守らないなどマナーがないのが特徴です。
助けてもらうことを当たり前のように思っているので、お返ししたいという気持ちが起こりません。
感謝の心がないので、誰に助けてもらったのかもすぐに忘れてしまいます。
責任感がない
恩を仇で返す人は、困ったことがあるとすぐ人に頼るのが特徴です。
自分で解決する気がなく、最初から誰かに丸投げしようとします。
助けられても面倒なことを自分がやらずに済んでラッキー、相手が勝手に助けてくれただけというように都合良く考えるので、感謝する気持ちが起こりません。
プライドが高い
プライドが高い人は無能と思われたくないので、人に助けを求めることが苦手です。
しかし自分の力だけではどうにもならなくなったときに、助けを求めることがあります。
その場合は頼むというより命令してきたり、本来は助けを求めたくないと思っているので、感謝しないことがあります。
自己中心的
恩を仇で返す人は、家族や友人なども都合の良い存在として扱っていることがあります。
家事をしてもらうために同居しているだけ、お金を借りたいときだけ接するなど、他人に対しての愛情がありません。
そういう生き方を合理的で賢いと思っているので、助けてもらうことをありがたい、申し訳ないと思う気持ちにはならない人です。
二面性がある
恩を仇で返す人は、相手によって大きく態度を変えるのが特徴です。
自分にとって利用価値がある人の前では愛想良くしていても、そうでない人には雑な対応しかしないというように態度を変えます。
損得勘定で人付き合いをする人なので、恩人が困っていても自分の得にならないときは、助けなかったり知らないふりをします。
交友関係は広く浅い
恩を仇で返す人は少しでも自分が有利になるために交友関係を広げるので、知り合いが多いのが特徴です。
ただし利用目的で人脈作りをしているだけなので、人間関係は広く浅い傾向があります。
どこでも恩を仇で返す行為をしている場合、人間関係が長続きしないので、転職や引っ越しを繰り返したり、行方知れずになる人もいます。
最終的に裏切る
恩を仇で返す人は、最初は相手から信頼されるように努めますが、最終的には裏切るのが特徴です。
最初から相手の何かを奪うのが目的なので、権力者やお金持ち、能力が高い人などに近付きます。
相手の信頼を得て、欲しいものを奪ったら見捨てるというように、損得勘定で行動します。
嘘をつく
恩を仇で返す人は、欲しいものを得るためなら平気で嘘をつくのが特徴です。
同情を誘うような作り話をして助けてもらおうとしたり、噓泣きで情に訴えようとします。
信用すると嘘がばれるまで利用され続けたり、大切なものを奪われるので注意が必要です。
恩を仇で返す人の心理
他人は利用するものと思っている
恩を仇で返す人は、他人は自分が優位に立つために利用するものと思っていることがあります。
他人を道具としか見ていないからこそ、手段を選ばず平気で嘘をつくことができます。
自分が利益を得れば後のことはどうでも良いと思っているので、助けてくれた人のことも覚えていません。
助けてもらうことが当たり前と思っている
恩を仇で返す人は、人に助けてもらうことを当たり前のように考えていることがあります。
自分が助けてほしいと言った訳ではない、相手が勝手にやっただけなので、自分は感謝する必要はないと考えています。
自分に都合良く物事を考えたり、甘やかされて感謝することを知らずに育った人に多い心理です。
恩を迷惑だと感じている
恩を仇で返す人は、人から手を差し伸べられることを迷惑だと感じている場合もあります。
助けてほしいと頼んだ訳ではないのに助けられることを、お節介、迷惑だと感じる人です。
自分の意思で自由に行動したい、恩を売られたくないと思う人は、恩を受けても感謝できません。
承認欲求が強い
恩を仇で返す人は、自分が評価されるためなら手段は選ばないことがあります。
自分が出世するためなら、自分を助けてくれた人でさえ裏切る、切り捨てるというように自分を優先します。
野心がある場合は、恩人に敵対心を抱くようになり、陥れて失脚させようとすることがあります。
助けを借りたと思いたくない
プライドが高い人の場合、助けを求めたことをなかったことにしたいと思っている可能性があります。
プライドが高い人は自分に対して理想が高いので、「誰かに助けを求めることは、自分の能力の低さを表している」と考えることがあります。
自分の能力が低いとは思いたくないので、「今回は運悪くトラブルに巻き込まれただけ」「本来は助けられなくても成功できた」のように考える人は、感謝・謝罪しないことがあります。
敵対心がある
恩を仇で返す人は、最初から助けを求める相手に敵対心、嫉妬心を持っていることがあります。
助けを求めることで相手の大切なものを奪ったり、困らせるためにわざと近付きます。
相手を弱らせることが目的なので、助けられても感謝する気持ちは起こりません。
恩という感覚を知らない
恩を仇で返す人は、そもそも「恩」という感覚を持っていない場合もあります。
「恩(ありがたい人の情け)」を感じる人は「恩義(受けた恩に対して報いようとする心)」も感じるものですが、そういう感覚を持たない人もいます。
日本人生まれで恩義の感覚がない人もいますが、特に外国人は価値観・慣習の違いから、恩というものを知らない場合があります。
恩を仇で返す人の末路
仕返しされる
恩を仇で返す人とはもう関わりたくないと離れる人もいますが、仕返ししなければ気が済まないという人もいます。
仕返しされた場合は恩を仇で返す性格だと噂を広められたり、訴えられて大事になる可能性もあるでしょう。
助けてもらえなくなる
恩を仇で返す人だと思われると、誰からも助けてもらえなくなります。
助けたところで利用されるだけと分かっているからです。
どうしても助けが必要なときは大金を支払うなど、大きな代償を払わないと助けてもらえなくなるでしょう。
信用されなくなる
大抵の人は助けてくれた人にお礼を言いたい、お返しをしたいと思うため、そういう感覚がない人は、人間性に問題があると思われます。
感謝の気持ちがない人、マナーがない人と思われて人が離れていき、次第に孤立するでしょう。
職場の場合は評価・昇進に関わる可能性もあります。
恩を仇で返す人への対処法
頼みごとをする
恩を仇で返す人か見分けるには、頼みごとをしてみましょう。
恩を仇で返す人は、自分は助けてもらっても、他人のことを助けようとは思いません。
こちらから頼みごとをしたときにいつも断るなら、他人を都合の良い存在としてしか見ていない可能性があります。
感謝の気持ちがない人から離れる
恩を仇で返す人は、普段からお礼を言わない傾向があります。
感謝がないということは恩も感じていないので、一緒にいると都合の良い存在扱いされる可能性が高いです。
助けてもらうのは当たり前という態度を取る人とは、徐々に距離を置いた方が良いでしょう。
ただし外国人は恩という感覚自体を知らないことがあるので、恩について説明すれば、そういう感覚を受け入れて身に付けようとしてくれる可能性があります。
契約しない
恩を仇で返す人とは重要な契約はしない方が良いでしょう。
例えば借金の連帯保証人になることを承諾すれば、責任を押し付けて逃げられる可能性があります。
また借金のカタ(美術・高級品など)を差し出す人がいますが、そもそも価値あるものは売り払ってお金に換えるはずなので、偽物か価値が低いものである可能性が高いです。
もし頼みごとを引き受けるなら、逃げられても構わないと思える相手だけにした方が良いでしょう。
重要なものを渡さない
恩を仇で返す人には重要な資料、通帳、印鑑、鍵などは渡さない、盗まれないよう厳重に保管することが大切です。
恩を仇で返す人は、最初は周囲の信頼を得るために、真面目で誠実な態度を心がけます。
しかし、ある程度信頼を得て重要な地位を任されるようになると、その立場を悪用することがあります。
どれだけ人が良さそうに見えてもふとした言動に違和感がある人は、簡単には信用しない方が良いでしょう。
親切過ぎる人、媚びてくる人に注意する
やたら褒めてくる、おだててくるなど好意的に接してくる人には、何か裏があると思った方が良いでしょう。
いつも同じような態度を取る人は仮面を被っている可能性が高く、最初は相手に尽くすことで取り入ろうとしているとも考えられます。
一番信頼される存在になれば、機密情報を聞き出したり、貴重品を盗みやすくなるからです。
色々と質問してくる場合はその可能性が高いので注意が必要です。
人間関係・評判を調べる
信頼できる人間か判断する方法として、今までの人間関係が長く続いているかを調べるのも対処法です。
家族への接し方、友人関係、今までの勤務先からの評判などを調べてみると、どういう人間性なのか判断しやすくなります。
人間関係がその場限りで終わっていたり、良い評判を聞かない場合は簡単に信用しない方が良いでしょう。
見方を変えてみる
恩を仇で返しているように見えても、そういうつもりはない可能性もあります。
たとえば恩人より高い地位や実力を得ようとすることを、恩を仇で返す人と見る人もいるかもしれません。
しかし、恩人を超えて成長することが恩返しであると考えている可能性もあります。
恩を仇で返すような人柄ではない場合は、解釈の違いがあるとも考えられるので、判断を早まらないことも大切です。