日頃から仕事や家事で失敗が多いことはないでしょうか。深く考えずに行動してしまうことを思慮が浅いといいます。

自覚があり、思慮が浅い性格を改善したいと思っている人もいると思います。そこで、思慮が浅い人の特徴や改善方法について解説します。

思慮が浅いの意味とは

考える男性

思慮とは、色々と考えを巡らせるという意味の言葉です。物事に対して深い想像力を働かせる人は、思慮深い人間であるという意味になります。

つまり「思慮が浅い」とは、「思慮が深い」とは反対の意味です。


もし他人から注意されることが多いとしたら、思慮が浅いと思われている可能性があります。思慮深くなるための改善方法について解説するので、参考にしてみてください。

思慮が浅い人の特徴

やる気がない

思慮が浅い人は物事へのやる気がなく、面倒くさがる特徴があります。社内で周囲からやる気がない、覇気が感じられないと思われている人はいないでしょうか。やる気がない人は、仕事でのミスも多いと考えられます。

やる気があると気持ちに張り合いが出るので、緊張感も生まれやすくなるでしょう。しかしやる気がなければ気が緩んだ状態で行動するので、失敗しやすくなります。

同じ失敗を繰り返す

思慮が浅い人はやる気がないので、同じ失敗を繰り返しがちです。やる気がないと、反省する気も起こりにくくなります。人から注意されても忘れてしまい、同じ失敗を繰り返しやすいです。

やる気があっても、思慮が浅いと思いつきで行動するので、失敗しやすくなります。行動力があるのは長所ともいえますが、失敗すれば周囲に迷惑をかける原因になります。

人に合わせることが多い

思慮が浅い人は、自分で考えず人任せに行動する癖があります。周囲に合わせられるのは長所のようですが、本心は責任を取りたくないからです。皆に合わせておけば間違いないと判断しています。

自分の意思で行動せず、先のことは何も考えていません。状況により発言や態度を変えるところがあり、八方美人だと思われていることがあります。

被害者意識が強い

思慮が浅い人には、人から注意されても素直に受け止められないタイプの人がいます。注意されると嫌味を言われたように感じるなど、被害者意識が強い人です。悪いのは自分ではないと思っているので、人の話を聞き入れられません。

本人は本気で、自分は悪くないと主張することがあります。ただし他人から見れば、環境や他人のせいにしているようにしか見えません。自分を客観視できない、思慮が浅い人だと思われる原因になるでしょう。

気遣いできない

思慮が浅い人は思ったことをすぐ口に出すなど、空気を読まない特徴があります。率直な意見を言えるところは長所ともいえるでしょう。

しかし人が傷つくことを平気で言ってしまい、トラブルメーカーになっていることがあります。人から注意されても、自分の何が悪いのか理解できない人ほど、トラブルメーカーになりやすいでしょう。

空気を読まないのは、良く言えば素直な性格ということです。喜怒哀楽がはっきりしており、裏表がない面があります。

ただし気に入らないことがあるとすぐ怒る、泣き出すなどの態度があれば短所となり、思慮が浅い人と思われてしまうでしょう。

騒音を立てる

静かな場所で大声を出す、大きな音を立てるという人が身近にいないでしょうか。周囲の迷惑を考えず行動するのも、思慮が浅い人の特徴です。

自分がうるさい音を立てている自覚がないので、注意されないと気づかないタイプの人です。

人によっては、注意されても「あなたが神経質なだけだ」と反省しないこともあるでしょう。自分に悪いところがあると考えられない点も、思慮が浅いと思われる原因になります。




思慮が浅い人の心理

楽観的

思慮が浅い人は、最初から何も考えずに行動しがちです。直感的な行動力があっても、考えなしに動けば短所となってしまいます。

思慮が浅い性格だと、失敗しても「またやってしまった」と落ち込むだけで、反省しないところがあります。または「次は何とかなる」と楽観的な気持ちで行動するので、同じ失敗を繰り返しやすいのも特徴です。

計画的な人生はつまらないと、あえて何も考えず行動する人もいます。深刻に考えすぎないのは長所ともいえますが、トラブルが生じやすいのであれば、少しは計画を立ててから行動した方がよいでしょう。

反省する気がない

思慮が浅い人が反省しないのは、自分は本当に悪くないと思っているからです。自分だけが正しく、周りは間違っているかのように主張します。中には謝罪する人もいますが「とりあえず謝れば済む」と思っている場合もあります。

自分に非があると分かっていても、反省しない人もいるでしょう。頑固な性格の人に多い特徴です。ただ自分は悪くないと思っている人と同じで、
思慮が浅い人が反省しないのは、言い訳して反省しません。人の意見に流されない自分は強い人間だと思っていることがあります。

反省しているように見えても、
思慮が浅い人が反省しないのは、自分の何が悪いのか理解できていない人もいます。理解できなければ反省もできないので、同じ失敗を繰り返しやすいでしょう。自分を客観視できていないのが、失敗する原因です。

自己中心的

思慮が浅い人は、相手の気持ちになって考えることが苦手です。思いやりの心を持てず、平気で傷つく言葉を言ってしまったり、空気を読めない面があります。

自己中心的な態度で嫌われたとしても、思慮が浅いので、なぜ自分が嫌われるのか理解できません。自分中心で考えるので、人に注意されても謝罪できず、相手に非があるような言い訳することもあります。

自己中心的な人は、人の話を聞くのも苦手です。自分の話ばかりしたり、人の話をさえぎって話す癖があります。

思慮深い人は、自分の話ばかりする人は嫌われると分かっているので、相手の話にも耳を傾けます。嫌われやすい行動を取ってしまう点が、思慮が浅いと思われる原因でしょう。

自信が強い

自己評価が高い人は、自分の能力に見合わないことをして失敗することがあります。自信を持って行動するのは悪くありません。ただし実力が伴わなければ、うぬぼれているようにしか見えず短所となってしまいます。

一人で突っ走り失敗する癖がある人も、思慮が浅い人です。「自分がやれば何でも成功する」と、根拠のない自信を持っています。理想と現実の区別がつかないタイプの人です。

理想をイメージして行動できるのは長所でもあります。ただ、計画を立てず動くことは無謀といい、長所も短所となってしまうでしょう。

噂好き

噂好きの人は、人の噂を周囲に話し回ることがあります。噂話をすることで会話が盛り上がったり、自分に注目が集まるのが面白いと感じる心理があるからです。

噂話の対象にされている人の気持ちを考えられない点で、思慮が浅いと思われるでしょう。秘密を守れない性格なので、人からも信用されにくくなります。




思慮が浅い人に見られる行動の特徴

メモを取らない

仕事の予定・教わったことなどのメモを取る癖がない人は、忘れたときのことを考えていません。メモを取らない理由は、やる気がないか人に聞けばいいと思っているからです。

人に聞けば教えてくれることもあるでしょう。しかし聞く回数が多いと、仕事ができない印象を持たれやすくなります。

家事が苦手

思慮が浅い人は、順番を考えて行動するのが苦手です。部屋の整理整頓ができない、料理がうまく作れないなどの特徴があります。

優先順位を決めてから行動すれば、ミスは起こりにくいはずです。思慮が浅い人は思いつきで行動するので、予想外のことが起こると慌てて失敗しやすくなります。

読書しない

読書しないのも、思慮が浅い人の特徴です。本を読まないので知識が少なく、視野を広げられません。人と会話しても同じことばかり話したり、相手の質問の意味が分からないことがあります。

小説を読めば登場人物の心情を想像するので、相手の気持ちを考えられるようになります。知識を増やすには一つのジャンルにこだわらず、様々な本を読むのがおすすめです。

一つのジャンルにこだわって読むと、考え方に偏りが生まれやすくなります。

見た目で判断する

思慮が浅い人は、人を見た目で選ぶ癖があります。何を大切と思うのかは人それぞれです。ただし表面的な情報だけで判断する人は、思慮が深いとはいえないでしょう。

いくら外面が良くても、内面も善人であるとは限りません。思慮が浅い人ほど、外見に騙されやすい特徴があります。

思慮深くなるには、相手の外面だけでなく内面も理解する必要があります。相手の性格を知るために何度か話してみるなど、感情だけで行動しないことが大切です。

趣味がない

思慮が浅い人は、集中できる趣味を持っていません。趣味を楽しむ人であれば、どうすれば好きなことが上達できるか考えようとします。

素直に上達したい気持ちで行動するので、教えてくれる人の話も聞き入れやすくなるでしょう。一つのことに集中して継続することで、人間的な深みも出てくるようになります。

無趣味が悪いわけではありません。しかし趣味を持っている人は、物事の上達するコツやパターンを掴むのが早い特徴があります。




思慮が浅い人への対処法

なるべく関わらない

思慮が深い人と親しくなっても、余計なトラブルに巻き込まれる可能性があります。軽率な行動が多い人だと感じたら、あまり関わらない方が良いでしょう。

指摘しても性格は簡単に直らないので、距離を置く方が安全です。

怒らない

思慮が浅い人が身近にいると、失敗する度に怒りたくなることもあるでしょう。ただし思慮が浅い人は怒られるとパニックになったり、逆切れする可能性もあります。怒るよりも、なぜ失敗したのか原因を考えさせましょう。

怒られても、本人は怒られた意味が分かっていないこともあります。またこちらが感情的になると、パワハラだと思われる可能性もあります。

自分で原因を考えさせ、同じことを繰り返さないよう反省させることが大切です。

こまめに報告・連絡・相談してもらう

思慮が浅い人に一人で何か任せても、失敗する可能性があります。仕事で何か任せるときは、誰かと一緒に進めていく方が安全です。

一緒に仕事ができないときは、こまめに報告・連絡・相談をしてもらいましょう。

質問する

思慮が浅い人が自分一人で行動する前に、計画を立てているのか確認しましょう。計画の内容を話してもらい、問題が起きたときの対策もセットで考えているのか聞いてみてください。

考えが甘ければ、計画を見直した方が良いと伝えましょう。思慮が浅い人でも、説明されて納得できれば、もう一度考え直してから行動する可能性があります。

自分で考えさせる

思慮が浅く、責任感がないタイプは人に頼りがちです。自分に関係ない頼み事をされたら「自分でやってください」と、自力で解決させるようにしましょう。

誰も助けてくれないと思えば、自分でどうにかしようと行動するでしょう。

自分で考えるのが苦手な人は、人に言われたことをするのは得意な傾向があります。

職場の場合、最初は一人でできる単純作業をしてもらう方法があります。一つの仕事に慣れてから、新しい仕事を覚えてもらうというように、段階を決めて仕事を教えると覚えやすくなるでしょう。




思慮が浅い自分を改善する方法

過去のトラブルを振り返る

過去によく考えずに行動して、後悔したことを思い出してみましょう。「傷つくようなことを平気で言ってしまった」「自分勝手に行動して、周囲に迷惑をかけてしまった」などのトラブルです。思いつかない場合は、人に注意されやすいことを思い出してみてください。

人に注意されやすいことは、癖になっており自覚がない可能性があります。例えば「もっと静かに行動して」と言われることが多いなら、自分の生活音がうるさいと考えられるでしょう。どうすれば生活音を抑えられるか、対策を考える必要があります。

同じ失敗を繰り返さないよう対策を考える

後悔したこと、注意されたことを思い出したら、同じことをしないため対策を考えます。傷つくことを平気で言ってしまう人は、相手の気持ちを考えて発言するなどの対策を考えてみてください。

対策がどうしても思いつかないときは、人から注意されたことを素直に聞き入れてください。そして同じことを繰り返さないように気を付けることが大切です。

失敗するたびに反省する

対策を考えても、性格はすぐに直らないので、失敗することもあるでしょう。その度に反省して直そうとする気持ちが大切です。

自分で考えた対策がうまくいかない、人の気持ちがよく分からないと思うときは、知識を増やしましょう。人間関係に関する本を読むと、自分の問題を解決する知恵を得やすくなります。

また日記として自分の気持ちを記録しておくと、自分の考えを客観的に判断しやすくなります。読書で知識を増やし、日記で自分の行動を見直す習慣をつけてください。

人の話を聞き入れる

人に何か注意されたときは、素直に話を聞き入れてください。注意してくる人を嫌な人だと思っていては、相手の話を聞き入れにくくなります。

自分では気づかないことを教えてくれていると見方を変えましょう。

思慮が浅い自分を変えよう!

思慮が浅い人には楽天的、行動力があるなど長所もあります。ただし無計画に行動すると長所も短所となってしまうので注意が必要です。

思慮が浅い性格は、自覚して改善しようと思えば変えられます。思慮深くなるには、解説した改善方法を参考にしてみてください。