普段は優しい人なのに、関わると傷つく、疲れると感じる人がいないでしょうか。
そうした人は一見良い人に見えるかもしれませんが、人を支配して利用するマニピュレーターの可能性があります。
マニピュレーターに共通する特徴や対処法について解説します。
マニピュレーターとは
マニピュレーター(潜在的攻撃性パーソナリティ)とは、心理学では自分の思い通りになるよう他人を操ろうとする人のことです。
マニピュレーターは意図的に人を支配しようとしている場合と、自分の利益を得ようとするために無意識になっている場合があります。
簡単に言うと詐欺師のような人格であるため、マニピュレーターについて無知だと騙されたり、利用されても気付けないことがあります。
マニピュレーターの特徴
第一印象が良い
マニピュレーターは初対面では優しそう、穏やかそうなど良い人そうな雰囲気があります。
またコミュニケーション能力が高く、話術で人の心を開かせたり、引き付けるのが得意です。
人を疑う心がない、純粋な人ほどマニピュレーターの仮面に気付かず信用してしまうので注意が必要です。
評判が良い
マニピュレーターは自分の本性を巧妙に隠し、善人を演じることができます。
外面が良く、本性がバレないよう慎重に行動しているので、周囲からの評判は良い傾向があります。
しかし陰では噂を流して他人の評判を下げたり、自分以外の誰かを利用して目的を達成しようとするなど、自分の手を汚さないように立ち回ります。
邪魔をしてくる
マニピュレーターは他人の成功を邪魔しようとすることがあります。
マニピュレーターは夢や目標に向かって行動している人がいると、口では「頑張ってね」「応援しているよ」と言います。
しかし忙しいときに限って仕事を押し付けてくるなど、足を引っ張るようなことをしてくるのが特徴です。
罪悪感を抱かせようとする
マニピュレーターは、普段は人を褒めたり認めているような、肯定的な態度をしています。
しかし些細なミスでも厳しく叱責する、わざと人前で非難するなど、自尊心を傷つけることをしてくるのが特徴です。
そんな人でも普段は優しいので、「自分のためを思って言ってくれているのだろう」と解釈する人は騙されてしまいます。
親密関係になろうとする
マニピュレーターは利用できそうだと思うターゲットを決めると、その人と親密関係になろうとします。
友人や恋人など親しい関係になり信頼を得ることで、より利用しやすくなるからです。
また親しくなってしまえば多少は悪いことをしても大目に見てもらえる、あるいは上手く言いくるめられるというように考えています。
家族の場合は自分から離れないよう束縛、執着するなど毒親、毒兄弟になることがあります。
嘘をつく
マニピュレーターは都合の悪いことには平気で嘘をついたり、デマを流します。
相手に知られたくない情報があれば、それは間違っていると言い嘘の情報を吹き込むなど、混乱させて騙そうするのが特徴です。
マニピュレーターとっては騙されたままでいてくれる方が利用しやすいので、嘘をついてでも他人を支配下に置こうとします。
味方になってくれない
マニピュレーターは人当たりが良さそうでも、肝心なときに味方になってくれません。
普段は「困ったことがあったら言ってね」のように親切そうな発言をしますが、いざ助けを求められると自分も忙しいからと断ったり、知らないふりをします。
またマニピュレーターは何かトラブルが起きたときに全て他人のせいにするなど、責任転嫁することがあります。
マニピュレーターの心理
支配欲がある
マニピュレーターになるのは支配欲の強い人です。
他人を自分の言うことを聞かせたい、自分のために尽くしてもらいたいなどの欲求があります。
マニピュレーターはその欲求を暴力で果たそうとするのではなく、マインドコントロールの手段を使って果たそうとします。
承認欲求を満たすため
マニピュレーターは他人を自分の支配下に置くことで承認欲求を満たしています。
人の心を操れる自分自身を賞賛する気持ちや、自分の言うことを聞く人が多ければ多いほど自分は優れていると思えるためです。
強い承認欲求を持っている場合、愛情が満たされない環境で育ったなどで自尊心が低く、それを満たすために人を支配下に置こうとしているとも考えられます。
敵対心がある
マニピュレーターは穏やかそうに見えても、内心は負けず嫌いな面を持っています。
自分が一番でいたい気持ちがあるため、周囲の人を支配下に置こうとしたり、自分の立場を脅かす人を遠回しに攻撃して排除しようとします。
自分に従わない人には、それだけで敵意を抱くなど傲慢さがある人です。
マニピュレーターへの対処法
第一印象を信用し過ぎない
マニピュレーターは自分の見せ方をよく分かっているので、第一印象はとても良く見えるのが特徴です。
また人の心を見抜くのが上手く、どんなことを言えば相手が喜んでくれるのかを分かっています。
初対面なのに自分のことをよく質問してくる、やたら褒めてくるなどの態度が見られる人は、すぐに心を開かない方が賢明でしょう。
冷静に見て信頼できるか、距離を置くか判断することが大切です。
相談話をしない
マニピュレーターは親切心を装って、相談に乗るふりをしてくることがあります。
しかし、それは相手の情報や弱点を引き出すためであって、助けてはくれない可能性があります。
またマニピュレーターに自分の弱みをさらけ出すと、「あの人が仕事ができないせいで私が迷惑している」というように悪評を流されることも考えられます。
そうして相手の弱点を把握することで、マニピュレーターはそれを利用して自分の評判を上げようとします。
そのため自分の情報や悩みについては、簡単に教えるのは避けた方が良いでしょう。
態度に振り回されない
マニピュレーターは優しい態度と冷たい態度を使い分けて、相手の心を惑わせます。
例えばいつも優しい人が急に冷たくなると、「何かあったのか」「自分が何かしてしまったのか」のように気になってしまうことがあると思います。
そして、一度気になってしまうとその人のことを考え続けたり、その人の顔色をうかがうようになってしまいます。
それこそがマニピュレーターが自分に依存させるための手段なので、罠にはまらないように注意しましょう。
情緒不安定な人、気難しい人だと感じたら、マニピュレーターの可能性があるので、態度に振り回されず必要なことだけ話すか、なるべく距離を置くことをおすすめします。
理不尽には従わない
マニピュレーターは、突然理不尽な要求をしてくることがあります。
それは自分の要望に応えられるだけの能力(利用価値)があるかを判断したり、黙って従う人間かを判断するためです。
そのためどう考えても無理、理不尽だと感じることは矛盾点を説明したり、別の提案をすることが大切です。
例えば無理な量の仕事を押し付けられたら、「どう計画を立てても、この量を締め切りまでに終わらせるのは難しいです」「締め切りを伸ばしてもらえないでしょうか」というように話してみましょう。
大切なのは、相手の言いなりにならないことです。
マニピュレーターにとって支配が難しい人間になることで、ターゲットにされにくくなります。
責任を明確にしておく
マニピュレーターとはなるべく行動を共にしない方が良いですが、避けられない場合は責任を明確にしておくことが大切です。
特にマニピュレーターに理不尽な要求をされたときには、その責任をあなたが取ってくれるのかと聞いてみましょう。
マニピュレーターは人に理不尽な要求をする割には、何か起こったときには全て人のせいにして知らんふりをします。
マニピュレーターは事実をわざと曖昧に話したり、嘘をついていることがあるので、不可解に感じることがあれば質問して確認することが大切です。
別居する
家族にマニピュレーターがいる場合は、なるべく早く別居することをおすすめします。
マニピュレーターは自分の家族を洗脳して、思い通りに動かそうとすることがあるためです。
マニピュレーターが家族の場合、「あなたのためを思って~」のように、あたかも相手のためを思う優しい人間であると思わせるような発言が多いです。
しかし実際は束縛して一生利用するためなど、自分の目的が優先なため注意しましょう。
長い間一緒に生活していると、自分が操られていることを自覚できない人もいます。
マニピュレーターに人生を食い潰される前に、自分の身は自分で守る行動を取りましょう。