家族や職場などで、沢山の料理を食べさせようとしたり、食べ物を渡してくる人がいないでしょうか。

断りにくい相手だと我慢して食べることもあるでしょうが、それが日常的だとストレスを感じると思います。

なぜ他人に食べることを強要するのか、食べさせようとする人の心理や対処法について紹介します。

食べさせたがる人の心理

沢山食べることが良いと思っている

食べさせたがる人は、沢山食べることが健康的だと思っています。

「食べることは良いこと」という意識の方が強く、食べ過ぎれば病気になることにはあまり意識が向きません。

子供に甘い親や祖父母の場合は、健康を気遣うよりも好きなものを好きなだけ食べさせたい心理からどんどん食べさせます。

共感、安心感を得たい

自分が食べたいときに人にも食べさせようとする人は、共感や安心感を得ようとしている人です。

好きな人と一緒に食事を楽しみたい、自分だけ食べるのは申し訳ないなどの気持ちから、周りの人にも食べ物を渡します。

あるいはダイエット中なのに自分だけ食べるのは罪悪感が湧くなど、周りの人にも食べてもらうことで安心感を得ようとしている可能性があります。

心配している

家族であれば、食べないことで栄養失調になることを心配していると考えられます。

極端なダイエットをしている、普段から小食で痩せ気味の家族がいれば、少しでも良いから食べてほしいと心配する気持ちから食べさせようとします。

嫌いなものでも食べさせようとする人は、偏食による栄養失調を心配して、バランスよく食べてもらいたい心理があります。

人に分け与えるのが習慣になっている

いつも自分の食べ物を人に分ける人は、それが習慣になっていると考えられます。

食べ物以外でも、自分ものを自然と周りの人に分けられる人か、分けられるものは独り占めしないで周りの人に配ると教えられて育った人です。

本人は自然なこととしてやっているので、沢山食べさせようなどの意識は持っていません。

太らせたい

沢山食べさせようとする人は、相手に太ってほしい心理から食べさせていることがあります。

沢山食べ物を食べさせ、相手がどんどん太ることで、自分が幸福を感じる人です。

一種の依存症であり、太らせるのが目的で食べさせる人のことをフィーダー(feeder)と言います。

フィーダーが特定の人を太らせるのは、恋愛感情がある場合はふくよかな人に魅力を感じるため、わざと太らせて他の異性に取られないようにするためなどの心理があります。

親がフィーダーの場合は太っているくらいが健康だと思って沢山食べさせようとしたり、友人の場合は自分より美人になってほしくない心理から、太りやすいものを食べさせようとすることがあります。

食べられない過去があったから

沢山食べさせたがる人は、食べられない過去を経験した人かもしれません。

貧しくて食べられない、戦時中の食糧不足など、食べ物に苦労した人は、食べられなかったときの苦しさや恐怖を覚えています。

食べられるときに沢山食べておく意識があるため、自分の大切な人にも沢山食べてもらいたい(ひもじい思いをさせたくない)心理から食べさせようとします。

時代・価値観の違い

一度に食べ切れない量の料理を出す場合、それは時代や価値観の違いが関係していることがあります。

高齢者は客人に沢山料理を出したり、食べ物をくれる人がいますが、それが客人に対するおもてなしの習慣だったからです。

また中国の宴会では、客人に料理が少ないと思われるのは失礼なので、食べ切れない量の料理を出すことがおもてなしです。

食に対する意識が変わり、そうした慣習も減っていますが、沢山の料理を出すのは、時代や国によっては、それがマナーだったからとも考えられます。




食べさせたがる人への断り方

無理に食べ過ぎない

相手の気持ちに応えようとして、つい食べてしまう人はきちんと断ることも大切です。

食べさせることが好きな人は、相手が満腹だと言うまで料理を持ってくる人もいます。

「もうお腹一杯です、ご馳走さまでした」と、もうこれ以上は食べられないことを伝えてみましょう。

しつこく勧めてくる人には「ありがとうございます。お気持ちだけ頂戴します」と言えば、十分あなたの厚意は受け取りましたという形で断ることができます。

食べられない理由を伝える

食べさせようとする人には、食べられない理由を伝えてみましょう。

「甘いものは苦手で食べられない」「食べ過ぎると吐いてしまう」のように言えば、無理に食べさせようとはしないでしょう。

間食やお菓子を勧めてくる人には「ダイエット中だから」「虫歯予防で食べない」「食べると眠くなるから」などの理由を伝えてみてください。

またはアレルギーがあるなど身体的な理由を言えば、それ以上食べ物を勧められることはないでしょう。

ハラスメントとして相談する

職場では、上司が部下に無理矢理食べさせることはハラスメントに当たる可能性があります。

食事ハラスメント(食ハラ)とも言われますが、上司の勧めを断れずに我慢して食べることが多い、吐くまで食べさせられるなどの行為です。

食べることを強要されているように感じたら、ハラスメントとして人事やカウンセラーなどに相談してみましょう。

人に分ける・売る

一人では食べ切れない量の食べ物を渡されたときは、それを他の人にも分けられないか考えてみましょう。

お米、野菜、果物、お菓子などは人にも分けやすいと思います。家族や友人などで欲しい人に渡したり、フードバンクへ寄付するなどの方法があります。

贈答品や保存食の場合はフリマアプリやオークションなどで売ることができますが、食品を売る際の規定を読んでから出品することが大切です。

極端な食事制限はしない

極端に食べないダイエットは不健康な痩せ方で、失敗する可能性もあります。

食べなければ体は痩せていきますが、体力、気力も落ち、栄養不足で老けたような容姿になります。

そうした痩せ方をすれば、家族など身近な人は心配して食べさせようとするでしょう。

また体が栄養を溜め込もうとしてかえって太ってしまったり、食べられないストレスから食べ過ぎてリバウンドすることもあります。

食べ過ぎを避ける、食べた分だけ運動をするなど、健康的に痩せる習慣を持つようにしてみましょう。