陥れる(落とし入れる)とは、他人を騙して不利な状況に追い込むことです。

ライバルが現れたとき、正々堂々勝負する人もいれば、相手を陥れて優位に立とうとする人もいます。

なぜ陥れる手段を使うのか、心理や対処法について解説します。

人を陥れる人の特徴

自分と他人を比べる

人を陥れる人は、何でも自分と比較するのが特徴です。

そして自分より優れている人や幸せそうな人に嫉妬したり、敵対視します。

自分が気に入らない相手を困らせたり、不幸にさせるために陥れようとします。

嘘をつく・口が上手い

人を陥れる人は、自分が優位に立つためなら嘘もつきます。

嫌いな相手の悪い噂を作って言い触らすなど、勝つためには手段を選びません。

嘘を真実と思い込ませられるほど口が上手いと、周囲を味方に付けることもできます。

孤立させようとする

人を陥れる人は、自分の味方を増やして相手を孤立させようとします。

また「皆があなたを嫌っている」のような言葉をかけて、相手を不安にさせて精神的に追い込もうとします。

同調圧力を利用して相手にダメージを与えようとするのが特徴です。

権力者に媚びる

人を陥れる人は、力を持っている人の前では大人しいです。

権力者には気に入ってもらえるよう媚を売り、味方になってもらえるよう努めます。

ただし野心家の場合は、自分より地位が高い人もいずれは陥れようと考えていることがあります。

親密になろうとする

人を陥れる人は、ライバルにあえて近付くこともあります。

親しげな雰囲気を装って近付きますが、それは相手のことを把握するのが目的です。

相手に心を開いてもらってから、相談に乗るふりをして得た情報を陥れるために使おうとします。

人を陥れる人の心理

承認欲求が強い・自分が一番でいたい

自分が一番でいたい人は、ライバルになりそうな人や、優れている人を陥れようとすることがあります。

承認欲求が強く自分だけ注目されたいので、邪魔になるような相手は陥れて遠ざけようとします。

負けず嫌い・プライドが高い

人を陥れる人は負けたくない気持ちが強いので、ライバルを蹴落とそうとします。

負ける=プライドをへし折られるという気持ちがあるので、何としても負けられない気持ちから手段を選ばなくなります。

劣等感

自分より優秀な人、若い人、美人に嫉妬するなど、自分の劣等感を刺激する人に敵対心を抱く人もいます。

相手から何かされた訳ではなくても、自分に脅威を与えてくるという被害妄想から、相手を陥れようとします。

正攻法では勝てないから

人を陥れるのは、実力では相手に負けると分かっているためです。

相手を騙さなければ優位に立てない、勝てる自信がないので陥れる手段を使います。

陥れる手段を使ってきた場合、実力的には負けを認めているということでもあります。

他人は利用するものと思っている

人を陥れる人は、信頼や愛情のあるコミュニケーションを知らない可能性があります。

コミュニケーションに問題のある人は、精神疾患・障害によるものや、家庭環境に原因があることが多いです。

人を利用するようなコミュニケーションが普通だと思っているので、陥れることに罪悪感がありません。

何年もそういう生き方でいる人は、皆も同じようにやっているだろうと思っているので反省する気がなく、何度も同じことを繰り返します。

トラウマ・被害妄想

何らかのショックで人を陥れるようになった可能性もあります。

人間不信になるようなトラウマがあり、「自分以外は敵」「他人は自分を裏切るもの、騙すものの」ような思い込みを持っているのかもしれません。

自分が陥れられるなら、先に相手を陥れるというように、自分を守るために攻撃的になっているとも考えられます。




人を陥れる人の末路

信頼されなくなる

人を陥れる人は相手を不利に追い込むためならどんな手段も使うので、その自己中心さや卑劣さに気付いた人からは信頼されなくなります。

嫌いな相手の悪口を言い触らす、悪い噂を流すなど、分かりやすい手段を使うほど周囲の人から信頼されなくなるでしょう。

人を陥れる手段はいくらでも考えますが、それが自分自身を貶めていることには気付きません。

人を信用できない

人格障害でなければ、人を陥れるようなずるい人間でも、自分は悪いことをしている自覚はあります。

そして罪悪感から「いつかは自分も陥れられるのではないか」という強迫観念が付きまとうため、他人を信用できなくなります。

また陥れた相手から復讐される可能性もあるので、恐怖心や警戒心は強まるでしょう。

自分の行いが自分に返ってくるのではという恐怖や不安から、愛情や信頼のある人間関係を築けなくなります。

争いが絶えない

人を陥れる人は損得勘定が強く、自分以外を信用していない傾向があります。

自分が相手を陥れるか、それとも自分が陥れられるかというように、勝つか負けるかの対人関係になっていることが多いです。

また人間は似た性質を持つ人同士が集まるので、誠実な人は離れていき、同じように人を騙したり、利用することしか考えない人を寄せ付けるでしょう。

そうして同類で蹴落とし合うような人生を送るので、生き方・価値観を変えようとしない限り、平穏は得られないと思います。

陥れようとしてくる人への対処法

自分のことを話さない

陥れる人にプライベートなことや、嫉妬されそうな話は避けた方が良いでしょう。

プライベートについて話すと、それを知らない間に広められたり、弱みを握られる可能性があります。

また陥れる人は自分が一番でいないと気が済まない人もいるので、自分より幸せそうな人をターゲットにすることがあります。

質問されても話を逸らす、本当のことは言わないなど、正直に答えない方が敵視されにくくなるでしょう。

鵜呑みにしない

陥れる人は「皆があなたを嫌っている」「○○さんがあなたの悪口を言っていた」のようなことを言うことがありますが、そういう言葉は鵜吞みにしない方が良いでしょう。

それは精神的に不安にさせたり、対立を生むための罠です。

言わなくても良いことをわざわざ言う人は口が軽いか、何らかの目的を持っていることが多いので、そういうことを言ってきた時点で信用しない方が賢明だと思います。

味方を作る

陥れようとする人は群れをつくりライバルを追い込もうとすることがありますが、こちらも味方を持つのも対処法です。

相手が上司を味方につけているなら、自分は上司より更に上の人と信頼を築く、同僚の味方を沢山作るというように、味方の数を増やしておくと陥れるのは難しくなるでしょう。

味方を増やすには自分は卑怯な手段は使わない、悪口は言わない、困っている人を助けるなど、日頃から信頼される態度を心がけることが大切です。

証拠を残しておく

陥れる人は嘘をつくことがあるので、約束をしたり、頼み事を引き受けなければならない場合は証拠を残しておく方が良いでしょう。

口約束ではなくメールや書面として残しておくと、嘘をつかれて騙されたり、責任転嫁されそうになったときに証拠になります。

職場の場合は証拠を添えて報告すれば、仕事を妨害したとして相手が処分されることもあるでしょう。

仕事に集中する

職場に人を陥れる人がいるなら、その人を気にするより仕事に集中した方が良いでしょう。

関わるとトラブルになったり、相手のことが気になって集中できなくなるなど、ろくなことはありません。

相手のことを気にしてミスすればそれこそ相手の思うつぼなので、自分の仕事に集中する方が大切です。

成果を出す

職場に陥れてくる人がいても、仕事で成果を出せばそれが自分を守ることにもなります。

相手が卑怯な手を使って蹴落とそうとするうちに、自分は努力すればそれだけ差を付けられます。

自分が成果を出していれば、陥れる人が悪い噂を流しても誰も信じなくなり、卑劣な人間だと周囲も気付くでしょう。

信頼できる人を見分ける

陥れようとする人の目的はターゲットを困らせることです。

噂や悪口を流されたとして、やめてほしいと言ってもネガティブな人間は簡単には変わらないので、何を言っても徒労に終わります。

言いたい人には言わせておく、またそれを鵜呑みにする人もそういう人間として、こちらからは関わらない方が良いでしょう。

真実を見る目がある人、そうではない人を見分ける機会でもあるので、見る目がある人と信頼関係を築いた方が良いと思います。