自分の意見を話すとき、直接的な表現を避けて話す人がいます。
遠回しな言い方をされると、どういう意味で発言しているのか勘繰ってしまうこともあるでしょう。
遠回しに言う人の特徴や心理について解説します。
遠回しに言う人の特徴
平和主義
遠回しな言い方をする人は、その場の雰囲気を壊さないようにしている人です。
はっきり言うよりも、遠回しに言った方が表現が優しく聞こえることもあります。
特に言いにくいことは遠回しに言うことで、トラブルになるのを避けようとしていると考えられます。
コミュニケーションが苦手
遠回しな言い方をする人は、普段人と話すことが少ないか、話すこと自体が苦手なのかもしれません。
自分の気持ちを上手く言葉にできなかったり、簡潔に伝えられないので、回りくどいように聞こえてしまうことがあります。
責任感がない
遠回しな言い方をする人は、自分の発言に責任を持ちたくない人です。
遠回しで曖昧な発言をすれば、どのようにも解釈しやすくなります。
後で都合が悪くなったとき「そういうつもりで言ったのではない」「あなたが勝手にそう思っただけだ」と言い逃れできるので、あえて遠回しな言い方をしています。
嫌味を言う
意地が悪い人は、遠回しに嫌味を言うことがあります。
はっきり言って攻撃するのでなく、ネチネチと精神的に追い詰めようとする人に多い態度です。
遠回しに嫌味を言うのは八つ当たりの場合もありますが、嫌っていることを伝えようとしている場合もあります。
あがり症
遠回しな言い方をするのは、緊張している場合があります。
あがり症な人は、緊張して言いたいことをはっきり伝えられなくなることがあります。
しどろもどろになると余計な言葉が増えてしまうため、回りくどく聞こえてしまうことがあります。
遠回しに言う人の心理
思いやりがある
直接的な表現を避ける人は、人間関係のトラブルを起こしたくないと思っています。
正しいことでも、ストレートに言うと相手を傷つけてしまうことがあります。
「はっきり言われるのは嫌だろうな」と相手の気持ちを考えられるので、遠回しに意見を言う、注意するなど、言葉をぶつけない言い方をします。
嫌われたくない
遠回しに言う人は、自分が嫌われたくないと思っている人です。
はっきり言うと相手を怒らせてしまうことがあるので、嫌われないために遠回しな言い方をします。
ただし遠回しに言われた方が嫌味のようで不快に感じる人もいるため、裏目に出てしまうこともあります。
コミュニケーション能力を判断している
遠回しな発言をする人は、相手のコミュニケーション能力を判断している可能性があります。
比喩表現を分かっているか、言葉の裏にある本当の意味を察することができるかなど、どれだけ理解力があるのかを判断しています。
自分で気付いてほしいと思っている
遠回しに言う人は、直接は言いにくいことを注意したいのかもしれません。
相手の性格や癖のように個人的なことは、そのまま注意するとトラブルの元になりやすいです。
はっきり言うと相手を傷つけてしまうかもしれないので、遠回しに言うことで気付いてほしいと思っている可能性があります。
自信がない
自信がない人ははっきりものを言えず、遠回しな言い方をすることがあります。
自分の意見を馬鹿にされたり、笑われるかもしれないと思う気持ちがあるため、曖昧な言い方になってしまいます。
自覚がない
遠回しに言う人は、自覚がない場合もあります。
遠回しな発言だと思われてしまうのは、主語がない、細かく説明しないなど、必要な言葉が抜けている人です。
「いつも相手と自分は同じことを考えている」「言葉が少なくても察してくれるだろう」と思う人は、無意識に言葉が抜けてしまいます。
言っても分からないと思っている
遠回しに嫌味を言う人は、相手には意味が分からないと思っている可能性があります。
- 「いつもお元気ですね」→「うるさい」「落ち着きがない」
- 「自信がおありのようで」→「態度が大きい」「図々しい」「ナルシスト」
- 「おっとりした人」→「マイペースで行動が遅い」「空気が読めない」
- 「合理的な人」→「ケチ」「面白みがない」
嫌いな相手を下に見ている場合は「遠回しに言えば、鈍いので分からないだろう」と思い、相手が気付くか、気付かない程度の嫌味を言う人もいます。
関わりたくない
遠回しな言い方をする人は、相手と関わりたくないと思っている可能性があります。
遠回しな言葉で意味を分かりにくくすることで、話していてつまらない、面倒くさいと思わせたいのかもしれません。
相手の方から避けてくれるよう、わざと遠回しな言い方をしていると考えられます。
コンプレックスがある
遠回しに嫌味を言う人は、コンプレックスを抱えていることがあります。
自分の劣等感を刺激する人に嫌味を言う、自分の人生が上手くいっていないので嫌味を言って攻撃する人です。
はっきり言うと相手に嫉妬しているのが伝わってしまう、自分の劣等感を認めたくないなど、プライドが高い人は遠回しな言い方をすることがあります。
遠回しに言う人が嫌われる理由
何が言いたいのか分からない
あまりに遠回しな言い方で意味がかけ離れてしまうと、相手に言葉の意味が全く伝わらない原因になります。
特に「言いたいことははっきり言ってほしい」と思う人には、回りくどい言い方はイライラされるでしょう。
卑怯だと感じる
遠回しで曖昧な言い方を卑怯と感じる人もいます。
遠回しな言い方をしておけば、都合が悪くなったときに「私はそういうつもりで言ったのではありません」「あなたの勘違いでは?」と、相手を被害妄想の強い人、悪者のようにすることもできます。
曖昧な発言ばかりでずる賢い、詐欺師のようだと思われてしまうと信用されません。
遠回しに言う人への対処法
はっきり言ってほしいと言う
遠回しに注意されるのが嫌な人は、はっきり言ってほしいと伝えてみましょう。
「はっきり言ってもらった方が良いので、遠慮せず言ってください」のように言えば、遠回しに言うのをやめてくれるかもしれません。
分かりにくいと言う
遠回しな言い方をする人は自覚がない場合があります。
何が言いたいのか分からないと伝えるか、分かりにくい部分をこちらから質問してみましょう。
「曖昧な言い方で何を伝えたいのか分からない」「もっと細かく説明してほしい」のように注意すれば、自分の話し方に意識を向ける人もいるでしょう。
細かく伝えてほしいと言う
遠回しな言い方をする人は、自分が分かりにくい言い方をしている自覚がなく、伝わらないと相手の方を責めることがあります。
特に家族や友人、恋人など親しい間柄だと、察してくれるはずだと曖昧な言い方になってしまう人もいます。
そうした人には、全てを察することはできないと伝えることも大切です。
「同じ人間ではないので全てを察することはできない」「伝えたいことは言葉で言ってほしい」と伝え、言葉遣いや態度に注意を向けてもらうようにしましょう。
相手にしない
遠回しに嫌味を言う人は、その人自身が何かしら心の問題を抱えています。
また、はっきり悪口や嫌味を言う人に比べて、遠回しに言う人は更に複雑な感情を抱えていると考えられます。
関わると面倒なことになるので、何か言われても可哀相な人だと思い、聞き流して相手にしない方が良いでしょう。
ただし余りにも失礼なことを言われたら、それは嫌味のつもりで言っているのか、相手に聞いてみるのも対処法です。
指摘する
遠回しに嫌味を言われたと感じたら、「それって嫌味?」とすぐに質問するのも対処法です。
嫌味のつもりでないなら相手は否定するでしょうし、今後は言わないよう気を付けるでしょう。
嫌味のつもりだったとしても、目の前で指摘されてそれを認めてしまえば悪口を言ったことになるので、立場が不利になります。
周囲にその状況を見ている第三者がいれば尚更です。
言われる度に指摘すれば、相手は自分の立場が悪くなり、面倒くさいと感じるようになるので、この人に嫌味を言うのはやめようと思うようになるでしょう。
受け止め方を変える
遠回しに嫌味を言われている気がするときは、言葉の受け止め方を変えてみましょう。
もしかしたら相手は嫌味のつもりで言っているのではなく、気を遣って遠回しに言ってくれているのかもしれません。
あるいは自分が嫌われたくない、トラブルを起こしたくないので、遠回しな言い方をする癖がある人とも考えられます。
なぜ遠回しな言い方をするのか、相手の心の全ては読めないので、こちらには分かりようがありません。
たとえ相手が嫌味のつもりだとしても「気を遣って遠回しに言ってくれるのだろう」「何かはっきり言えない事情があるのだろう」「上手くいかないことがあってイライラしているのだろう」のように解釈して真に受けず、自分で受け止め方を変えてみましょう。