世間体を気にする人は、自分が人からどう思われるかをとても気にします。
人目が気になるため自分の意思より常識に従い、我慢することが多い人です。
なぜ世間体を気にするのか、心理や特徴について解説します。
世間体を気にする人の特徴
人目を気にする
世間体を気にする人は、何をするにもまず人目を気にします。
自分がどうしたいかより、他人がどう思うかが行動の基準になっています。
自分が興味のあることでも人気のないものであれば、やる前から諦めてしまいます。
顔色をうかがう
世間体を気にする人がコミュニケーションを取るときは、相手にどう思われるか顔色をうかがいます。
自分の発言や行動が相手を不快にさせないか、対人関係に不安を感じています。
人から嫌われないよう、常に気を遣っているのが特徴です。
常識を重視する
世間体を気にする人は、皆と同じであることが大切と考えます。
常識外れな考えを持つ人を嫌い、平均であることを求めるので「普通は~」のような発言が多いです。
自分がどう思うかより、世間はどう判断するかに価値を置く人です。
プライドが高い
プライドが高さから世間体を気にする人もいます。
人前で格好悪い姿を見せたくない気持ちが強く、自慢したり見栄を張ります。
世間体を気にし過ぎると、自分を追い込んで完璧主義になることがあります。
外面が良い
世間体を気にする人は外面は良く、家族には気を遣わないなど二面性を持っていることがあります。
モラハラ気質の場合、他人の前では良い人でいようと気を張っているので、家では家族に冷たい言葉をかけたり、八つ当たりします。
見栄を張る
世間体を気にする人は、人から好かれたい、評価されたい気持ちが強いので見栄を張ります。
気前よくお金を使ったり、ブランド品を身につけるなど、分かりやすいもので目立とうとするのが特徴です。
注目されたい気持ちがエスカレートすると、金銭感覚が狂い、借金してでも見栄を張ろうとする人もいます。
地位・肩書を気にする
世間体を気にする人は、学歴や職業で人を判断します。
名誉欲が強く高い地位を得ようとしますが、普段付き合う人も自分と同等かそれ以上の地位を持っている人です。
普段から人付き合いを上下関係で決めています。
世間体を気にする人の心理
自己愛が強い
世間体を気にするのは、自己愛の強さが関係していることがあります。
自己愛が強いと人から注目されたいので、見栄を張って着飾るなど目立とうとします。
あるいは誰からも愛されていたい気持ちが強いために、人から嫌われないよう常に顔色をうかがいます。
自分と他人を比べる
誰でも自分と他人を比べることはありますが、世間体を気にする人は比べる回数が多いです。
負けず嫌いやプライドが高い、自信がないなどで、何でも比べて優劣をつけようとします。
優劣をつける人は、人前で格好悪い姿を見せたくない気持ちが強く、常に完璧な自分であろうとします。
自分は劣っている側になりたくないというプレッシャーから、世間体を気にします。
家庭環境
世間体を気にする人は、親も世間体を気にする人だった可能性があります。
親の価値観を受け継いでいると、世間体を気にする性格になる人もいます。
あるいは「立派な人になりなさい」のような世間体を意識した言葉をかけられて育ち、世間体を気にしている場合があります。
人の気持ちが分からない
世間体を気にする人は、他人の気持ちを考えず発言してしまう癖があるのかもしれません。
人の気持ちが分からないと、失礼なことを言って怒られても、何が原因なのか本人は理解できないことがあります。
何を言えば人から嫌われるかが分からないので、気を遣い過ぎて人の顔色を気にしてしまいます。
世間体を気にしない方法
世間体を気にするのは悪くない
世間体を気にすること自体は悪いことではありません。
世間体を気にしなければどこでも自分勝手に振る舞う人も出てくるので、マナーを守る意味で世間体は必要です。
世間体を気にし過ぎてストレスを溜める、他人にも世間体を意識するよう強要するなどの態度が、人間関係を壊す原因になります。
自分の意見を持つ
自分の意見がなければ周囲の考えに流されやすくなります。
世間体を気にする人は周りに合わせ過ぎて、自分の気持ちが分からなくなっていることがあります。
人がどう思うかより、自分がどう思うかを考えてみましょう。
自分の意思と世間体のどちらが大切か選ぶ
自分の意見に他人も賛成してくれるときは良いですが、そうはいかない場合もあります。
自分の意思で行動したときはどうなりたいか、世間体に従って行動した自分はどうなるかシュミレーションしてみましょう。
どちらを選ぶにしても、自分が後悔しないと思える選択をすることが大切です。
なぜ世間体が気になるのか考える
そもそも、なぜ世間体が気になるのか考えてみましょう。
「親も世間体を気にする人だった」「学歴や職業を馬鹿にされた」など、原因は人により異なります。
自分の価値観だと思っていたものが、本当は他人に刷り込まれたものであったり、トラウマに支配されている場合もあります。
世間体を気にして生きにくさを感じるときは、なぜそういう考えを持つようになったのか、そしてその考えは今の自分に必要なものか、振り返る時間を持つことも大切です。
自意識過剰に注意する
世間体を気にする人は人目を気にしますが、他人はそれほど自分に関心を持っていません。
自分が人からどう見られるかを気にしているのは、他人も同じだからです。
大抵の人は自分に関心が向いているので、他人の行動にそれほど興味はありません。
人目が気になるのは、実際に見られているかどうかは関係なく、自意識の高さが原因ではないか見直してみましょう。
自分と正反対の人の生き方を知る
世間体を気にして悩む人の多くは、人の目をプレッシャーに感じて行動できない人です。
しかし世間体を気にしながら、あえて常識の枠を超えようとする人もいます。
反骨精神がある人は世の中への不満を内に抱えるのでなく、政治に参加したり、芸能人やアーティストとして活動し、世の中に変化を起こそうとします。
同じ考えを持ちながら正反対の行動を取る人の生き方を知れば、勇気を与えられたり、学び取れることも多いと思います。
世間体は幻想だと気付く
「自分の常識は他人の非常識、他人の常識は自分の非常識」というように、何が常識・非常識かは人によって異なります。
人は普段からよく関わる相手の影響を受けますが、家族、友人、恋人、職場の人など数十人程度の人達で、この世界のほんの一部の人です。
テレビやネットのニュースで正しいように語られていることも、真実ではない場合もあります。
世間体とは自分が受けてきた影響や経験、想像で生み出した観念だと気付けば、世間体を気にし過ぎて何かを諦めるのはつまらないことだと気付くでしょう。
世間体を気にする人への対処法
本人の意見を聞く
「普通は~」のように常識を重視する人には、自分はどう思っているのか意見を聞いてみましょう。
自分の意見を持っているなら話してくれるでしょうが、何も言えないのであればただ周りに合わせている人です。
意見を聞くことでその人が信頼できるのか、人間性や価値観を知るきっかけになります。
自分の意見を話す
世間体を気にする人でも、自分の意見を話してみましょう。
世間体を気にしている人でも、自分の意見や熱意を伝えれば、考えを変えてくれる可能性もあります。
「あの人は世間体を気にするので話しても無駄」と最初から諦めるのでなく、自分の気持ちを伝えることも大切です。
相手の考えと自分の考えを区別する
世間体を気にする人が親など身近にいる場合、自分の意見を持つことが大切です。
相手の意見ばかり聞き入れていると、世間体を意識した価値観・考え方を受け継いでしまうことがあります。
共感性が強い人ほど、相手の思いと同化して似たような人間になることがあるので注意が必要です。
相手の意見は相手の意見として聞き、自分の考えとは区別しておきましょう。
距離を置く
世間体を意識した価値観を押し付けてくる人とは、距離を置いた方が良いでしょう。
相手の価値観に合わせていると、自分の意思が分からなくなる、ストレスが溜まるなど、あまり良い影響はありません。
世間体を気にするような発言でプレッシャーをかけ、相手をコントロールしようとする人もいます。
価値観を押し付けたり、束縛するのが目的だと感じるような相手からは、自分から一線を引いて心を守ることが大切です。
思い込みではないかと問いかけてみる
世間体を気にして行動に移せない人がいるときは、それは自分の思い込みではないかと問いかけてみましょう。
例えば「挑戦したいことがあっても、失敗して笑われるのが怖い」と悩む人には
- 新しいことを始めるときは誰もが初心者で、失敗するのは仕方がないこと
- 他の人達も自分のことで忙しいので、失敗してもほとんど気付かれない
- 失敗に気付かれたとしても、他人の失敗に関心を向けている時間はないので、すぐに忘れられる
- 不安感から自意識過剰になっているだけではないか
など、本人が気付いていないようなことを話します。
行動に移すかは相手次第ですが、他人の言葉を聞くことで冷静になれたり、勇気付けられる人もいるので、客観的な意見を話してみるのも良いでしょう。