根に持つ人が身近にいると、過去を蒸し返されたり、根に持たれないよう気を遣ってしまうと思います。
根に持つ人はなぜ過去のことまで執念深く覚えているのか、疑問に思ったことはないでしょうか。
根に持つ人の特徴や心理、対処法などを解説します。
「根に持つ」の意味とは?
「根に持つ」とは、過去の不満や恨みをいつまでも忘れないことです。
過去の出来事を忘れないだけでなく、蒸し返して相手を責めるような人が根に持つ人だと思われます。
良い意味ではなく、悪い意味で使われることの多い言葉です。
根に持つ人の特徴
記憶力が良い
根に持つ人は、記憶力が良いのが特徴です。
大体の人は時間と共に忘れてしまうようなことも、根に持つ人はよく覚えています。
例えば喧嘩をすると、過去の出来事まで蒸し返して相手を責めるなどが特徴です。
ネガティブな出来事ほどよく覚えており、過去の話をすると不幸な出来事や苦労話ばかりする傾向があります。束縛する
好きな人を束縛するのも、根に持つ人の特徴です。
良好な人間関係を築ける人であれば、親しい人とも適度な距離感を保つことができます。
しかし根に持つ人は友人や恋人に執着して行動を監視するなど、自分から離れることを許しません。
束縛し過ぎると相手が離れる原因になりますが、根に持つ人は相手の気持ちを考えられないのも特徴です。
好きな人が自分から離れて行こうとすると、愛情が怒りや恨みに変わる傾向があります。
束縛したい感情が強いと、つきまといやストーカーに発展することもあります。
プライドが高い
根に持つ人は、プライドが高いのが特徴です。
自分のプライドを傷つけられたように感じると、相手を許せず恨み続けます。
また、根に持つ人は自分より優れている人を敵対視し、ライバルだけに執着することもあります。
そして相手より優位に立ちたいために、相手の欠点や過去の失敗を責めてしまうのも特徴です。
自分のプライドを守るための行動ですが、相手からは根に持つ人、卑怯な人だと思われる原因になります。
頑固
根に持つ人は、頑固な性格が特徴です。
過去の出来事・感情をいつまでも忘れないのは、意思が固いことの表れでもあります。
過去の話まで持ち出すのは、何としても自分の意思を通したい気持ちがあるからです。
根に持つ人はどんな手段を使っても、自分の思い通りにしたいという執念深さを持っています。
例えば根に持つ人が「相手に謝らせたい」と思っているときは、謝るまで相手を責め続けるなどしつこい行動に出ることがあります。
愚痴や不満が多い
根に持つ人は、愚痴や不満が多いのが特徴です。
根に持つ人は嫌な過去を引きずっているので、日常的にストレスを溜め込んでいます。
そのストレスから日常的にネガティブなことを話していますが、それが更にストレスを増大させています。
しかし、根に持つ人は愚痴や不満を話すのが癖になっているので、自分で止めることができません。
傷つきやすい性格
根に持つ人は、傷つきやすい性格が特徴です。
ネガティブな過去を覚えているのは、同じ思いをしたくないと警戒しているからです。
根に持つ人は傷つくようなことがあると、その度に深く悩みがちです。
傷ついた気持ちが、次第に相手を恨んだり怒る気持ちに変わる人もいます。
相手を許せない気持ちから復讐や仕返しをする人が、根に持つ人だと思われます。
あまり他人の言動を気にし過ぎると、自分が気を病んでしまう原因にもなるでしょう。
視野が狭い
根に持つ人は、視野が狭いのが特徴です。
視野が広ければ、ネガティブになっても気分転換する方法を見つけたり、前向きな考え方ができるよう行動します。
しかし根に持つ人は不満を抱くと、その考えに捉われてしまいがちです。
別の解決法を見つけようとせず、嫌な出来事について考え続けるのが根に持つ原因になっています。
ネガティブ思考
ネガティブ思考も、根に持つ人の特徴です。
根に持つ人は何でも悪いように考える傾向があり、被害妄想を抱くことがあります。
例えば人が仕事を手伝ってくれたとしても「この人は私が仕事ができないと見下している」のように考えます。
人が善意でしてくれたことも悪いように思い込み、ストレスを抱え込んでしまうのが特徴です。
根に持つ人の心理
自分の気持ちを分かってほしい
根に持つ人は、自分の気持ちを分かってほしい心理があります。
根に持つ人がネガティブな過去の話を繰り返すのは、自分が傷ついた気持ちを伝えたいからです。
ただ、プライドの高さなどが原因で素直に自分の気持ちを言えないので、相手を責めるような言い方をしてしまいます。
支配したい
根に持つ人は、相手を支配したい心理があります。
根に持つ人が相手を責めるようなことを言うのは、罪悪感を抱かせたいからです。
罪悪感を抱かせることで、相手を自分の思うように動かしたいと考えていることがあります。
「あなたのせいで~」のように言う人は、相手をコントロールしようとしている可能性が高いです。
自己愛が強い
自己愛が強い人は、根に持つ傾向があります。
被害者意識が強く、自分を可哀相な人間という立場で見ています。
自己愛が強い人ほどされたことを根に持ち、倍にして返すなど執念深いのが特徴です。
自分を傷つけた人を許さないと思う心理から、相手に仕返しするなど攻撃的な面を持っています。
仕返しは自分を守るためには正しいことだと思っており、他人から根に持つ性格だと思われていることに気付いていません。
嫉妬心がある
根に持つのは、嫉妬心が関係していることもあります。
根に持つ人は自分より優れていると思う人に敵対心を持ち、相手に執着することがあります。
例えば男性の場合は自分より仕事ができる人、女性の場合は自分より容姿が優れている人に嫉妬するなどです。
相手を羨ましいと思う心理から、相手の欠点を責めるようなことを繰り返し言ってしまうことがあります。ストレス発散
根に持つ人は、ストレス発散のために人を攻撃することがあります。
自分にストレスがあると、解消したい気持ちからネチネチと嫌味を言って八つ当たりをするような人です。
ストレスに耐えられず人にぶつけてしまう点で、メンタルが弱い人ともいえるでしょう。
ストレスは解消されるかもしれませんが、繰り返すと人から嫌われる原因にもなります。
根に持つ人に考えられる病気・障害
オセロ症候群
オセロ症候群の人は、疑い深く、被害妄想が強いのが特徴です。
自分が裏切られたと感じると根に持ち、恨み続けることがあります。
疑い深いので配偶者や恋人など、身近な人を尾行するなど、監視する特徴があります。
自己愛性人格障害
自己愛性人格障害の人には、他者からの評価に敏感な特徴があります。
そのため人から批判されたと感じると激しく怒り出したり、酷く落ち込んだりします。
自己愛が強い分、傷つけられたと感じると根に持つのが、自己愛性人格障害の人の特徴です。
根に持つ人への対処法
根に持つ人は繊細で傷つきやすい特徴があるので、些細なことでもストレスを感じる傾向があります。
根に持つ人の感情を刺激しないためには、なるべく関わらないようにすることも大切です。
しかし、仕事や学校などではどうしても関わらないといけない場面も出てくると思います。
そうしたときは、相手の気持ちを考えて行動することを意識してみてください。
根に持つ人とどのように関われば良いのか、対処法も解説します。
相手の意見を否定しない
根に持つ人と話すときは、相手の意見を否定しないのが対処法です。
根に持つ人は繊細だったり、自己愛が強いのが特徴です。
そのため自分の意見を否定されると、自分自身を否定されたように感じることがあります。
そのショックが怒りや恨みに変わっていく可能性があるので、相手の話に共感しようとする気持ちが大切です。
根に持つ人の意見が自分と違うものであったとしても、思いは受け入れる態度で接してみてください。
アドバイスしない
根に持つ人には、必要以上にアドバイスしないのも対処法です。
根に持つ人には、プライドが高いタイプの人がいます。
そうしたタイプの人は他人にアドバイスされると、上から目線で言われているように感じることがあります。
根に持つ人の怒りを買う可能性もあるので、アドバイスは極力控えた方が良いでしょう。
アドバイスするよりも「その仕事、手伝いましょうか?」のように声をかけるようにしてみてください。
褒める
根に持つ人に良い部分があれば、褒めてみましょう。誰でも褒められて嫌な気分になる人はいません。
日頃から「仕事が早いですね」「その服似合ってますね」のように、会話に褒め言葉を取り入れてみてください。
相手を褒めて受け入れる気持ちを表すことで、根に持つ人から敵対視されにくくなります。
非があるときは謝る
根に持つ人に悪いことをしてしまったときは、すぐに謝ることが大切です。
すぐに謝れば、根に持つ人でも「気にしないでください」と許してくれることはあります。
根に持つ人に謝らないでいると、今後も過去の話を繰り返されたり、無視され続けるなど悪影響も考えられます。
人間関係が修復できなくなる前に、早く謝った方がお互いのためになるでしょう。
相手にしない
根に持つ人がしつこく過去の話を蒸し返してくるときは、相手にしないのも対処法です。
根に持つ人は過去の話を持ち出すことで、相手に罪悪感を抱かせようとしていることがあります。
あなたをコントロールしようとしている可能性も考えて、冷静に話を聞いてみましょう。
根に持つ人のペースに巻き込まれないようにすることが大切です。
距離を置く
根に持つ人が友人や恋人の場合は、距離を置くのも対処法です。
根に持つ人の不満や恨み言を聞いていると、自分のストレスが溜まってしまいます。
また、ネガティブな話を聞き入れていると「この人はどんな話も聞いてくれる」と思われて依存される可能性もあります。
相手との境界線を引くためにも、距離を置くことは大切です。
距離を置くのが難しいときは「ネガティブな話ばかりされると、こちらも辛い」と言うのも対処法です。
相手に嫌な思いをさせていたことに気付けば、根に持つ人もネガティブな発言を控えてくれる可能性があります。
根に持つ言葉を言われたときの対処法
根に持つ人は性格が原因であったり、根に持つことが癖になっています。そのため本人が根に持つことを直そうと思わない限り、改善するのは難しいでしょう。
しかし根に持つ人に何度も同じことを言われると、対応に困ったり、うんざりしてしまうと思います。
そんなとき、根に持つ人に返すおすすめの一言を紹介します。
「どうしたら許してくれますか?」
根に持つ人が同じことを話してくるときは、「どうしたら許してくれますか?」と聞いてみましょう。
すると根に持つ人は「謝ってほしい」など、素直な気持ちを言ってくれるかもしれません。
あなたが謝ることで、それ以上ネガティブな会話を続ける必要がなくなります。
根に持つ人はプライドの高さなどが原因で、自分の気持ちを言えないことがあります。
相手から質問されて本当の気持ちを言える人もいるので、どうすれば許してくれるのか尋ねてみてください。「昔よりも今のことを考えよう」
友人や恋人などネガティブな過去の話をするときは、その話が終わるまで聞いてあげましょう。
聞くという姿勢が、相手を受け入れることにつながります。
人は自分のネガティブな一面、弱みを他人には見せたくありません。
そのため相手がネガティブな話をしてくるのは、それだけ自分を信頼してくれている証でもあります。
相手の話を聞き入れた上で、「昔よりも今のことを考えよう」のように言ってみましょう。
ネガティブな過去を根に持っていても苦しいだけ、今の自分を大切にしてほしいと伝えてみてください。
相手が変わるかどうかは相手次第ですが、根に持つ人もネガティブな話を止めてくれる可能性はあります。
また、あなたが相手を大切に思っていることも伝わるでしょう。
「もう付き合い切れません」
こちらが謝っているのに、その後も話を蒸し返してくる人には「もう付き合い切れません」と言ってみてください。
根に持つ人に謝っても許してくれないのでは、いつまでも堂々巡りとなってしまいます。
根に持つ人はあなたをコントロールして利用しようとしている可能性もあるので、関わらないようにした方が賢明です。
あなたに過去の話をしても無駄だと分かると、根に持つ人も何も言ってこなくなる可能性があります。根に持つ人の感情を刺激しないことが大切
根に持つ人とはなるべく関わらない方が、気持ちも穏やかに過ごしやすくなります。
関わらなければならないときは、相手の感情を刺激しないよう注意が必要です。
ただし、相手の感情を刺激しないように気を付けていても、何がきっかけで根に持つようになるのかは人それぞれです。
些細なことでも根に持つなど、執念深い人であれば距離を置き、自分を大切にすることを優先してください。