いつも他人の意見に合わせて行動したり、その場の雰囲気で態度を変える人を八方美人と言います。
人によって態度を変えることで嫌われたり、信用をなくしてしまう可能性があるのに、なぜそうした態度を取ってしまうのでしょうか。
八方美人な人の特徴や心理、八方美人な人への対処法を解説します。
八方美人とは
八方美人とは、誰からも好かれようと要領良く振る舞う人のことです。
「八方(あらゆる方向)から見て美人」と良い意味で使われるように思える言葉ですが、実際は「誰からも好かれようと、自分の意見は言わずその場の雰囲気に合わせる人」という意味で使われることが多い言葉です。
八方美人は処世術の一つだと思う人もいれば、「誰にでも良い顔をしているので信用できない」と思う人もいるように印象は人それぞれですが、どのような人が八方美人になりやすいのかについて解説します。
八方美人な人の特徴と心理
人目を気にする
八方美人な人が誰にでも良い顔をするのは、極端に自分が嫌われることを恐れているからです。
「自分の本音を言うと嫌われるのでは」という思い込みがあり、誰かの意見に賛同する形で人の輪に入り込み安心感を得ようとします。
また噂話にも敏感で、自分は他人にどう思われているか、悪口を言われていないかなど他人からの評価を気にします。
八方美人を自覚している人の場合、合わせてしまうことに自己嫌悪やストレスを感じることもありますが、人に合わせる癖がついてしまっているため、思うようにならず苦しい思いをしていることもあります。
悪いことにも逆らえない
人から嫌われるのを恐れるあまり、その場の雰囲気に合わせて悪口に同調してしまうことがあるのも八方美人の特徴です。
しかし「以前はあの人の悪口を言っていたのに、今では仲良くしている」のように矛盾しているところを他人に知られたとしたら、「あの人は誰にでも良い顔をする」「裏表があって信用できない」のように悪印象を持たれ、かえって嫌われてしまう原因になることもあります。
自分の気持ちが分からない
誰からも好かれようと他人に合わせることが日常化していると、自分の本当の気持ちが分からなくなっていきます。
本音を言わないと他人からも「何を考えているのか分からない」と思われたり、気を遣ってばかりいるのでストレスを感じるようになり、自分から人と距離を置いてしまうことがあります。
また嫌われたくない気持ちから、人から頼み事をされると断れなかったりと、都合のいい人だと思われてしまうこともあります。
信用されにくい
自分の気持ちを素直に話せる人は、自然と気の合う人が集まってきます。
しかし八方美人で本音を話さない人は上辺だけの付き合いで終わってしまい、深い人間関係を築くことができません。
「本音を話さない=相手を信用していない」ことになるので、相手からも信用されず孤独感を抱えやすいタイプでもあります。
八方美人な人への対処法
大事な話はしない
八方美人な人に大事な話をすると他の人にばらされる可能性があるので、「秘密は守るよ」と言われても話さないのが賢明です。
話したくないことについて質問されたとしても、「それは秘密です」とはぐらかしたり、別の話題に話をそらすなどして、知られたくない話はしないようにしましょう。
意見に同調しない
八方美人な人から何か同意を求められても、聞き流す対応を取りましょう。
例えば「Aさんって嫌な人ですよね」のように、悪口に賛同させるようなことを言われたとしても、「そうなんですか?」「話したことがないのでよくわかりません」というように同調しない対応を取ります。
悪口に同調してしまうと、八方美人な人は自分のことは棚に上げて、「○○さん(あなた)がAさんの悪口を言っていたよ」と本人や周囲に言い触らす可能性があります。
処世術の一つだと思う
場面によって態度を変える八方美人な人ですが、本人も自覚しているが直せなかったり、悪気がない場合、そういう態度を取らざるを得ない環境で育ったのかもしれません。
例えば両親の仲が悪く、父親、母親の前でそれぞれ態度を変えないと生きていけないような幼少期を過ごしたとすると、大人になっても人の顔色を窺って自分の意見を言えなくなることがあります。
そういう過去を持っていたとしたら、八方美人な態度もその人なりの処世術なんだと分かり、性格が悪い訳ではないんだと、イライラする気も起らなくなると思います。
まとめ
- 人目を気にする
- 悪いことにも逆らえない
- 自分の気持ちが分からない
- 信用されにくい
- 大事な話はしない
- 意見に同調しない
- 処世術の一つだと思う