普段から相手の気持ちを考えない人は、人を愛せない人なのかもしれません。
愛情がよく分からないという人もいれば、人を大切にしようと思っても愛せないことで悩んでいる場合もあります。
なぜ人を素直に愛せないのか、心理や対処法について解説します。
人を愛せない人の特徴
自己愛が強い
人を愛せない人は、自分が一番大切です。
自分が得することだけを考え、自分の意見を人に押し付けるというように、自分のことだけを考えています。
自己中心的な性格の場合もありますが、他人を信用できないので自分しか愛せない場合もあります。
他人に関心がない
人を愛せない人はあまり他人へ関心がなく、素っ気ない態度を取ります。
また誰に対しても態度が一定な人は裏表がないと思われますが、ただ他人に興味がないだけという場合もあります。
自分や他人に関心がない、自己愛が強い、人以外のものに強い関心を示しているなどで他人への関心がありません。
自分を愛していない
人を愛せない人は、まず自分を愛していない場合もあります。
自分を愛せない人は、自分を大切に思えないようなトラウマやコンプレックスを抱えていることが多いです。
自分には価値がないと思っていたり、愛し方がよく分からないので自分や他人を傷つけてしまいます。
繊細
人を愛せない人は、繊細な性格であることが挙げられます。
繊細な人は、人の良い面も悪い面もよく見えることや、傷つきやすいために人間不信になることがあります。
また人間不信になると「笑顔でも心の中では馬鹿にしているんだろう」というように、他人の態度を悪いように捉えて不信感を強めてしまう人もいます。
モラハラ気質
人を愛せない人は、モラハラで人を苦しめることがあります。
モラハラする人は、それが普通である環境で育った可能性が高いです。
そのため愛せないというより、愛し方が分からないので思いやりのない態度を取ってしまいます。
人格者
特定の誰かを愛せないという場合は、人格の高さを表していることもあります。
特定の人だけを愛するとは、言い換えれば執着心があるということです。
そうした執着心がない人は、分け隔てなく人を愛する心があり、誰かを特別視したりしません。
人を愛せない心理・原因
トラウマ
人を愛せない人は、人を信じられなくなるようなトラウマがあるのかもしれません。
人に傷付けられたり、裏切られたことで人に恐怖心を持っている傾向があります。
人が怖いので遠ざけたり、他人を見下すような態度で自己防衛する場合もあります。
人より大切なものがある
人を愛せなくても、人以外のものに愛や関心を持っている場合もあります。
人よりお金が大事、ペットが大事、趣味が大事というように、人以外のものに強い関心がある人は、人を愛さなくても幸せを感じるからです。
人に傷つけられた、騙されたなどのトラウマを持っている場合もあり、絶対に裏切らないものを大切にしている傾向があります。
人を傷つけたことがある
過去に誰かを傷つけたことが忘れられず、人を愛せなくなる人もいます。
怪我を負わせた、精神的に苦しめたなどで罪悪感を持っている人です。
自分には人を愛する資格がないと思っているので、愛することができません。
損得勘定がある
人を愛せない人は、愛情も損得勘定に当てはめて考えていることがあります。
自分を愛してくれない人は愛さない、自分にとってメリットがある人しか愛さないというように、見返りを求める人です。
打算的に考えているので素直に人を愛することができません。
理想が高い・完璧主義
相手に求める理想が高いと、愛せる人は少なくなります。
自己評価が高い人は自分と同じくらい、あるいはそれ以上の魅力がある人を求める傾向があります。
また自己評価が低い場合でも「こんな自分の相手が務まるのは完璧な人だけだろう」というように、理想が高くなる場合もあります。
家庭環境
人を愛せないのは家庭環境が原因になっている場合もあります。
親からの虐待が原因で人が怖いと感じたり、愛されたことがないので愛し方が分かりません。
またモラハラする人は、モラハラ行為が普通に行われていた環境で育ったので違和感がない可能性があります。
あるいは過保護に育てられ、自己中心的で思いやりのない性格になったとも考えられます。
愛着障害
愛着障害とは幼少期に親から十分な愛情をもらえなかったことが原因で起こるものです。
親からコミュニケーションを教わっていないので、自分や他人を大切にする気持ちが分からなかったり、人間関係の築き方が分からないという形で表れます。
愛し方が分からず他人が怖いので避ける人もいますが、愛情に飢えているので友人や恋人に強い執着心を抱いたり、浮気を繰り返す場合もあります。
障害
思いやりのない言動が多い場合は、人格・発達障害の可能性もあります。
他人の気持ちを想定するのが苦手、自分の気持ちを優先する、注意されても直らないなどの特徴がある場合は、性格ではなく何らかの障害の可能性もあります。
アセクシャル
人を愛せないことが恋愛に限られるなら、アセクシャルの可能性があります。
アセクシャルとは簡潔に言うと、他人に恋愛感情を抱かない人のことです。
恋愛に関心を持たないようにしていたり、宗教的に禁じられているのではなく、恋愛感情そのものがないという人です。
恋愛感情が理解できない、恋愛話を聞いても共感できない、興味がないという場合はアセクシャルの可能性があります。
自分も他人も愛せずに悩むときの対処法
自分を大切にする
自分に余裕がない状態で、他人を思いやるのは難しいことです。
自分の考えを後回しにしていたり、ストレスを溜めたままにしているなど、自分を労わる気持ちを忘れていないでしょうか。
ときには自分の意思を優先することや、自己犠牲をやめて自分を尊重することも大切です。
また自分を愛せない、嫌い、その理由が自分でもよく分からないという場合は、過去に他人から否定されたことがトラウマになっていると考えられます。
他人に影響されやすい人は、言われたことを真に受けたり、自分と他人の意見を混同してしまいがちです。
過去に言われたことを疑ってみたり、自分の心を観察して、自分は自分、他人は他人と整理する習慣を持ってみましょう。
欠点を許す
人を愛せない人は人の欠点ばかり見ていたり、少しでも欠点があると許せないのかもしれません。
また人の欠点が目に付く人は、自分自身にも駄目出ししていることが多いです。
しかしそもそも完璧な人(何でもできる人)はいないので、欠点も含めて許すという意識の方が大切です。
また欠点に見えるようなところも、状況や見方によってはその人の個性や魅力になるものです。
例えばはっきりものを言う人は悪口や批判もはっきり言うでしょうが、そういう人は裏表のない性格だったり、皆が言いにくいことをはっきり言ってくれることもあります。
一面だけを見て人の印象を決めつけると縁を逃すこともあるので、見方を変えてみたり、寛容な心を持つことも大切です。
余計な解釈をしない
人を愛せない人は、言葉を悪いように解釈する癖を持っていることがあります。
例えば人から褒められても「どうせお世辞に決まっている」「心の中では馬鹿にしている」というように、悪いように考えます。
相手がどう思っていても褒められたなら、その事実だけを受け入れる方が悩みは減るでしょう。
相手の本心は相手にしか分かりませんし、余計な勘繰りをすると人間不信になっていきます。
分からないことで悩むのはやめると決めて、素直に言葉を受け取り感謝する(自分から愛情を示す)ことの方が大切です。
こだわりを減らす
人を愛せないのは「○○でなければ愛せない」というような、こだわりが多い可能性があります。
または「愛してくれない人は愛さない」のように、無意識に見返りを求めているのかもしれません。
また自分自身も愛せない場合は、他人だけでなく自分にも理想を求め過ぎていることがあります。
決めごとが多いほど素直に愛することは難しくなるので、こだわりに気付いて、それを減らしてみるのも対処法です。
人間関係・環境を変える
人を愛せない原因は今の人間関係にあるのかもしれません。
愛情のない人といると、思いやりのないことを言われて自尊心や自己評価が低くなりやすいです。
自分の存在価値を認めてくれる人と人間関係を築く、環境を選ぶことも大切です。
自分の性質を理解する
人を愛せないのは性格が原因ではないこともあります。
例えばサイコパスは他人に共感することが難しく、大抵の人がなぜ他人の気持ちが分かるのか不思議に感じ、自分には思いやりがないと自覚することがあります。
自分にはそういう性質があると知った上で、人を傷つける発言や態度を取らないように注意すれば、愛情がないとは思われなくなるでしょう。
自分の性質を活かす
人を愛せない人は特定の誰かを好きにならないので、分け隔てなく人と接することができる人もいます。
そのため相談されることが多かったり、重要な判断を任されるというように、信頼性が必要とされる役目に向いています。
偏見なく物事を判断できるという強みを活かせば、それが人を助ける思いやりに変わるでしょう。
体験談を話す・聞く
何らかの悩みで人を愛せないのであれば、自分と似た悩みを持つ人と話すか、相手の話を聞いてみましょう。
体験談を聞くことで苦しいのは自分だけではないと気付いたり、悩みに対するヒントになることがあります。
身近に話せる人がいないのであれば、ネットで悩みや体験談について調べたり、本を読む方法もあります。
また自分に似た悩みを経験したことがない人に相談しても、相談された方は共感や理解しにくいので、返答に困ることがあります。
そのため当たり障りのないことを言われるか、的外れなアドバイスをされてしまい、相談したのにかえって落ち込んでしまう場合もあります。
多くの人が抱えるような悩みではなく、特定の悩みであるほど、似た境遇の人と話し合うことをおすすめします。