人のものを真似したり、同じものが欲しいと言ったり、なぜか人のものを欲しがる人が身近にいませんか?

極端に人のものを欲しがる場合、心の病気が関係している可能性もあります。

なぜ人のものを欲しがるのか、その心理や対処法などをご紹介します。

人のものを欲しがる心理

好奇心旺盛

人のものを欲しがる人は、周囲に関心があり好奇心旺盛です。

自分の知らないものを人が持っていると気になり、何となく自分も欲しくなる、すぐに真似したくなる気持ちになります。


「それ何?」「私も欲しい」など、人のものによく関心を持つ人は好奇心旺盛タイプです。

憧れ・安心感

人のものを欲しがるのは、それを持っている人に憧れや羨ましい気持ちを持っているからです。

例えば芸能人が着ている服と同じものを買う人には「憧れの人のようになりたい」という願望があります。

また、憧れの人が持っているものを自分も手に入れて、安心感を得たいという心理もあるでしょう。

「憧れの人=信頼・好意を寄せている人」なので、憧れの人が持っているものを手に入れることで、精神的に安心できる人もいます。

劣等感

人のものを欲しがる人には、劣等感があります。

劣等感がある人は自分は劣っていると感じているので、他人の持っているものが良いもののように見えやすいです。

自分にないもの、自分より良いものを持っている人を見ると羨ましいと感じ、人のものを欲しいと思うことがあります。

「羨ましいと思う人と同じものを手に入れることで、自分も満たされるはず」という心理から、人のものを欲しがります。

依存症

人のものを欲しがる人には、人のものを奪うことにスリルや高揚感を覚えるタイプがいます。


このタイプは身近な人の大切なものを奪い、人間関係を崩壊させることがあります。

例えば友人の恋人を奪うなど、信頼を失うことを平気でやります。

そして欲しい相手を手に入れると、別れてまた別の人を探す、というように依存的に同じことを繰り返すことがあります。

所有欲

人のものを欲しがるのは、所有欲や独占欲の強い性格だと考えられます。

ジャイアニズム精神で「私のものは私のもの、あなたのものも私のもの」と考えるタイプです。


子供の場合は我慢や罪悪感を知らないので、欲しいと思ったものを他の子から平気で奪い取ることもあります。

大人で子供のような態度を取る人はあまりいませんが、「それいいな」と羨ましがる、「ちょうだい」とねだるなどの行動が多い人は、所有欲が強いと考えられます。

不足感

人のものを欲しがる人は不足感があり、ないものねだりが多いです。

劣等感がある人と同じように、自分の不足を補おうとするために、人のものを欲しがることがあります。


「自分には兄弟がいないので、兄弟がいる人が羨ましい」「自分はスタイルが悪いので、スタイルの良い人が羨ましい」のように、自分に不足感を覚えています。

不足感がある人は自分にあるものでなく、ないものの方に目を向けます。

同じものでも特別に感じる

自分が同じものを持っていても、人のものを欲しがることがあります。

それは相手の持っているものの方が、何らかの理由で特別に感じるからです。

例えば子供の場合、兄弟で同じおもちゃを持っていても、兄の持っているおもちゃの方がよく見えて、弟が兄のものを欲しがったりします。

これは好きな兄が持っているものなので良く見える、兄が上手におもちゃ遊びをしているのを見て、兄の持っているものの方が良く見えるなど、弟から見て兄のおもちゃの方が特別に感じられる心理が関係しています。

人のものを欲しがる人に考えられる病気

演技性パーソナリティ障害

演技性パーソナリティ障害の人は、常に他人から注目されないと気が済まない性質を持っています。

また目新しいものを好み、手に入れると飽きるという特徴があります。


感情の移り変わりが早く、考えが浅はかと感じたり、わがままに見えることがあります。

クレプトマニア

クレプトマニアは「窃盗症」「盗癖」と言われる精神疾患です。

人のものを盗むときの緊張感や高揚感、盗んだ後のストレス解放感に依存し、同じことを繰り返します。


クレプトマニアは盗むときの満足感を得たい気持ちに依存しているため、盗むものは何でも良いと考えていることもあります。

人のものを欲しがる人への対処法

取られそうなものは見せない

人のものを欲しがる人には、自分が大切にしているものは見せないようにしましょう。


見せなければ欲しがられたり、真似されることもありません。

相手がクレプトマニアの場合は盗まれる可能性もあるので、普段から大切なものは見せないようにすることが大切です。

可哀相だと思う

人のものを欲しがる人が身近にいると、「あなたは色々持っていて羨ましい」のように言われたり、嫉妬されてストレスを感じることもあるでしょう。

しかし、それは相手の考え方の問題です。

人のものを欲しがる人は、自分と他人を比べたり、不足感を抱えている人です。


本人の考え方や心の問題は、他人には解決できることではありません。

自分にあるものに目を向けられない可哀相な人だと思って、心の距離を置くことをおすすめします。

治療を受ける

人のものを欲しがって盗むなどの行動があるときは、病気の可能性もあります。


病気が原因の場合、専門的な治療が必要です。

病気の疑いがある人がいるときは、問題を起こす前に病院に相談することも検討してみましょう。

相手の気持ちを考えさせる

人のものを子供が無理矢理取ってしまうときは、「もし○○ちゃんが大切なものを取られたらどう思う?」というように、相手の気持ちを考えさせてみましょう。

頭ごなしに叱っても、子どもは良いことと悪いことの判別が付いていないので、何が悪いのか分かっていません。

「自分の大切なもの取られたら悲しいでしょう?」「自分が悲しくなることは、他の子も悲しくなるんだよ」のように、きちんと説明すると子供も納得しやすくなります。

工夫する

人のものを欲しがる子供には、自分が持っているものを好きになる工夫をしてみてください。

例えば兄弟で同じおもちゃを持っているなら、人形の場合は違う色の服を着せる、人形遊びで使うものを自分で工作させるなど、自分の特別なおもちゃだと思えるような工夫をしてみるのもおすすめです。