寛容な人とは、大抵のことは許してしまうような心の広い人のことです。
寛容な人のいつでも落ち着いた態度を見ていると、自分もそうありたいと感じる人もいるのではないでしょうか。
寛容な人の特徴や、寛容になる方法について解説します。
寛容な人の特徴
こだわりが少ない
寛容な人は「こうあるべき」のような決めつけが少ないのが特徴です。
神経質な人は些細なことでもこだわりを持ちますが、寛容な人は細かいことは気にしません。
こだわりが少ないのでストレスも少なく、寛容でいることができます。
ルールに捉われない
寛容な人は絶対にルールや順序を守らなければならないとは考えません。
マニュアルやルールなどはあくまでも基本であって、例外があってもそれで上手く行くなら良いという風に考えます。
一つに縛られない柔軟な考えがあるからこそ、落ち着いて臨機応変に行動できます。
根に持たない
寛容な人は嫌な思いをしても、それを根に持たないのが特徴です。
根に持つ人は些細なことでも何年も覚えていることがありますが、寛容な人はそういう執着がありません。
「こういうときもある」「仕方ない」というように、大抵のことは受け流してしまいます。
怒らない
寛容な人は自分や他人がミスしても怒ったり、責めたりしないのが特徴です。
「失敗は誰にでもあるもの」と思っているので、大げさに騒ぎ立てたりしません。
感情的にならず「大丈夫」「心配するな」というように、周囲の人を落ち着かせようとします。
気長に待てる
寛容な人は気長で、時間にうるさくありません。
気短な人は少しでも遅刻したら許せない、連絡の返事が待てないというように落ち着いていられませんが、寛容な人はそのようにイライラしません。
「待っている間に別のことをしよう」「どんな返事が来るだろう」というように、待つ時間も楽しむことができます。
器が大きい
寛容な人はいつも落ち着いた態度でいるので、器が大きい人物に見られます。
神経質でカリカリしているところがなく、「人生何とかなる」と焦らないので、その余裕が寛容さとして人柄に表れています。
元々の性質で寛容な人もいますが、人生経験を積んで寛容さが身に付いた場合もあるでしょう。
無関心に見える
寛容な人は大抵のことは許せてしまうので、いつも落ち着いて見えます。
それが人によっては喜怒哀楽が少なく何を考えているか分からない、あるいは他人に無関心に見えることもあるでしょう。
しかし相手の意思や自由を尊重しているからこそ、あれこれ人に指摘しない心が広い人と見ることもできます。
寛容な人の心理
感情的になっても意味がない
寛容な人は、感情的になることに良いイメージがありません。
自分がミスしたときに自分を責めたり、誰かがミスしたときに怒っても、ネガティブになるだけで意味がないと考えます。
感情的になるより、その時間をミスした遅れを取り戻すのに使えば良いと、合理的に考えている場合もあります。
視野・可能性が広がる
寛容でいる人は、視野を広げるために寛容さを意識している可能性があります。
自分と違う意見や価値観を否定しても、それは人間関係を悪化させるだけでなく、自分の視野や可能性を狭めているとも言えます。
自分と違う意見でも受け入れようとする意識でいると、新しい発見があるからこそ、寛容さを心がけているとも考えられます。
面倒くさい
細かいことをいちいち気にしたり、感情的になるのが面倒と思っている人は寛容に見えることがあります。
気を遣うことが多いとそれだけエネルギーを使うので、気にしない方が楽だと思っているような人です。
無駄な労力を使いたくないので嫌なこともすぐ忘れる、根に持たないという態度が寛容に見えることがあります。
責任感がある
寛容な人がいつも落ち着いた態度でいられるのは、自分が責任を取るつもりでいるからかもしれません。
責任を取りたくない人は自分がミスすれば責任転嫁し、他人がミスすれば怒るというように、ミスすることにプレッシャーや恐怖心があります。
しかし寛容な人はミスは誰にでもあるものと思っているので、そういうネガティブ感情が起こりません。
ネガティブ感情がない分、いざとなったら自分が手助けしたり、解決すれば良いと思っているので、その精神的余裕が寛容さとして表れています。
良い人と思われたい気持ちはない
寛容な人に見えても、そうではない場合もあります。
嫌われたくないので何でも許してしまうのは、本当に寛容な人とは言えないでしょう。
相手に好かれたい気持ちがあるので、何でも頼みを聞き入れているだけです。
寛容な人は大抵のことは許してくれますが、全て許してくれるわけではありません。
特に自分の友人や恋人など、特定の人にだけ優しい場合は、良い人に見られたいだけで本当に寛容な人とは言えないでしょう。
相手の意思を尊重して見守っている
寛容な人は人にあまりアドバイスしませんが、それは口うるさくならないよう、相手の意思を尊重しているためです。
しかし誰かがミスしたときは励ましや注意の言葉をかける、フォローするというように思いやりのある態度を取ります。
そうした態度が見られない人であれば、寛容な人ではなく相手に期待していない、関心がないと考えられます。
寛容な人になる方法
無理しない・休憩する
ストレスがある状態で寛容さを保つのは難しいことです。
自分に余裕があってこそ、他人にも寛容でいることができます。
無理せず休む時間を作る、生活習慣を整えるなど、まずは自分に優しく寛容でいることが必要です。
こだわりを持ち過ぎない
こだわりが多いほど「○○は良くて、○○は悪い」「○○でなければならない」のような凝り固まった思考になっていきます。
こだわりがあることは悪くありませんが、あり過ぎるとそれが自分を縛るために、寛容な心を持つことが難しくなります。
また自分の価値基準に合わない人を否定したり、自分の価値観を押し付ける原因になるので、決めつけない意識が大切です。
相手の立場になる
自分が話すよりも、相手の話に耳を傾ける方が寛容さが身に付くでしょう。
寛容な人は人と話すときに、自分の気持ちだけでなく相手のことも考えています。
また失敗した人をすぐ責めるのではなく事情を聞いてみるなど、相手の話を聞く習慣を心掛けてみてください。
我慢を手放す
他人に寛容になれない人は、自分自身も何かを我慢していることがあります。
日本は我慢を美徳とする風潮があるので、無意識に何かを我慢しており、他人にも強要する人は未だに多いです。
自分さえ我慢すればと自己犠牲したり、同調圧力に流されたり、やってみたいことを後回しにしているなど、思い当たることはないでしょうか。
自分の心を満たす習慣がない人は、いつも他人にばかり尽くすのではなく、ときには自分の意思を優先してあげましょう。
別のことをする
寛容になれない人は気が短くイライラしやすい傾向があります。
例えば誰かを待っているとき、そのまま何もしないで待ち続けていると時間が長く感じられ、イライラしやすくなります。
近くのお店に寄ってみる、本を読む、スマホゲームをやるなど、楽しめるものや集中できるもので気をそらすことを意識してみましょう。
内観する
怒りっぽい人はストレスを感じたときに、それをすぐ表に出してしまいがちです。
イライラしたときは相手がどうかより、自分の内面に意識を向けてみましょう。
まず自分が怒っていることを自覚する、なぜそこまでイライラしているのか、怒って何か良いことがあるのか、というように内観します。
自分が怒りを感じるのは他人が何をしたかではなく、自分の観念、受け止め方の問題だからです。
自分の感情に吞まれるのではなく、感情を観察する習慣が身に付くと、怒りをぶつける癖は改善されていくでしょう。