好きな人と嫌いな人の前で態度が違うなど、好き嫌いが激しい人が身近にいないでしょうか。

また自分が好き嫌いが激しい性格で、ストレスを感じるので直したい人もいるのではと思います。

なぜ人の好き嫌いが激しくなるのか、心理や直し方などを解説します。

人の好き嫌いが激しい人の特徴

人によって態度を変える

人の好き嫌いが激しい人は、好きな人と嫌いな人の前で大きく態度が変わります。

好きな人には優しく親切にしますが、嫌いな人は無視したり冷たくするなど、態度の差があからさまです。

職場では上司がお気に入りの部下には優しくし、そうでない人は対応が雑など、特定の人をえこひいきするのが特徴です。

上下関係を気にする

人の好き嫌いが激しい人は、普段から人間関係を上下で判断しています。

自分より上の存在には好意的に接し、下の存在には無関心など、対応が極端です。

損得勘定で、自分が親切にしても得にならない人とは関わりません。

感情が表に出る

好き嫌いが激しい人は、感情が表情や態度に出やすい人です。

好き嫌いが激しい人でも、言葉や態度に出さなければ好き嫌いが激しいとは思われにくいです。

「○○さんは好きだけど、□□さんは嫌い」のようにはっきり言うなど、表に出す人は好き嫌いが激しい印象を持たれやすくなります。

マウントを取る

好き嫌いが激しい人は、嫌いな人にマウントを取ることがあります。

嫌いな人の発言は否定したり、見下した発言をするなど、自分の方が上であるような態度を取るのが特徴です。

マウントを取る人は気が強そうに見えても、実際は強い劣等感を抱えていることがあります。

協調性がない

好き嫌いが激しい人は、周りに合わせようとする気がありません。

好きな人といても自分が主導権を握り、嫌いな人とは協力しないなど、常に自分のペースで行動します。

いつでも自分の思い通りにならないと気が済まないタイプの人です。

一人でいることが多い

人の好き嫌いが激しいと、他人を関わるのを避ける人もいます。

好き嫌いが激しいと自分自身もストレスを感じ、人付き合いが面倒になってしまうからです。

一人の方が気楽なので、自分から積極的に人と関わることはせず、一人でいることが多いです。

人以外の好き嫌いも激しい

人の好き嫌いが激しい人は、他の好き嫌いも激しいことがあります。

食べ物やファッションにも好き嫌いが多いなど、強いこだわりがあるのが特徴です。

受け入れられないものは徹底的に否定するので、気難しい性格と思われやすいです。

人の好き嫌いが激しい人の心理・原因

支配欲

人の好き嫌いが激しいのは、相手が自分の支配下にあると思っているからです。

例えば職場の上司が好き嫌いが激しい場合、自分の部下なのだから、どういう対応をしても良いと思っている可能性があります。

個人的な感情で人により態度を変えていると、ハラスメントになることも考えられます。

完璧主義

完璧主義を他人にも押し付ける人は、他人が自分の思ったように行動してくれないとその人を嫌うことがあります。

「どうして○○してくれないんだ」と相手をコントロールしたい気持ちが生まれ、それが相手を責めたり、憎む原因になります。

劣等感がある

好き嫌いが激しい人は、強い劣等感を抱えていることがあります。

劣等感があると自分にないものを持っている人を妬ましく思い、それが相手を嫌ったり、敵視する感情になります。

自分の劣等感を刺激してくる相手を許せない気持ちから、相手を嫌いになります。

嫌な思い出がある

好き嫌いが激しい人は、過去に嫌いだった人に似ている人を嫌うことがあります。

例えばがさつな人が嫌いな場合、がさつな人が雑に仕事をするせいで後始末をさせられたなど、嫌な思い出があるのかもしれません。

また同じ思いをしたくないので、一度嫌いになった人に似ている人を避けたり、警戒心を抱くことがあります。

嫌いなものを近寄らせたくない

人前で好き嫌いをはっきり言う人は、嫌いなものを遠ざけたい心理があります。

嫌いなものは嫌いと公言することで、嫌いなものと関わりたくない、近付けないでほしいと周囲に伝えています。

本人は言うことですっきりするでしょうが、言われた側はその人の嫌いなものについて言わないよう意識するので、周囲に気を遣わせるタイプの人です。

被害妄想が強い

人の好き嫌いが激しい人は、被害妄想が強いことがあります。

例えば「○○さんは真面目ですね」と言われると、そのまま素直に受け止めるのでなく、「真面目で面白くないと思われているのかも」と考え過ぎてしまいます。

人の言葉を悪い方に深読みすると、被害妄想で自分を攻撃してくる人と思ってしまうことがあります。

自己愛が強い

自己愛が強い人は、他人に合わせることに苦手意識があります。

対人関係はときに相手に譲ることも大切ですが、自己愛が強い人はそれができないので、自分を肯定してくれる人、理解してくれる人のことを好きになります。

自分の意見に賛成してくれなかったり、忠告してくる人は自分を否定してくる敵だと思い、嫌ったり、遠ざけたりします。

家庭環境

好き嫌いが激しいのは、家庭環境が影響している可能性があります。

親も好き嫌いが激しいと、好きな人と嫌いな人で態度を変えても良いと思っていたり、「○○は嫌い」と人前ではっきり言っても、注意されてこなかったのかもしれません。

好き嫌いが激しくても、許されてきた環境で育ったと考えられます。




人の好き嫌いが激しいのを直す方法

相手の意思を尊重する

人を嫌いだと思う多くの原因は、自分と相手の価値観に違いがあり、それを認められないからです。

自分の価値観に当てはめず、相手の価値観を尊重する気持ちが大切です。

たとえ理解できなくても、相手の考えを否定しない意識があれば、意見の対立は防げるようになります。

好き嫌いで判断しない

何事も好き嫌いや善悪で判断しようとすると、意見が合わない人と対立しやすくなります。

この人は好き、嫌いと判断するのでなく、好きでも嫌いでもない、他人は他人という意識を持ってみましょう。

自分と考えが合わない人がいても「他人なのだから自分と考えが違うのは普通のこと」のように考えます。

特に嫌いな人を「嫌い」と意識するとますます嫌いになっていくので、好き嫌いと他人を判別しない、必要以上に関心を持たないことが大切です。

良いところを見る

人の好き嫌いが激しい人は、相手の嫌な面に気付くと、それがその人の全てであるように感じてしまうことがあります。

どんな人にも良い面と悪い面があり、悪い面に注目していると、嫌いな人が増えやすいです。

嫌いな人にも良い面はあるはずなので、そうした良い点にも目を向けることが大切です。

嫌いな人でも良いところがあると気付けば、嫌いな人に対して印象が変わることもあります。

相手を認める

嫌いな人がいる場合、嫌いというより嫉妬していることがあります。

嫉妬心は現状の自分を認めていない葛藤から起こるもので、他人の問題ではなく自分の心の問題です。

自分より優れた人がいるなら、嫌うのではなく、相手の能力を認める意識を持ってみましょう。

自分がなりたいと思う姿を実現している人が現れるのは有難いことです。

嫉妬して敵視するより、仲良くなって気になることを色々質問した方が、自分の学びになるでしょう。

言葉を深読みしない

人に言われた言葉の裏を考えたり、深読みしがちな人は自己肯定感が低い傾向があります。

自己肯定感が低いと、人から褒められても「私が褒められるはずがない」という気持ちから、言われたことを否定的に捉えてしまうことがあります。

人の言葉をネガティブに考えるのでなく、褒められたときは素直に受け止める気持ちを持ってみましょう。

自分を見直す

嫌いな人がいる場合、それは相手ではなく自分の心に原因があるのかもしれません。

相手の性格を通して、自分の嫌な面を見ているようで嫌悪感を抱くことがあるからです。

嫌いな人がいるときは、相手ではなく、相手を通して見た自分を嫌っているのではないかも考えてみましょう。

人の好き嫌いが激しい人への対処法

好かれようとしない

好き嫌いが激しい人に好かれようとすると、相手の価値観に何でも合わせてしまい、振り回されてストレスを感じるようになります。

相手も好き嫌いで判断するなら、こちらも無理に好意的な態度は取らず、意見が合わないときは別の提案をする、離れるなど、自分がストレスを感じない距離を取ることが大切です。

聞き流す

好き嫌いが激しい人に好かれても依存されたり、嫌われても敵視されるなど、一緒にいてあまり良いことはありません。

なるべく関わらないのが一番ですが、好き嫌いが激しい人と話すときは、聞き流すようにしてみましょう。

誰かの悪口を言われても同調しない、相槌を打つだけなど、真剣に相手にしないことが大切です。

好き嫌いが激しい人に好意も敵意も持たれない、意識されない存在になれば、相手の方から関わってくる機会は減るでしょう。

注意する

好き嫌いについてはっきり話す友達や恋人がいる場合、注意するのも対処法です。

「好きな人は良くても、嫌いな人について言うのは悪口になるよ」「嫌いなものをはっきり言われると、こちらも気分が暗くなる」のように、良くないことだと伝えてみましょう。

はっきり言う人は誰にも注意されてこなかった可能性があるので、身近な人に注意されることで気を付けてくれるようになるかもしれません。

ポジティブな意見を話す

被害妄想が強い人には、ポジティブに解釈した話をしてみましょう。

例えば好き嫌いが激しい人に、誰かに悪口を言われたと相談されたら「それは悪口ではなく、褒め言葉として言ったのでは?」と、別の視点から見た意見を言ってみましょう。

好き嫌いが激しい人でも、自分の気付かなかったことを言われれば誤解していたと気付く可能性があります。

自分を責めない

好き嫌いが激しい人に嫌われた場合、「自分が何か悪いことをしたのか?」と思うでしょうが、思い当たることがなければ相手の問題かもしれません。

特に好き嫌いが激しい人は許せないと思う基準が厳しいので、少しでも気に入らないことがあると他人を嫌いになりやすいです。

嫌われても自分を責めるのでなく、価値観が違うだけだと考えることも大切です。

気になるのであれば、自分が何か気に障ることをしたか相手に訊いてみましょう。

嫌われても普通に接する

好き嫌いが激しい人に嫌われている場合、無理に関わる必要はありませんが、仕事などで関わらなければならないときもあるでしょう。

相手にきつい態度を取られたとしても、その態度に反応しないことが大切です。

こちらも「嫌い」という態度で返すと、ますます険悪な雰囲気になります。

相手の態度については無視して、事務的に必要なことだけを話しましょう。

職場など集団の場では、その様子を周囲も見ているので、個人的な感情で接する人の方が幼稚と思われたり、悪い印象を持たれます。

ただし無視や暴言など相手の態度が酷い場合は、パワハラとして相談することも考えてみましょう。