えこひいきとは、自分が気に入っている人を特別扱いすることです。

えこひいきは誰もが持っている感情ですが、時と場合によってはトラブルの原因になります。

えこひいきする人の特徴や対処法について解説します。

えこひいきする人の特徴

指導的立場にいる

えこひいきする人は人に指示を出したり、管理する立場にある人が多いです。

そのため自分の指示した通りに動いてくれるような、扱いやすい人をひいきにする傾向があります。

自分の指示通りに行動しない人は、たとえ優秀な人でも嫌うことがあります。

おだてに弱い

えこひいきする人は、自分に好意的な態度を取る人を側に置きます。

褒められる、頼られることで自分の存在意義を感じるので、自信を満たしてくれるような人をひいきするのが特徴です。

能力のある人をひいきするのではなく、自分を立ててくれる人をひいきします。

好き嫌いが激しい

えこひいきする人は人の好き嫌いが激しく、それを態度に表す人です。

気に入っている人には優しくしますが、嫌いな人には冷たい態度を取るなどはっきり差を付けます。

人を好き嫌いで判断する人が権力を持つと、ひいきにしている人だけを評価するなど、好き勝手に行動します。

損得勘定が強い

えこひいきするのは、その人を特別扱いした方がメリットがあるからです。

例えば権力や財力がある人を特別扱いすれば、自分が恩恵を受けられる可能性があります。

普段から損得勘定で行動している人なら、自分が得するためにひいきしていると考えられます。

えこひいきする人の心理

自信がない

えこひいきする人は劣等感を抱えていることがあります。

その場合は自分に賛同してくれたり、おだててくれるような人を側に置きます。

あるいは自分にないものを持っている人を気に入り、ひいきにする場合もあります。

価値を重視している

えこひいきする人は、自分から見て価値があると思う人を大切にします。

そのため仕事や勉強ができる、スポーツや芸術の才能がある、容姿端麗など、その人の価値が目に見えて分かりやすい人はひいきされやすいです。

あるいは能力が高くなくても、自分の指示に忠実に従ってくれる人を側に置くこともあります。

才能がある人にだけ教えたい

えこひいきするのは、見込みのある人にだけ専門的なことを教えたいと思っているからです。

仕事ができない人や才能がない人に時間をかけて何かを教えるのは無駄、と考えているので人を選別します。

ただし大器晩成型の人もいるので、長期的な視点を持たない人は、金の卵のような貴重な人材を逃すことがあります。

競争心を煽るため

誰か一人をひいきにするのは、競争心を煽るための場合があります。

えこひいきされている人とそれ以外の人の扱いにあえて差をつけて、やる気を起こしてもらうためです。

ただし一人を特別扱いすることで人間関係が悪くなったり、周囲のモチベーションが下がるなど逆効果になることもあります。

えこひいきされる人の特徴

気が利く

えこひいきされるのは、相手の気持ちを考えられる人です。

職場であれば、上司が自分に何を求めているのかを理解して行動できる人がひいきにされやすいです。

上司の意向や性格を理解しているので指示待ち人間にならず、「次はこういう指示が出るだろう」と予測を立てて行動しています。

要領が良い

えこひいきされるのは、人に頼ったり、甘えるのが上手な人です。

おだてて人を動かすのが上手く、人の心を掴むコミュニケーションに長けています。

一方、自立心がある人は自分で何でもやるためコミュニケーションが少なくなり、ひいきされにくい傾向があります。

仕事ができる

えこひいきされるのは、仕事で成果を出せる人です。

仕事ができる人はそれだけ会社に貢献しているので早く出世したり、要望も聞き入れてもらえるようになります。

ただし上司よりも優秀な場合、上司が私情を挟む人であれば敵対視されたり、遠ざけられてしまう場合もあります。

教えがいがある

何事も意欲的に取り組む人は、えこひいきされやすいです。

教えられたことを自分のものにしようとする意欲がある、失敗しても諦めずに取り組むような人は、教えがいがあると思われるからです。

たとえ実力がなくても頑張っている人は応援したいと思われるので、消極的な人よりもひいきにされやすいです。

素質がある

才能やセンスが必要な分野なら、それを持っている人の方がえこひいきされやすいです。

指導する側は「この人なら自分の技術を教える価値がある」と思う人を選びます。

素質とやる気があるならば、ひいきにされた方がより専門的な知識や技術を学べるでしょう。

権力や魅力を持っている

能力が高くなくても権力者の縁者であったり、美人であることでえこひいきされる場合もあります。

自分で努力して得たものではないもので起こるえこひいきは、不公平と思われやすいです。

しかし、えこひいきされている本人も、意図せず周囲の嫉妬を買うので迷惑だと感じていることもあります。

えこひいきはモラハラ?

えこひいきは人間なら誰でも持っている性なので、不公平と感じても、お気に入りの人を可愛がっているだけでモラハラとして認められるのは難しいでしょう。

  • ひいきにしている人以外を冷遇したり、無視する
  • ひいきにしている人と比較して、人格否定のような発言をする
  • 同じ仕事をしているのに、ひいきにしている人にだけ高評価を与える

など差別行為をしているのであれば、モラハラやパワハラとして認められる可能性があります。




えこひいきする人への対処法

相談する

えこひいきが明らかに差別だと感じるときは、えこひいきする人より上の立場にある人に相談してみましょう。

職場なら上司より役職が高い人に相談するか、企業内カウンセラーに相談する方法もあります。

えこひいきが原因で業務に支障が出ていることを伝えると、モラハラやパワハラに認められる可能性があります。

不満を伝える

えこひいきが理不尽だと感じるときは、それをえこひいきしている人に伝えるのも対処法です。

何に不公平さを感じているのかを、具体的に相手に話してみましょう。

えこひいきされている人しか評価されないと思うなら、どういうときにそれを感じるのかを伝えてみましょう。

えこひいきしている人は無自覚でやっていることがあるので、指摘されることで初めて気付くこともあります。

異動を申し出る

職場にえこひいきする人がいるなら、異動を申し出る方法もあります。

ただし「えこひいきする人がいるので異動したい」と言っても、それがパワハラのように酷いものでなければ認められない可能性があります。

「別の部署でやりたい仕事がある」というように、前向きな理由で申告することが大切です。

えこひいきにストレスを感じるときの対処法

他の人に話を聞いてみる

誰かがえこひいきされていると自分は感じていても、他人はそう思っていないこともあります。

周囲の人に話を聞いてみて、えこひいきだと感じていないなら、自分がえこひいきされている人にコンプレックスを感じたり、ライバル視しているだけかもしれません。

皆が不公平さを感じているなら、全員でえこひいきしている人に不満を伝えてみるのも対処法です。

えこひいきする人、されている人より高い成果を出す

他人がえこひいきされるのが不満なら、ひいきする人、される人より成果を出すことを意識してみましょう。

実力は自分の方が高いと自覚したり、それを示すことができれば、えこひいきする人・される人のことも眼中になくなるでしょう。

それでもえこひいきが続くなら、えこひいきする人は見る目がないと思われて人が離れていきます。

えこひいきされた結果を考える

えこひいきされている人を見て不満に感じるのは、自分もえこひいきされたい気持ちがあるからかもしれません。

しかし、えこひいきする人は気に入った人だけを特別視するため人望を失い、嫌われたり孤立することがあります。

また、えこひいきされた方も周囲から嫉妬されたり、期待されるプレッシャーもあります。

どちらにも関わらない立場の方が、やりたいようにできることもあります。

それでもえこひいきされたいと思うなら、えこひいきする人の気持ちを考えたり、ひいきされている人の様子を見てましょう。

えこひいきする人・される人の行動を見る

自分がえこひいきされたいなら、えこひいきする人がどういう性格なのか、何を重視しているのかを見てみましょう。

相手の性格や価値観を知り、その人に気に入られるような行動を取れば、ひいきにしてもらえる可能性はあります。

またはえこひいきされている人を見て、どこが気に入られているのかを見ると分かりやすいです。

えこひいきされている人の様子を見ると、細やかな気遣いが自然にできていたり、実は陰で努力しているのが分かるなど、なぜ高く評価されているのか納得できる場合もあるでしょう。

えこひいきされている人との違いを考える

えこひいきを不満に感じるときは、自分と相手の実力が同じ程度かそれ以下だと思っているのが原因かもしれません。

しかし実際の自分は、自分が想像しているものとは違う可能性があります。

「自分は実力がある」と過信しているときほど、実際以上に自分を高く評価したり、他人の能力を正しく評価できない状態になるためです。

また自分の方が明らかに実力があると思っても、相手は別の分野で秀でていたり、人間性で高く評価されている場合もあります。

えこひいきされている人は一つの分野だけではなく、総合的に評価されていることも考えてみましょう。

見方を変える

自分にだけ厳しくしてくる人がいたとしても、必ずしも差別されているとは限りません。

人によっては能力の低い人には優しくするだけで、大切なことは教えないこともあります。

それはこの人に何か教えても見込みがないと思っているので、当たり障りのない態度を取っているからです。

見込みがあると思われているからこそ、あえて難しいことを任されたり、ときには厳しい指導をされる場合もあります。

モラハラ・パワハラ気質ではないのなら、見込みのある人にこそ真剣に接するという人の可能性もあります。