職場などで嫌味を言われたり、嫌味を言っている人を見るとなぜ嫌味を言うのかと思ったことはありませんか?
また、なぜか自分ばかり嫌味を言われやすく、誰にも相談できず悩んでいる人もいるかと思います。
今回は嫌味を言う人の心理や言われやすい人の特徴、嫌味への対処法についてご紹介します。
嫌味を言う人の心理
精神的な余裕がない
嫌味を言う人は、現在の自分に不満があったり仕事や私生活でストレスを抱えていたりと、精神的に余裕がない状態です。
余裕がなくなると視野が狭くなり、自分のことしか考えられなくなります。そうなると、周囲の人が自分より幸せそうに見えたり、自分ほど苦労している人はいないと思い込むようになり、嫉妬心から嫌味を言ってしまうのです。
自信がない
嫌味を言うのは、その人が常に自分と他人を比べているからです。自分と他人を比べるのは、根本に自信がないからです。
自分より幸せそうに生活している人を見ると、自信がないコンプレックスを刺激されるので、自分を守るために悪口や嫌味を言って攻撃します。
これは相手を自分と同じレベル、またはそれ以下に貶めたいという心理があります。幸せは他人と比べるものではないので、その人は自分の物差しでしか人を判断できない視野の狭い人です。
自分で作り上げた幸せの基準、思い込みに捉われて生きていますが、嫌味を言う人はそのことに気が付きません。
上下関係で接する
嫌味を言う人は、いつでも自分が優位でありたいという心理があります。そのため、相手に嫌味を言って自分を高めようとしています。しかし、相手を貶めて自分が優位に立とうとすれば、結局自分が墓穴を掘ることになります。
嫌味な態度を取り続けていれば相手から嫌われることはもちろん、それを見ている周りの人にも失礼な人、軽率な人だと思われるようになります。普段から嫌味を言い続けていれば人から信頼されにくくなり、最終的には誰からも距離を置かれるようになります。
完璧主義
自分の価値観を押し付ける完璧主義者の場合、他人のしたことが満足できない結果だと「どうしてこんなこともできない」というように嫌味を言うことがあります。そうして嫌味を言った後に、本当はこうしてもらいたかったなど自分の要求を言い続けます。
例えば部下の仕事の成果が満足できるものでないと、仕事が思い通りに進められないストレス、自分がさらに上の上司に謝らなければならないなどの理由から、責任転嫁したい心理があります。
上司と部下のコミュニケーション不足もあるでしょうが、完璧主義で、思い通りにならいときに嫌味を言う人は、他人が自分の思う通りに動いてくれると思い込んでいる、他人を思い通りにしたい心理があります。
嫌味を言われやすい人の特徴
自信がない
自信がない人が嫌味の対象にされやすいのは、オドオドしていて反抗しないと思われやすいからです。自分ではオドオドしているつもりではなくても、「また嫌味を言われるのではないか」というように身構えていると、それが目の動きや話し方などに表れています。
嫌味を言う人はその雰囲気を感じ取り、気が弱そう、反抗しなさそうだと思うと嫌味のターゲットにします。
また嫌味を言う人も自信がないので、自分の本当の姿を見せられている気がしてイライラし、八つ当たりの嫌味を言うこともあります。
人気者
人気がある人は、注目される分それだけ嫌味を言われやすくなります。人気者は応援してくれる人ばかりに囲まれている訳ではありません。嫉妬からこき下ろすようなことを言われることもあります。
自分が人気者であることを自覚し、肯定している人は自信やプライドがあるので嫌味を言われても気にかけませんが、人気者という自覚がない、周りが騒いでいるだけで人気者でいたい訳ではない人の場合、なぜ嫌味を言われなければならないのだろうと悩みを抱えてしまうこともあります。
楽天家
楽天家の人は一見悩みを抱えているように見えないので、「悩みがなさそうで羨ましい」と思われて嫌味を言われることがあります。
いつも笑顔が多い人も、毎日楽しく暮らしていそうと思われやすいので、楽天家と同様嫌味を言われることがあります。
笑顔が多い人でも辛そうな顔を見せないだけで、悩みを抱えている人はいます。嫌味を言う人は自己中心的なので、「悩みを抱えていない人などいない」という思いやりの気持ちが持てません。
嫌味を言う人への対処法
嫌味をポジティブに変換する
こき下ろすような嫌味の言葉は、相手を優れていると認めている心の裏返しです。
素直に認められれば「あなたってすごい!」「どうしたらそういう風になれるの?」と相手にポジティブに関わっていけるのですが、嫌味を言う人にはそれができません。褒め言葉の代わりに嫌味を言ってしまいます。
嫉妬だろうなと思う嫌味を言われたときは、「私にはできないことができて羨ましい」と言われているのと同じ、つまり遠回しに褒められている、認められているのだと受け取ることで嫌味の受け止め方を変えられます。
無視する
わざと意地の悪い嫌味を言う人は、相手が自分の嫌味でダメージを受けることで安心感を得ます。
そのため、嫌みを言われたとしても「ふうん、そうですか」という気にしない態度で受け流すようにしましょう。もしくは、嫌味を言われたら「そういえば、○○の仕事はどうなっていますか?」というように、別の話を振ることでその場の雰囲気を切り替えることができます。
嫌味に反応しない、話を切り替えることを何度も繰り返していると、「この人には嫌味が通じない、思い通りにならない」と分かるので、嫌味のターゲットにされなくなってきます。
大きな子どもだと思う
嫌味は、言い換えれば負け惜しみです。嫌味を言う人は、勝手に相手をライバルだと思い込み、自分の中で一人相撲をしています。
まともな人であればこんな思い込みはバカバカしいと自分で気付き、羨ましいとは思っても、嫉妬心まで起こして嫌味を言ったりはしません。
嫌味を言う人は、自分の心が抑えられず言葉に出てしまう幼稚な人なのです。
まともな人だと思って対応すると、こちらがストレスを受けるようになります。嫌味が多い人は、年齢に関係なく自分が一番でないと気が済まない子どもだと思いましょう。
冷静に対応する
嫌味を言われたときは、「ネガティブな考え方をするんですね」というように、相手を判断するようなことを言ってみるのも対応の1つです。嫌味を言う人の中には、自分が相手に失礼なことを言っている、悪いことをしている自覚のある人もいます。
そういった人に心理分析をするような対応を続けると、自分の悪い面を探られているように感じ、嫌味を言う人から苦手意識を持たれて、向こうから距離を置いてくることがあります。
目上の人に相談する
嫌味を無視してもしつこく嫌味を言い続けてくる人の場合、嫌味を言う人の目上に当たる人に相談しましょう。相談するときには証拠があると有利なので、日々嫌味を言われている場合はボイスレコーダーに録音する方法が有効です。そのほか、「何月何日に何と言われたか」ということも手帳などに記録しておきましょう。
会社が人間関係のトラブルに対応してくれない場合も、証拠になる資料があればあるほど、労働局が運営する総合労働相談所(労働者のトラブルに対応する施設)に相談しやすくなります。
嫌味の程度が深刻な場合はパワハラに当たるので、相手が反省しない場合は被害届を出す、刑事告訴することも可能です。また、パワハラのように弱いものいじめをする人は法律や権力には弱いので、法的措置を取ると言うと途端に謝罪してくるケースもあります。
嫌味には無視が効果的
嫌味を言われやすい人には特徴がありますが、言われやすい特徴を持っているから自分が悪いとは考えないでください。
嫌味や悪口などは、全て言う人の心の方に問題があります。言われやすい特徴に当てはまったとしても、ご紹介した対処法を実践することで相手の反応も少しずつ変わっていきます。
嫌味は基本的には無視しておき、程度がエスカレートする場合はパワハラに当たるので、一人で抱え込まずに上司や労働者を保護する機関に相談してください。