誰かに褒められたとき、何故か嬉しくないと感じたことはありませんか?
または褒めても喜んでくれない人が身近にいる場合、なぜ褒められても嬉しくないのか疑問に思ったことはないでしょうか。
以前は褒められても嬉しかったのに嬉しくなくなったという場合、心の病気が関係している可能性もります。
褒められるのが嬉しくない人の心理や原因などを紹介します。
褒められても嬉しくない心理
褒められても困る
褒められても嬉しいというより、困る気持ちが起こるという人います。
褒められて困るのは相手が嫌いだったり、人とあまり関わりたくない、自己肯定感が低いなどが考えられます。
例えば相手が嫌いでも褒められたら、「相手のことを褒め返さなければいけないのか」と迷う人もいるでしょう。
警戒心が強い人であれば「褒めてもらったなら、相手にもっと心を開かないと失礼なのでは」などの色々気遣いしてしまい、褒められても素直に喜べないことがあります。
信用できない
褒め言葉でも、やたら褒めてくる人の場合はお世辞と疑うこともあると思います。
すると「自分に何か頼み事をしたくて褒めてくるのでは」と疑う気持ちも出てくるでしょう。
異性からやたら褒められる場合は「アプローチされているのかもしれない」など警戒する、困る気持ちも出てくると思います。
プレッシャーを感じる
褒められることが嬉しくないのは、プレッシャーに感じるからという場合もあります。
褒められるというのは、相手から期待されているということでもあります。
褒められることが嬉しくない人は、「その期待に応えなくてはいけない」と感じるため、褒められても嬉しくなくなります。
プレッシャーを感じる人は「今回は上手くいったけれど、次はどうなるか分からない」「失敗する訳にはいかない」など先のことばかり考えるため、嬉しさより緊張、期待に応えられなかったときの恐怖感の方が強くなります。
褒め言葉をプレッシャーに感じる人は、褒め言葉を「次も上手くやってほしい」「もっと期待に応えてほしい」という相手からの要求に感じてしまい、褒められても喜べない心理があります。褒められた経験が少ない
褒められるのが苦手な人は、褒められること自体に慣れていないのかもしれません。
今まで親や周りの人に褒められた経験が少ない人は、褒められてもどう対応したら良いか分からないので困惑することがあります。
あるいは褒められるより怒られたり、貶されることが多かった人の場合、自己肯定感の低さが原因で褒められても嬉しくないと感じている可能性もあるでしょう。
警戒心がある
褒められることが嬉しくないのは、他人に対して警戒心があるとも考えられます。
警戒心があるのは信用できない相手だからという理由もあるでしょうが、他人全般に対して警戒心が強い人もいます。
警戒心が強い人が褒められると、相手の言葉に何か裏があるのではと疑うことがあります。
警戒心が強い人は、他人との深い関わりは避けるようにして、自分を守るために相手と一線を引くようにしています。
容姿・見た目ばかり褒められる
容姿、見た目を褒められても嬉しくない心理は「自分は自分を美しいとは思っていない」という自己肯定感の低さが関係しています。
あるいは「容姿や見た目は、親から受け継いだものである」という意識が強い人の場合は、褒められても嬉しくない気持ちになることもあります。
親から受け継いだものを褒められても、自分で努力して手に入れたものではない、つまり本人にとっては当たり前のものなので、褒められても嬉しくは感じないのです。
または親が嫌いなので、褒められても嬉しくない場合もあるでしょう。
コンプレックスを褒められた
他人からは良く見えても、本人からすればコンプレックスだと感じていることもあります。
コンプレックスを褒められても、嬉しいというより複雑な気持ちになるのではないでしょうか。
例えば見た目が美人でも、ストーカーやいじめなどに遭った人の場合は、「自分の容姿のせいで不幸になった」と考えていることもあります。相手が嫌い
褒められても嬉しくないのは、褒めてくる相手が嫌いだからということも考えられます。
嫌いと思うのは相手の性格が悪い、性格が合わない、自分のコンプレックスを刺激するなど様々な理由が考えらます。
また、嫌いな人から言われると、褒め言葉でも「遠回しの嫌味じゃないか」「見下されているのでは」のように、悪い方向に捉える人もいます。心がこもっていない
褒められても嬉しくないのは、相手の褒め言葉に心がこもっていないと感じるからかもしれません。
淡々と「ありがとう」と言われるよりも、笑顔で「ありがとう」と言われた方が、誰でも嬉しいと感じると思います。
また見た目について褒められた場合、相手は本気で褒めていたとしても「上辺だけしか見ていない」と思い、心がこもっていないと受け止める人もいます。
何とも思わない
褒められても嬉しくないのは、自分にとっては普通だと思うことを褒められているからかもしれません。
例えば自分の名前を「素敵ですね」と褒められたとしても、自分にとっては自分の名前でしかないので、特に嬉しいとも思わないという人もいるでしょう。
褒められても嬉しくない原因
自己肯定感が低い
褒められるのが嬉しくないのは、自己肯定感が低いことが考えられます。
自己肯定感が低い人とは「自分はダメな人間」「誰からも必要とされない」などの気持ちが潜在意識にある人です。
幼少頃から親に褒められたり、優しくしてもらえた経験が少ないなどが原因で、自己肯定感が低くなることがあります。
自己肯定感が低いと褒められても嬉しくないのは、「自分が抱いている自分のイメージ像」と褒められた言葉の内容にギャップを感じるからです。
自己肯定感が低い人は「私はダメな人間」のような思い込みを持っていますが、他人から褒められることで「ダメな自分が褒められた」と感じます。
自己肯定感が低い人は「ダメな自分が褒められるなんておかしい」のように、違和感を覚えるので、褒められても否定してしまうことがあります。
自信が足りない
自己肯定感が低い人でも、本心では「自分はダメな人間なんかじゃない」「きっと必要としてくれる人が現れる」と考えていることもあります。
しかし、自分を信じる力が足りないと褒められても嬉しくないと感じることがあります。
結果、「褒められたいのに、いざ褒められると嬉しくない」のような矛盾を抱えて悩んだりします。
家族関係
褒められても嬉しくないのは、家族関係が原因になっていることがあります。
褒められても嬉しくないと感じる人は親に厳しく育てられたり、冷たくされる、関心を持たれないなどの環境で育った傾向があります。
親の愛情不足が原因で、「自分は大事にされる価値のない人間なんだ」のような自己肯定感が低くなる思い込みを抱くことがあります。
すると先ほど説明したように、自分のイメージと褒められた内容に矛盾を感じて素直に喜べなくなります。
また、親が信頼できない人だと警戒心が強くなるなど、自分以外を信用できなくなる原因にもなり、褒め言葉に疑心暗鬼になる原因にもなります。
コンプレックス
褒められても嬉しくないのは、コンプレックスが関係していることもあります。
例えば仕事ができる人から褒められると嬉しいと感じる人もいますが、自分は仕事ができないと思っている人の場合、「できる人から言われると、見下されている感じがして嬉しくない」のように受け止める人もいます。
病気
褒められても嬉しくない気持ちが起こること自体は病気ではありません。
しかし、病気が関係して褒められても嬉しいと思えない状態になっていることはあるでしょう。
うつなどで無気力状態になっていると、褒められても喜ぶ気力が起こらなかったり、被害妄想があると、褒められても疑心暗鬼になるなど、褒め言葉をそのまま受け止められない原因になります。
褒め言葉になっていない
褒められても嬉しくないのは、相手は褒めたつもりでも、褒め言葉になっていないことも考えられます。
例えば自分が手間をかけて作った料理をインスタント食品と比較されたりしたら、誰でも不快になると思います。
空気の読めない発言や、的外れな褒め方をされても嬉しいと感じる人はいないでしょう。
褒められても嬉しくないときの対処法
原因を考える
褒められるのが嬉しくないと感じるときは、まず原因を考えましょう。
相手が嫌いなどは分かりやすい原因でしょうが、自分の心に原因がある場合は、それを自覚することが大切です。
「褒められるのが苦手なのは、褒められた経験が少なかったから」「褒められるとモヤモヤするのは、自己肯定感が低いから」など、今回紹介した心理や原因から自分に当てはまるものはないか考えてみてください。
原因を知ることで、何故自分は褒められても嬉しくないのか分かりやすくなります。
褒め言葉を素直に受け取る
褒め言葉を素直に受け止めず、裏があるのではと勘繰ってしまう人は、素直に受け止める気持ちを意識しましょう。
疑心暗鬼になっていると、褒められたときに口では「ありがとうございます」と言っても表情が嬉しくなさそうなど、態度に出ていることがあります。
すると褒めた人も「嬉しくなさそうだな」「失礼なことを言ったかな」と思うなど、相手にも気を遣わせてしまいます。
人を疑い過ぎると、自分から人間関係をぎこちないものにさせてしまいます。
自分が気疲れする原因になるので、相手の言葉は素直に受け止めることを意識してみてください。
お礼を言う
褒められるのが嬉しくないと感じても「ありがとうございます」と返事をすることは大切です。
嬉しくないという態度を取ると、その後人間関係のトラブルになることも考えられます。
人から褒められても「そんなことないです」「いえいえ私なんて……」と謙遜する人もいるでしょう。
しかし、これは相手の褒め言葉を否定していることになります。
「あなたの言葉、気持ちに感謝します」と伝える気持ちで「ありがとうございます」と言ってみましょう。関わらない
特定の相手から褒められても嬉しくないときは、その人とはあまり話さないようにした方が良いでしょう。
自覚がないだけで、本当はその人と性格が合わなかったり、自分のコンプレックスを刺激される嫌な相手だと思っているのかもしれません。
特に友人や恋人、家族など身近な人の場合、本当は嫌いなのに嫌いではないと自分に思い込ませようとしていることがあります。
相手のことを本当はどう思っているのか、心の整理をするためにも距離を置くことも対処法です。
質問する
褒め言葉に違和感を感じるときは「それはどういう意味ですか」「それは褒め言葉と受け取っても良いですか」のように、相手にどういうつもりで言ったのか訊いてみるのも対処法です。
褒め言葉の裏に嫌味があるなら相手は黙ったり、言い訳をするかもしれません。
また、質問することで面倒くさい相手だと思わせて、今後嫌味や皮肉を言われないようにすることも期待できます。
ただし、褒め方が悪くても全く悪気はないという人もいます。それは褒め方が下手だったり、相手が不快に感じていることに気付かない人です。
そうした人は普段から空気の読めない発言をするなど、他の人にも不快な思いをさせている傾向があります。
相手の本心を知りたければ、質問してみるのも一つの対処法です。