八つ当たりする人の特徴と心理・八つ当たりされたときの対処法
仕事や家事が順調に進まず八つ当たりをしてくる人がいませんか?何故か自分ばかり八つ当たりされて、悩んでいる人もいるのではないでしょうか。
八つ当たりする人の心理や、八つ当たりされたときの対処法について解説します。
八つ当たりとは
八つ当たりとは、人や物にストレスをぶつける行為です。例えば、人に暴言を吐いたり、物を壊したりなど、周囲に当たり散らすことを指します。八つ当たりの語源は、八方に当たるという意味です。八方とはあらゆる方面のことで、四方八方、八方美人などにも使われています。
八つ当たりをする人は、なぜ関係のない人や物にストレスをぶつけてしまうのでしょうか。八つ当たりをする人の特徴や対処法を解説するので、参考にしてみてください。
八つ当たりする人の特徴
責任転嫁する
八つ当たりする人は、自分が失敗しても反省しない特徴があります。自分が悪いと認められないので、環境や他人のせいにしようと八つ当たりします。怒りながら言い訳するので、周囲も手がつけられずトラブルメーカーになっていることもあるでしょう。
物に当たる
イライラしたときに物に当たるのも、八つ当たりする人の特徴です。突発的にストレスを物にぶつけてしまう癖があり、同じことを繰り返しがちです。
また、乱暴に物を投げて壊した後、冷静になって「どうしてあんなことをしたんだろう」と後悔することがあります。
「イライラしたときに乱暴に扉を閉める」「大きな音で歩き回る」などの行動が見られるのも、八つ当たりする人の特徴です。怒りで力が入っているだけで、八つ当たりしているつもりはないこともあります。
しかし、他人が見れば八つ当たりされた気分になるので、嫌な人だと思われやすいでしょう。
人により態度を変える
八つ当たりする人は、自分よりも弱そうに見える人を選んで八つ当たりする傾向があります。
弱そうな人と思われやすいのは、自己主張しない人や年下、部下など目下に当たる人間です。職場の場合、上司が仕事のストレスを部下にぶつけてしまうことがあります。
また、嫌いな人にだけ八つ当たりする人もいます。「嫌いな人には何をしてもいい」と考える人ほど、八つ当たりしやすいでしょう。
嫌いな人に八つ当たりする人は、相手を困らせたい気持ちから八つ当たりする傾向にあります。相手に対して何かしらの不満を抱えており、八つ当たりをすることで不満をぶつけている可能性が高いでしょう。
暴力・暴言が多い
イライラして人に暴力を振るったり、暴言を吐いたりするのも八つ当たりする人の特徴です。
自分の感情を抑えることが苦手なため、「怒りがこみ上げるとすぐに手を出してしまう」「相手を傷つけるようなことを言ってしまう」などの特徴があります。
冷静になってから後悔して謝罪する人もいますが、何度も繰り返せば許してもらえなくなるでしょう。
暴力や暴言の程度が酷い場合は、パワハラやモラハラに該当することもあります。
ストレスが多い
八つ当たりする人は、普段からストレスや不満を抱えやすいです。しかし、上手くストレスを発散する方法を知らないので、関係ない人に八つ当たりしてしまいます。
また八つ当たりする人は、普段からイライラしやすい傾向があります。気に入らないことがあるとすぐ怒るなど、周囲の気持ちを考えない人です。
普段穏やかな人でも、ストレスがあればつい八つ当たりしてしまうこともあるでしょう。心に余裕がないと、誰でも八つ当たりしやすくなります。あるいは、ためこんでいたストレスを我慢できず、一気に爆発させてしまうこともあります。
八つ当たりする人の心理
自信がない
自分が失敗したときに八つ当たりする人は、自信がありません。例えば仕事で失敗して八つ当たりする人は、自分が責められたのは無能だからと思っていることがあります。
仕事の失敗を指摘されているだけなのに、「自分が駄目な人間だ」と言われたように感じてしまうのです。
自信があれば思い違いせず、失敗を受け入れられるはずです。そして「今回は失敗してしまったけど、挽回すればいい」と、前向きに考えられるでしょう。
混乱している
突然のトラブルなど、自分で対処しきれない状況に陥った時に八つ当たりする人もいます。パニックになり、どうすれば良いか分からない焦りを、怒りでぶつけてしまうのです。
精神的なバランスを取るのが苦手で、臆病だったり、情緒不安定な性格の人に多い心理です。
物事が上手く進まなくなると誰でも「どうしよう」と悩んだり、解決策を考えようとします。
しかし八つ当たりをする人は、トラブルが起こると不安感が強くなり、自分ではストレス抱え込み切れなくなります。そして八つ当たりをして気持ちを分散させようとします。
八つ当たりする人がイライラするのは「どうすれば良いのか分からない!」「誰か助けて!」という不安や迷いの気持ちが隠されている態度であるといえます。
責任・期待感が強い
仕事を例にすると、上司が部下の仕事ぶりが思わしくなくイライラする場面があるとします。それは部下に期待しているからこそ、ストレスを感じている可能性があります。
上司は「どうして期待しているような仕事の成果を出してくれないんだろう」「どうすればもっと効率良く仕事をしてくれるのだろう」「部下に対する自分の仕事の教え方が悪いんじゃないか」のように悩んでいるのかもしれません。
部下の面倒を見ることに責任や期待を感じ過ぎており、それがストレスとなって八つ当たりになる場合があります。
しかし上司が抱えているストレスは、上司が勝手に感じているものです。ストレスを感じるのは、部下が自分の期待通りに動いてくれないことから生じているものです。
自分がイメージしている期待と現実の差にストレスを感じています。この場合、上司は部下に怒るのでなく、自分で感情の整理することが必要です。
自己中心的
自己中心的な人は、自分の非を認めず責任転嫁しがちです。責任転嫁することを、心理学では代償行為といいます。受け入れられない感情を別の対象にぶつけて、精神の安定を図ろうとする心理です。
つまり自己中心的な人は、自分を守るために八つ当たりをします。自分を守ることに必死なので、相手の気持ちを考える余裕がありません。
完璧主義の人も、自己中心的な面を持っています。自分の理想を守ろうとするために、周囲に当たり散らしてしまうことがあるからです。
寂しがりやな性格だと、構ってほしい心理から八つ当たりをすることもあります。不機嫌な態度を取れば「どうしたの?」と声をかけてもらいやすくなります。普段と違う行動を取れば周囲の気を引けるので、わざと八つ当たりするのが特徴です。
八つ当たりされやすい人の特徴
八つ当たりする人も、誰にでも攻撃するわけではありません。八つ当たりする人は、攻撃しやすい相手を選んで八つ当たりします。
どんな性格の人が八つ当たりされやすいのでしょうか。八つ当たりされる人に当てはまる特徴をご紹介します。
自己主張しない
自己主張しない人は、八つ当たりされる傾向があります。八つ当たりしても、何も言わないと思われやすいからです。
八つ当たりする人から不快なことをされたときは「やめてください」と言いましょう。何も言わないで黙っていると、相手の態度がエスカレートすることがあります。
見た目に覇気がなかったり、童顔の人も八つ当たりされやすいでしょう。覇気がないとは、いつも元気がない、おどおどしているなどの特徴がある人です。覇気がない人は、八つ当たりする人に偉そうな態度を取られやすくなります。
立場が弱い
上司が部下に八つ当たりするなど、自分より立場が下の人を選んで八つ当たりする人がいます。目下には偉そうな態度を取りますが、本性は臆病な人です。立場が弱い人は、自分に反抗できないと思っているので八つ当たりをします。
また童顔の人は、実年齢に関係なく幼く見えやすいです。そのため、年下や目下に偉そうな態度を取る人に八つ当たりされやすい特徴があります。
八つ当たりがエスカレートすれば、パワハラになる可能性もあるでしょう。しかし八つ当たりをする人は、相手から訴えられる可能性は考えていません。
パワハラで大事になったときに初めて後悔するなど、自分を客観視できないところがあります。
包容力がある
包容力がある人を選んで八つ当たりする人もいます。包容力がある人は、八つ当たりをされてもあまり言い返しません。ただ話を聞いてあげたり、相手の相談に乗ってあげます。
相手を受け入れる態度で接するので、八つ当たりする人に何を言っても許されると勘違いされやすい面があります。
人気者
自分に不満がある人は、皆から好かれている人に八つ当たりすることがあります。自分はストレスが多いので、幸せそうな人を見ると嫉妬心が起こるからです。
芸能人を批判する人も、何らかの不満を抱えていることがあります。自分に不満がなければ、よく話したことのない人をわざわざ批判したりしないでしょう。人を批判することで、自分のストレスを発散しています。
仕事ができる
仕事ができる人は、自信がない人から嫉妬されやすいです。自信がない人は、優秀な人が側にいると劣等感が刺激されます。そのため、自分を嫌な気分にさせる人を排除しようと八つ当たりすることがあります。
仕事ができる人に八つ当たりする人は、相手の悪口や嫌味を言うのが特徴です。相手をけなし、評価を下げようとすることがあります。あるいは、仕事ができる人に自分の仕事を押し付けるなど、嫌がらせの形で八つ当たりする人もいます。
八つ当たりされたときの対処法
距離を置く
八つ当たりしやすい人がイライラし始めたら、その場から離れましょう。近くにいると八つ当たりされやすくなります。わがままが多い、機嫌が悪いことが多いなど、八つ当たりする人には特徴があります。
八つ当たりされなくても、イライラした雰囲気の人が近くにいると、自分もストレスを感じやすくなるでしょう。近寄らなければ、嫌な気分になることもありません。別の部屋に移動するなど、できる限り距離を取りましょう。
相手にせず受け流す
八つ当たりされたときには、相手にせず受け流すようにしましょう。仕返しすると更に相手を怒らせてしまいます。八つ当たりする人は、相手にすると更に八つ当たりしてくることがあります。
嫌なことを言われたときも真に受けずに、聞き流してください。しつこい場合は、無視して聞こえない振りをするのも対処法です。
物に八つ当たりする人がいるときは「何で怒っているの?」とすぐ聞かない方が良いです。物に当たる人は、構ってほしいために物を乱暴に扱うことがあります。すぐに心配して声をかけると、構ってほしい度に、八つ当たりして癖になる可能性があります。
相手の態度を改めてほしいときは、相手のストレスが落ち着くまで待ってみましょう。物に当たるのでなく、言葉で説明してほしいと言ってみましょう。
本人も後悔していることがあるので、話を聞き入れて反省してくれる可能性があります。
指摘する
あまりに酷いことをされたときには、指摘するのも対処法です。ただし、指摘するときは感情的にならないように注意しましょう。「八つ当たりするな!」と感情的に言うと、言い訳を始めたり、逆切れされる可能性があります。
八つ当たりしているときは、頭に血が上っている状態です。相手の態度を指摘するときは、落ち着いてからにしましょう。怒っているときに指摘しても、話を聞いてくれない可能性が高いからです。
指摘するときは冷静に「怒っても何も変わりませんよ」と八つ当たりが無意味であることを伝えましょう。または「私に言われても困ります」のように、自分に八つ当たりしないでほしいことを伝えましょう。
指摘されて初めて、自分が八つ当たりしていることに気づく人もいます。
パワハラ相談する
職場で八つ当たりしてくる人がいる場合は、相手の上司に相談しましょう。上司から八つ当たりされている場合は、上司より上の立場に当たる人に相談してください。
相手と直接話すのはおすすめしません。八つ当たりしてくる人と話しても、気にしすぎだと言われてしまう可能性があります。
八つ当たりの程度によっては、パワハラに当たる可能性もあります。どんなことをされたのか、具体的に説明してください。
上司に相談できなければ、カウンセリングを受ける対処法もあります。産業カウンセラーに相談できる会社であれば、カウンセリングを受けて相談してみましょう。
自分を変える
八つ当たりする人の性格は簡単に直らないので、自分が変わりましょう。相手への接し方を変えたり、見た目を変えるなどの対処法があります。
自己主張しない人は、八つ当たりしやすい人だと思われやすいです。嫌なことをされたら「やめてください」と言うことも大切です。
感情的に言うと喧嘩になりやすいので、毅然とした態度で発言することが大切です。また八つ当たりする人から目を付けられないよう、日頃から自分の意見を言うようにしましょう。
女性の場合、童顔で八つ当たりされやすい人は、化粧や服装を変えてみましょう。幼い雰囲気があると、偉そうな態度を取られたり、八つ当たりされやすくなります。クールな印象に見えるメイクをする、落ち着いたトーンの服を選ぶなど、大人びた雰囲気のコーディネートを意識してみてください。
八つ当たりして後悔したときの対処法
自分がイライラしてつい八つ当たりしてしまったと後悔することもあるでしょう。八つ当たりして相手を怒らせてしまった場合の対処法についても解説します。
謝罪する
まずは、八つ当たりした相手に謝罪しましょう。そしてなぜ八つ当たりしたのか理由を説明してください。ただ謝罪だけしても、相手は許してくれない場合もあります。
「自分は八つ当たりする癖があるから許してほしい」のように謝るのは良くありません。八つ当たりされた側からは、言い訳のように聞こえてしまいます。
「二度と八つ当たりはしない」のように、同じことを繰り返さない気持ちを伝えることが大切です。
八つ当たりしないと約束する
八つ当たりした人に、同じことを繰り返さないことを約束してください。八つ当たりした人だけでなく、日頃から人や物に当たらないように気をつけましょう。
頭に血が上ったときは、人や物のない場所に移動するなど、八つ当たりできないようにすることも大切です。
ストレスを感じたときは八つ当たりして発散するのでなく、別の方法を見つけましょう。趣味を持つ、運動するなどポジティブなやり方でストレスを減らしてください。
八つ当たりにメリットはない
八つ当たりを続けても、人が離れていくだけです。八つ当たりする癖がある人は、人間関係が壊れる前に性格を見直した方がよいでしょう。八つ当たりされやすい人も、ご紹介した対処法で自分にできそうなことを実践してみてください。