「引きこもり=悪いこと」と世間一般では捉えられがちですが、引きこもりの人の中には自営業や在宅ワークでお金を稼いだり、しっかり自己管理をしながら生活している人もいます。また引きこもりの定義も曖昧で、全く外に出ない人を引きこもりというだけでなく、食事の買い物など必要最低限の外出しかしない人も引きこもりに当てはまると考えている人もいます。人によって認識が違う引きこもりという言葉ですが、本当に引きこもりは悪いことばかりなのでしょうか。

引きこもりのメリットは?

節約になる


引きこもりの人は必要最低限の用事以外では外に出ないので、それだけ無駄な出費もなくなります。在宅ワークなどをしてお金を稼いでいる場合は稼いだお金も生活費以外に特に使い道がないので、自然とお金がどんどん貯まっていきます。

紫外線対策になる


引きこもりの人は基本的に家から出ないため、無駄な紫外線を浴びることがありません。そのため引きこもりの人は、色白で綺麗な肌をしている人が多かったりします。ただし夜更かしや食生活の乱れなど生活環境の管理ができない人は、ストレスからニキビや肌荒れを起こしている人もいます。

トラブルに巻き込まれにくい


引きこもりの人は、会社の人間関係のトラブルに巻き込まれることがありません。引きこもりで自営業の人の中には、会社の人間関係が面倒だと思うことから自分で開業する人もたくさんいます。

また、引きこもりの人は交通事故などの交通トラブルにも巻き込まれにくいです。外に出ない分、朝夕の電車のラッシュや車の渋滞にも巻き込まれにくくなります。

自由に時間が使える


引きこもりの人は会社に行かなくても良いため、自由に好きなことに時間を使うことができます。しっかり自己管理ができれば、勉強や趣味に時間を費やして自己成長のために時間を投資することができます。

ただし、ただ何となく引きこもりを続けている場合は、最初は自由に時間が使えることに幸福感を感じるかもしれませんが、次第に毎日暇な時間の繰り返しになり、憂鬱な気分に陥りやすくなります。

引きこもりのデメリットは?

時間・日付の感覚が分からなくなる


引きこもりの人のデメリットは、日付の感覚が分からなくなることです。日付の感覚が分からなくなってくると、時間の感覚も段々分からなくなってきます。引きこもりの人は日程や時間の管理をするクセをつけないと、体内時計が狂って自律神経失調症になる場合もあります。

筋力が低下する


引きこもりの人は外に出ないため、そのまま家で普通に生活しているだけでも筋力が段々落ちていきます。また筋肉は動かさないとどんどん固くなっていくため、肩コリや筋肉痛を起こしやすくなります。引きこもりの人は定期的に筋トレやストレッチをして筋肉を鍛えたり、筋肉をほぐす必要があります。

免疫力が落ちる


引きこもりの人は外に出ない分、外のウイルスに感染しにくいです。病気になりにくいのはメリットともいえますが、一度病気になると、普段外に出ない分、体が外からのストレスに弱くなっているため、病気が長引きやすいデメリットがあります。

電気代がかかる


引きこもりの人が家にいてテレビやネットをしている場合は、会社で仕事をしている人よりも電気代がかかります。更に夏場・冬場はエアコンやストーブなどの電気代がかさみます。

コミュニケーションの取り方が分からなくなる


長い間引きこもっていると、人とのコミュニケーションの取り方を忘れてしまい、ぎこちない表情や態度になりがちです。引きこもっていても外に出れば次第にコミュニケーションの感覚を取り戻しますが、対人恐怖症などの心理的なストレスや不安の症状がある場合、心療内科や精神科で治療を受けながら引きこもりを克服する場合があります。

ネガティブになる


引きこもることで外の世界から隔離された状態になるため、ネガティブになりやすいデメリットがあります。引きこもりの人で家に出ることが難しい人は、まずは自宅でできる気分転換になる趣味を持つことで、ネガティブな気持ちを切り換えることができます。

自宅ですぐに始められる趣味といえば絵を描く、読書、小説を書く、ストレッチをするなどの趣味があります。テレビや動画を見るのが趣味という人もいますが、番組を見るのは受け見な行動なので、自分から意欲的に行動して取り組むような趣味を持つことで、前向きに過ごしやすくなります。

引きこもりの人の中には趣味が高じて仕事になる人もいます。芥川賞を受賞した田中慎弥さんも、15年の引きこもりの間、本を読み続けて小説を書いていたそうです。最初から作家になりたいと思って書いていたわけではないそうですから、夢を追って作家になったというよりも、趣味が高じて作家になった人であるといえます。

自分で作った作品をネットで公開したり、コンテストに出品するのもおすすめです。ブログで小説やマンガを公開して書籍化されることもありますし、コンテストを受賞すると作家としてデビューできる他、賞金をもらうこともできます。

「受賞なんて難しいだろう」と思う人は、まずは自分で作った作品をブログやSNSにアップすることで、作品を通じて他の人とコミュニケーションを取ることができるので、まずは「人に見せる」ことを目標に作品作りをしてみるのもおすすめです。

引きこもり自体は悪いことではありません


引きこもること自体は悪いことではありません。人生100年生きると考えれば、その内の数十年引きこもっていたとしても、それはそれで人生経験になります。

ただし引きこもりで無職の人の場合は、自分でお金を稼げるようにならないと、いつまでもその生活は続きません。今誰かに養ってもらっている人は、引きこもっている間に自分でどうやってお金を稼ぐのかしっかり考えておくことも必要です。