いい子ちゃんとは、幼少期から周りの人に嫌われないよう気を遣ってきた人です。
他人の気持ちばかり優先してしまう、人の頼みを断れないなど、自己犠牲が多い人はいい子ちゃんの可能性があります。
いい子ちゃんになる人の特徴や原因について解説します。
いい子ちゃんの特徴
人目を気にする
いい子ちゃんは、他人からどう見られるかを強く気にする人です。
人から良く思われたい、嫌われたくない気持ちから人の顔色をうかがいます。
人に好かれるためなら本心を隠したり、自己犠牲をすることもあります。
自己犠牲する
いい子ちゃんは人の頼みを断ることが苦手です。
自分さえ我慢すれば周りが幸せになると思えば、嫌なことでも我慢します。
断れば嫌われると思っているので、皆がやりたくないことも代わりに引き受けます。
人に頼れない
いい子ちゃんは人を助けることができても、自分は人に頼れません。
自分が人に頼ることは迷惑をかけることと考え、なるべく自分で解決しようとします。
真面目で責任感が強いので、ギリギリまで自分一人で悩みを抱え込んでしまうことがあります。
長男長女
長男長女はいい子ちゃんになりやすい傾向があります。
一人っ子の場合は親の期待を一身に受ける、弟妹がいれば面倒を見るという環境から、真面目で責任感が強い気質になりやすいです。
優しい人ほど家族のために我慢し、自己犠牲してしまいます。
優等生
いい子ちゃんは人から良く見られようと努力しているので、真面目、優秀など、信頼されている傾向があります。
また他人を優先するいい子ちゃんは事なかれ主義で雰囲気に流されますが、正義感が強い人は間違っていることは間違いと言う、悪口を言う人を注意するなど、悪いことはそのままにできない人もいます。
自己肯定感が低い
いい子ちゃんは自己肯定感が低い傾向があります。
どれだけ優秀な人であっても、「優秀でいなければ自分に価値はない」「努力しなければ誰も自分を評価してくれない」のような強迫観念を持っています。
いい子ちゃんが努力するのは、ありのままの自分を認められないからです。
完璧主義
いい子ちゃんはできる自分に価値を感じているので、何かに失敗すると酷く落ち込みます。
人からどう見られるか、評価されるかを基準に生きてきたので、自分軸が振れやすくメンタルが弱いです。
絶対に誰からも嫌われたくないなど、極端な理想を持っていることもあります。
何かに失敗したり、他人に嫌われると「自分は駄目な人間」「こんな自分には価値がない」のようにネガティブに陥り、立ち直るまでに時間がかかります。
自分の気持ちが分からない
いい子ちゃんは、自分の気持ちが分からなくなっていることがあります。
自分の気持ちより他人の気持ちを優先してきたので、自分の感覚で生きることを忘れてしまっています。
そのため誰かの指示や承認がなければ行動できない人もいます。
親の気持ちを優先してきた場合は、親の価値観が自分の価値観となっており、共依存になっていることがあります。
感情表現が乏しい
いい子ちゃんは自分の気持ちを後回しにしてきたため、自分の感覚・感情が鈍くなっていることがあります。
そのため感情表現が乏しく、何を考えているか分からないと思われがちです。
親子関係によっては、虐待されないために大人しくしていたなど、自己防衛のために心を無にする習慣がついている場合もあります。
二面性がある
いい子ちゃんによっては、強者には媚びますが、弱者には冷たい態度を取ることがあります。
いい子ちゃんは強い人の前では大人しくしていますが、ストレスの反動で弱い立場の人に当たることがあります。
真面目で優秀な人が陰でいじめをしていたというように、二面性を持つようになってしまうことがあります。
いい子ちゃんになる原因は?
いい子ちゃんになる原因の多くは、幼少期の環境が影響しています。
いい子でいなければ親から愛情を貰えなかった、世間体を気にし過ぎる親だった、大人しくしてないと暴力を振るわれたなど、親の接し方によっていい子ちゃんの人格がつくられていきます。
また支配的な親に育てられても、それに反発する子ならいい子ちゃんにはなりません。
親の言うことを守り、家族のことを考えられる真面目で優しい人、責任感のある人がいい子ちゃんになりやすいです。
いい子ちゃんが苦手・嫌いと思われる理由
いい子ちゃんの態度が気に入らない
いい子ちゃんは人のために尽くせる優しい人が多いですが、そうした態度を嫌う人もいます。
献身的な態度を「人に媚びるためにわざとやっている」と解釈する人もいるからです。
本心から人のために尽くしていたとしても、ネガティブな見方をする人からは嫌われてしまいます。
いい子ちゃんを演じている
周りの人に好かれるために、やたら気を配る人は苦手だと思われてしまうことがあります。
気に入られるためにやらなくて良いことまでやろうとするなど、わざとらしいアピールは、かえって嫌われる原因になってしまうことがあります。
いい子ちゃん過ぎて信用できない
仕事は完璧にこなす、愚痴も悪口も一切言わないなど、あまりに優秀だとそれを演じているだけ、気に入らないという風に見る人もいます。
人は欠点が見当たらない人には、かえって不信感を覚えることがあります。
完璧な人などいる訳がない、無理をして演じているだけではないのかという違和感から、苦手意識を持たれてしまうことがあります。
正論しか言わない
正義感のあるいい子ちゃんは間違っていると思うものは否定して、自分の考える正しさを人に押し付けてしまうことがあります。
他人の事情を理解しようとせず正論ばかり振りかざしていると、思いやりのない自己中心的な人と思われてしまいます。
何を考えているか分からない
いい子ちゃんは他人の意見を優先したり、その場の雰囲気に合わせて自分の意見を言わないので、何を考えているか分からないと思われることがあります。
嫌われないために人に合わせますが、意見を言わないところが何でも他人任せに見えたり、八方美人に見えて信用ならないと思われます。
人により態度を変える
二面性のあるいい子ちゃんの態度を見れば、信用できる人とは思えないでしょう。
目上の人の前ではいい子ちゃんでいても、目下の相手には一切思いやりがないなど、人により態度を変えるいい子ちゃんは嫌われてしまいます。
いい子ちゃんでいるのに疲れたときの対処法
疲れる人と離れる
いい子ちゃんは人の頼みを断ることができないので、都合の良い存在として扱われてしまうことがあります。
いい子ちゃんの嫌なことにも反発せず従う、空気を読めるなどの性格は、依存的な人やモラハラ気質のターゲットにされやすいです。
自分を押し殺してまで、誰かに尽くす必要はありません。まずは自分を大切にしましょう。
誰かを助けるときは、自分も余裕を持てる範囲にすることが大切です。
自分の体力、精神力を奪ってくる人の頼みは断るか、距離を置くことをおすすめします。
自己肯定感を持つ
いい子ちゃんは自分の価値を認めていないので、人からどう評価されるか敏感になります。
いい子ちゃんで生きてきた人なら、わざと他人に害を与えるようなことはしてこなかったと思われます。
- 自己犠牲する→優しさ、思いやり、忍耐力がある
- 人の顔色をうかがう→他人が何を考えているのか察することができる、空気が読める
など、いい子ちゃんの気質も見方を変えれば良い面はあります。
そういう自分の良いところを見つけては認めて、自己肯定感を持つことが大切です。
自分の意見を言う
いい子ちゃんは他人を優先し過ぎるので、気を遣い疲れてしまいます。
嫌なことは嫌だと言うように、自分の正直な気持ちを言うことが大切です。
普段から人のことを考えているなら、周りの人も話を聞き入れてくれると思います。
自分の意見を言ったときに、それを否定して自分の意見を押し付けてくる人はパワハラ、モラハラ気質であることが多いです。
正直な意見を言うことは、自分を利用しようとする人を見分け、離れられるきっかけになります。
人に頼る
いい子ちゃんには人に頼るのが苦手な人がいます。
しかし自分一人で何でもやろうとすると効率が悪くなったり、疲れが溜まりやすいです。
自分一人では無理だと感じるなら、周りの人に助けを求めることも大切です。頼ることは相手への信頼や尊敬の気持ちを表すことでもあります。
どうしても頼ることが苦手ならお金を払って助けを借りるなど、抵抗感のない形で頼ってみるのも良いでしょう。
無理に直そうとしない
いい子ちゃんでいるつもりはないのに、「いい子ちゃんな態度がむかつく」のように言われてしまう人もいるでしょう。
真面目な人はそういうことを言われると、「自分の何がいけないのだろう」と自分を責めてしまうことがあります。
自分でいい子ちゃんを演じているつもりがないのなら、批判してくる人とは性格や価値観が合わないだけで、無理に性格を変える必要はありません。
合わない人とは離れるか、なぜ批判してくるのか質問してみると、相手と自分の考え方の違いが分かるでしょう。
人間関係で大切にすることを考える
いい子ちゃんでいようとするほど嫌われてしまうこともあり、全ての人から好かれるのは不可能なことです。
嫌われないようにいい子ちゃんでいても、「真面目過ぎるのが苦手」「優等生のような態度がむかつく」のように嫌ってくる人はいます。
他人からの評価を気にし過ぎるときりがなく、自分軸も曖昧になります。
「人には丁寧に接しても、それで好かれようとは思わない」「自分の大切な人に好かれていればそれで良い」など、自分の人間関係で大切にすることを考えてみましょう。
自分の気持ちと親の気持ちを区別する
親子関係が原因でいい子ちゃんになっている人は、自分より親の気持ちを考えていることがあります。
「こんなことをしたら親がどう思うか」「親に怒られそうだからやめよう」のように考える癖があるなら、立ち止まって考えてみましょう。
自分の人生は親のものではありません。自分がどう思うか、何をしたいかの方が大切です。
親の気持ちと自分の気持ちを混同せず、自分の気持ちはどうなのかを考える意識を持ってみましょう。