心が貧しいとは、内面の豊かさがないことを意味します。
心の貧しさは自分を不幸にするだけでなく周囲にも悪影響を与え、嫌われてしまう原因になることがあります。
心が貧しい人の特徴や、心が豊かな人との違いについて解説します。
心が貧しい人の特徴
自分と他人を比べる・嫉妬深い
心が貧しい人は他人の幸せを喜べず、不幸であれば喜びます。
自分以外の誰かが幸せそうだったり、成功すれば、嫉妬したりイライラするのが特徴です。
嫉妬心が強い場合は相手が不幸になるよう嫌がらせや悪口を言うなど、足を引っ張ろうとすることがあります。
強欲
心が貧しい人ほど欲深い面を持っています。
誰よりも目立ちたい、お金持ちになりたい、モテたいというように、常に欲しいものを求め続けています。
自分には足りないものが多いと思っているので、渇望を抑えることができません。
小さな幸せでは喜べない
心が貧しい人は、何事にも感謝の心がなく当たり前のように考えていることがあります。
小さな幸せでは「これくらいのことで喜ぶなんて馬鹿馬鹿しい」というように満足できません。
大きな幸せばかりを求めているので、日頃の幸せに気付かないのが特徴です。
不機嫌
心が貧しい人は、心根が表情や雰囲気に表れていることがあります。
いつも不機嫌そうでイライラしている、ネガティブな発言が多い、八つ当たりするなど攻撃的です。
自分で自分の機嫌を取ることができないので、ストレスを溜めていきます。
差別意識がある
心が貧しい人は偏見が強く、人種や性別、年齢などで差別します。
自分と違った価値観を持つ人を尊重しないので、視野が狭いのが特徴です。
自分の常識が世間の常識であるかのように思っていると、自分の価値観を押し付けてくることがあります。
視野が狭い
視野の狭さが心を貧しくすることがあります。
「~に決まっている」「~でなければ駄目」のような一つの考えに捉われていると、他の可能性に気付かないので心に余裕がなくなります。
プレッシャーに弱い場合、一つの選択肢しかないと思っていると失敗が怖くなり、ストレスや不安感で追い詰められます。
負けず嫌い
心が貧しい人は、物事を勝ち負けで判断していることがあります。
勝負心が悪い訳ではありませんが、勝ち組になりたい気持ちの強さが心を貧しくすることがあります。
「○○を持っている人は勝ち組」のように何でも比べると、優劣の判断に振り回されるので安心感を得られません。
お金や時間にうるさい
心が貧しい人は損得勘定が強く、自分が損することを嫌います。
損しないために自分がもらうこと、あるいは奪うことばかり考えています。
お金や時間を無駄にしないのは堅実さともいえますが、行き過ぎれば心が貧しくなります。
謝らない
心が貧しい人は言い訳が多い、責任転嫁するなど自分から謝らないのが特徴です。
「謝る=負け、恥をかく」のようなイメージがあるので謝りません。
謝れば自分の何かを失うという思い込みが心を貧しくさせています。
ネガティブなことだけ覚えている
心が貧しい人は、人にしてもらったことよりも自分がしたことを覚えています。
そして見返りを求める気持ちが強く、なければ相手を嫌ったり恨みます。
また人から親切に、優しくされたことよりも、人からされて嫌だったことを覚えています。
自分が損したことや嫌な思い出ばかり覚えているので、心が貧しくなっていきます。
自慢が多い
心が貧しい人は、自分をよく見せたい気持ちが強い人です。
自分の学歴や職業、収入などを自慢し、いかに自分に魅力があるかをアピールします。
満たされない気持ちがあるからこそ、皆から褒められたり、認められることで自分を満たそうとします。
心が貧しい人の原因
ネガティブ思考
自分にあるものではなく、ないものにばかり目を向けている人は心が貧しくなります。
「私には~がない」「~さえあれば幸せなのに」と、ないものばかり数えているので、不満ばかり増えてストレスが溜まっていきます。
プライドが高い、人の話を聞かない
心が貧しい人はプライドが高く、自分はいつも正しいと思っていることがあります。
自分と違う意見を持つ人がいれば否定したり、相手の考え方がずれていると解釈するので、視野が狭くなっていきます。
適切なアドバイスをされても偉そうに命令された、プライドを傷つけられたと反感や被害者意識を持ち、素直に聞き入れる気がないことも心が貧しくなる原因です。
依存的
心が貧しい人は、自分で人生を楽しくしようとする気がない人です。
新しいことに挑戦したり、気分転換になることをするなど、できることから始めてみようとする気がありません。
自分で行動したり努力するのは面倒なので、誰かに自分を楽しませてほしいという依存的な欲求があります。
承認欲求が強い
心が貧しい人はありのままの自分には価値がないと思っているので、承認欲求が生まれます。
何かが不足している自分では、自分を満たすことができないと思っているので、人から認められることで満たそうとします。
認められたい、注目されたい気持ちが強いほど自分をよく見せようとしたり、人を見下します。
外面だけを見ている
心が貧しい人は、地位、収入、容姿など外面だけで人を判断します。
しかしそれらは景気、災害、事件、事故などで一瞬で変化することがあるものです。
目に見えるものに執着するほど失ったら終わりという不安が生まれ、奪われたくないので疑心暗鬼になる、奪い取ろうとする、人を見下すというように、心が貧しい人の生き方になっていきます。
心が豊かな人の特徴
欲深さがない
「足るを知る者は富む」という言葉があるように、心が豊かな人は欲張りません。
人の欲はきりがないので、求めれば求めるほど心は飢えていきます。
必要以上に物を持たない、お金を使い過ぎないというように、身の丈に合った生活をしています。
謙虚
心が豊かな人は自分を過大評価したり、自慢することはありません。
自分を等身大で受け入れているので、大きく見せる必要がないからです。
自己主張せず、周囲の人やもののおかげで生かされているという謙虚さがあります。
内面を見ている
心が豊かな人は、物事の外面より内面を見ています。
心が貧しいほど上辺だけを飾り立てて、それに強く執着します。
相手の人間性、何を大切にしているか、夢や目標はあるかなど、簡単に変えられる部分よりも、簡単に変わらない性質の方を重視しています。
物に執着しない
心が豊かな人は、他人やものに強く執着しないのが特徴です。
既に満ち足りているという気持ちがあるので、何かにしがみつく必要がないからです。
何かを独り占めしたり奪うようなことはせず、人に譲ったり分け与えることができます。
他人の幸せについて考えられる
心が貧しいほどせわしなく、自分が得する、奪うことばかり考えますが、心が豊かな人はその反対です。
精神的に安定して余裕があり、周囲の人に愛情を与え、大切にしようとする思いやりがあります。
自分だけ幸せになれば良いではなく、他人も幸せになってほしい気持ちがあるのが特徴です。
冷静・落ち着いている
心が豊かな人は今の状態で満ち足りていると思っているので、穏やかな雰囲気があります。
心に余裕があるので、自分と他人を比べて焦ったり、嫉妬する心が起こりません。
たとえ嫌なことがあってもそれを前向きに捉えようとしたり、自分でアイデアを考えて解決しようとするなど、感情的にならないのが特徴です。
違う意見・価値観を尊重する
心が豊かな人は、自分と違う考えを持つ人を尊重できます。
自分と違うからと言って否定したり差別したりせず、たとえ受け入れられないものでも、そういう考えを持つ人もいると尊重します。
否定しないからこそ色々な人がいるものだと視野が広がり、心の豊かさにつながります。
心を豊かにする対処法
自分を大切にする
自分を大切にしていない状態で、他人のことを大切にはできません。
他人ばかり優先して自己犠牲していると、自分の気持ちを無視しているので心が貧しくなります。
損得勘定で判断したり、承認欲求が目的で行動するよりも、自分が心からやりたいと思うことをやってみることも大切です。
体験談を聞く
「~さえあれば幸せ」という条件付けをしていると、ないなら不幸せという考えに陥ります。
「~さえあれば幸せ」という気持ちがあるなら、自分の欲しいものを手に入れた人が本当に幸せになっているのか調べたり、話を聞いてみましょう。
例えば結婚して幸せを感じる人もいれば、家族関係や不自由さに悩む人、お金持ちになって充実している人もいれば人間不信になる人もいるというように、物事には向き不向きがあります。
体験談を聞くことで視野が広がり、自分の幸せとは何なのかを考えるきっかけになります。
複数の選択肢を持つ
「この方法しかない」「こうでなくてはならない」のような一つの考えにこだわり過ぎず、複数の選択肢を考えてみましょう。
「本当にこの方法しかないのか」「こういうやり方もあるのでは」とアイデアを出したり試行錯誤することで、発想力が鍛えられます。
幸せを比べない
自分と他人の幸せを比べて、相手より足りないものがあると思うと心が貧しくなります。
幸せな人が増えれば心が豊かな人が増え、幸福が広がっていくというように、視野を広げて考えてみましょう。
幸せは比べるものでなく広がっていくもの、個人の幸福だけに目を向けるのでなく、全体の幸福として捉えると比べる意識は消えていくでしょう。
他人を否定しない
他人の考えが自分と違うものであっても、とりあえず話を聞いてみましょう。
「いや、それは違うよ」「でも普通は~」のように否定から入ると、相手からも嫌われる原因になります。
自分と違う価値観を持つ人の話を聞いてみることで、自分では思いつかないようなアイデアを得ることもあります。
良いものはどんどん取り入れていく、悪いものは反面教師にするなど、人生を豊かにするヒントとして捉えてみましょう。
内面に注目する
人と会うときは、その人の外面より内面に意識を向けてみましょう。
外面にもその人の人柄は表れますが、目に見えるものは簡単に取り繕うこともできるものです。
相手の見た目や肩書よりも、人柄やオーラ、どういう価値観を持っているかなど、目に見えないところに意識を向けてみましょう。
色々な人を知ることで視野が広がり、見る目が養われることで悪人を見分け、不幸を避けることができます。
知識を得る
視野の狭さが心を貧しくすることがあるので、知識や経験がある人から学び取る意識も大切です。
興味のある分野で著名な人の話を聞きに行く、本を読むなど知識を得ることで視野が広がります。
また偉人と呼ばれる人々は厳しい時代を生き抜いた人達であり、先人の生き方や価値観、知恵からも学べるものはあります。
より多角的な視点を持ち、知識や感性を豊かにしたいと思うなら歴史書や人物伝を読むこともおすすめします。
人の成功から学ぶ
他人の成功を妬む人は、成功という結果しか見ていないので嫉妬心が起こります。
しかし成功する人ほど、見えないところで努力しているものです。
本人は自分のやりたいことをやっているだけなので努力している自覚がなく、どれだけ行動しているかアピールしないので、何の努力もなく成功したと誤解されていることがあります。
また成功者はピンチもチャンスに変えようとするポジティブ思考の人が多く、不満を言わないので苦労していないように見えることがあります。
妬むよりもなぜその人が成功できたのかを学ぼうとする方が、人生を豊かにしてくれるでしょう。