職場、夫婦、親子間のトラブルで、最近よく話題になるのがモラハラです。モラハラな態度を取る人は相手を傷つけ、精神的に追い込むことで自分の言いなりにさせようとする心理があります。
では、なぜモラハラ男女はそのような行動を取るのか、モラハラ男女の特徴と心理や対処法についてご紹介します。
モラハラとは?
モラハラ(モラルハラスメント)とはモラル(倫理・道徳)に反したハラスメント(嫌がらせ行為)のことです。モラハラに当たる行為としては、暴言で相手を罵る、嫌味を言う、相手を貶めるような言葉や態度を取るといったものがモラハラに当たります。
モラハラと並んでパワハラという言葉がありますが、パワハラは「同じ職場で働く人に対して、自分の立場を利用して精神的・身体的苦痛を与える行為」を強要することです。
一方モラハラは職場の上司とのトラブルだけでなく、夫や妻、親と子など家庭環境でも起こり得るものとなっています。
モラハラに当たる行為・チェックリスト
一般的にモラハラと言われる行為には、以下のようなものがあります。
- 相手の良いところ、努力や成果を認めない
- 自分の間違いを認めない
- 嫌味、悪口など相手を貶める暴言を吐く
- 相手に嘘を吐く
- 相手を異常に束縛する
- 相手の悪口を言いふらす
- 相手を無視する
- 睨む、嗤うなど相手を馬鹿にする態度を取る
- 仕事に必要なことを伝えない
- 仕事を与えない
- プライベートなことをしつこく聞いてくる
上記のような行為を日常的にしてくる人はモラハラ男女の可能性があり、長期間一緒にいることで自分がストレスをため、深刻なものではうつなど病気を発症する場合もあります。
では、なぜモラハラ男女はこのような人から嫌われるような行動を取るのか、その特徴や心理についてご紹介します。
モラハラ男女の特徴と心理
人目を気にする・プライドが高い
モラハラ男女は周囲の目から自分がどう見られているかということを非常に気にしています。また、プライドも高く人前で失敗したくない、醜態を晒したくないという思いも強く、常にストレスを抱えている傾向があります。
そうしてためたストレスを、モラハラ男女は親しい人にぶつけるようになります。モラハラ男女は親しい人だからこそ「この人だったらストレスをぶつけても良い」という甘えの心理が生まれるので、嫌味を言ったり嫌がらせをするなどの八つ当たりをしてきます。
外面が良い
モラハラ男女は人目や評判を気にするため、初対面の人や身内以外の人には優しく、外面が良い傾向があります。
ただし、親しい関係になると徐々に相手に道徳や倫理に欠ける言葉を使うようになります。それは、日頃抱えているストレス発散の八つ当たりや、自分が相手より優位でありたいという心理からくるものです。
モラハラ男女は自分がどれだけ多くの仕事をしているかなど、自分の努力を認めてほしい言葉は言いますが、相手の努力や美点は認めず、一方的に否定します。それは「自分は相手より優れていなければならない」という気持ちが強いからです。
同情を誘う
モラハラ男女と親しくなってくると自分が幼少期にどれだけ辛い人生を送ってきたとか、仕事でどれだけ辛い思いをしているかなど同情を誘うようなことを話すことがあります。
そうして可哀想だと思い自分に寄り添ってくれる人に対して、徐々にモラハラな態度を取り始めるようになります。モラハラ男女にとって同情心のある人、思いやりのある人は利用しやすく、苦労話を聞かせて同情を誘い、相手の心を自分のものにしようとする心理があります。
怒りで洗脳しようとする
モラハラ男女は親しくなった人に対して気に入らないことがあると、そのことを責め立てて怒ります。口で言うこともありますが、乱暴に物を置く、扉を閉めるなど無言の態度で相手を威圧することもあります。
無言の態度で威圧することをサイレントモラといい、受けた被害を記録することが難しいため悩みを抱え込んでしまう人も多いのが、このサイレントモラのトラブルです。
このようにモラハラ男女はさまざまな手段で相手に自分への恐怖感を植え付けることで、相手を自分の言いなりに洗脳しようとする心理があります。
モラハラ被害を受けやすい人とは?
モラハラ被害に遭いやすい人には、似たような性格の共通点があります。
- 自己主張、言い返すのが苦手
- 真面目で責任感が強い
- 謙虚、自己評価が低い
- 自分より相手を優先する
- 場の雰囲気を読み取れる
- トラブルがあると自分を責める
- 自己犠牲をして相手に尽くす
以上のような傾向が多くある人は、モラハラ男女からターゲットにされやすいタイプの人です。モラハラ被害に遭いやすい人は真面目で他者に配慮できる素晴らしい性格なのですが、その性格の良さにモラハラ男女はつけ込んできます。
当てはまる項目が多い方は、モラハラの傾向がある特徴の男女が近づいてきたときにはなるべく寄せ付けない、関わらないように注意しましょう。
モラハラ男女への対処法
従わない
モラハラの被害に遭いやすい人は、相手の言うことに従ってしまう人です。嫌味や悪口を言われても黙ってしまい、自分だけを責めてしまう人は、モラハラ男女にとって格好のターゲットになります。
モラハラの被害に遭わないためには、罵倒されても反応せず、従わないことです。モラハラ男女は嫌がらせをして、相手がどういう態度、返事をしてくるかその反応を見ています。
相手にせず受け流すことで、モラハラ男女は相手が何を考えているか分からなくなり、逆にあなたの反応をうかがうように、気を遣うようになります。もしくは心の読めない人、冷静で怖い人だと思われ、徐々に相手から離れて行く場合もあります。
謝らない
モラハラ男女に嫌味や嫌がらせをされて何も悪くないのに謝ってしまうと、自分の言いなりになると思われて八つ当たりされやすくなります。
嫌がらせや悪口は無視するか、「そういう言葉(行動)はモラハラに当たる」「またそういうことをしたら今度は訴える」と相手に言いましょう。
モラハラ男女は自分に言い返してくる人、仕返しをしてくる人は面倒な人だと思うので、そういう人にはモラハラな態度は取らなくなるようになります。
モラハラ男女には服従するのでなく、何か言われたら言い返す、もしくは本人の上司や相談機関に被害を報告するのも対処法です。
記録・録音する
モラハラの被害を第三者に相談するには、その証拠が必要です。日頃からモラハラに当たるような言葉を言われているなら、スマホの録音やレコーダーを使って録音しておきましょう。
また、メールでのやり取りや画像、嫌がらせと思われる書類、メモなども消去せず、証拠として残しておきましょう。
サイレントモラのように証拠を残しておくのが難しい場合は、「何月何日にこういうことがあった」ということを日記に記録しておきましょう。日記の枚数が多ければ多いほど信憑性のある証拠として、相手を訴えるときにも有効なものとなります。
特技を身につける
モラハラ男女は自分より優れている、強いと思う人間には罵倒できません。自分に逆らわない人間だと判断した相手にのみ、嫌がらせをします。
例えば自分より社会的立場が高い、お金を稼いでいる、仕事ができる、才能がある、知識があるといった人、つまり自分にできないことができる人を脅威に感じ、敵わないと感じた人には下手に出る場合もあります。
モラハラ男女の中には相手の優れているところを認めず否定したり悪口を言う人もいますが、それは相手の美点を認めたくない現実逃避から出る言葉であって、心中では脅威を感じています。
もしあなたに仕事、趣味などで何か特技があるなら、それを磨いてモラハラ男女の前で披露すると、モラハラ男女は元々自信がない人なので、あなたにコンプレックスを感じて離れて行くか、脅威に感じて下手に出るようになるなど、態度が一変する場合もあります。
モラハラには服従しないこと
モラハラな態度を取られてつい謝ったり、機嫌を直そうと気を遣う傾向がある人は、モラハラ男女から利用されやすいタイプです。
「自分さえ我慢すれば…」という気持ちは、いつか精神的に限界が来ます。その限界が来る前に、受けた被害は細かく記録しておき、早いうちに相談支援センターや電話窓口などの相談所に行き、自分一人で悩みを抱えることがないよう行動に移しましょう。