職場に人間関係のトラブルばかり起こす人はいないでしょうか。

揉め事や問題を起こし、周りを巻き込む人をトラブルメーカーと言います。

トラブルメーカーな人の特徴や心理、対処法などを紹介します。

トラブルメーカーの意味は?

トラブルメーカーとは、人と意見が衝突しやすく喧嘩したり、悪い噂が絶えないなど、トラブルの原因になりそうな性格や考え方を持つ人のことです。


トラブルメーカーは自己中心的な面を持ち、自分勝手に行動して周囲の人をトラブルに巻き込むことがあります。

周囲の迷惑を考えないので、何をするかわからない人として目を付けられる、警戒されるタイプの人です。

トラブルメーカーの特徴

自信過剰

トラブルメーカーの人は、自信過剰なのが特徴です。

能力の有無に関わらず、自分を過信している人は、自信があるからこそ行き過ぎた態度を取りがちです。

「自分の考えていることが正しい」と信じて疑わず、それを人にも強要するため人間関係のトラブルを起こす特徴があります。


正義感が強い人、真面目で厳しい人は自覚なしに他人にも自分の正義を押し付けることがあり、悪気がないため厄介なタイプでもあります。

口が悪い

トラブルメーカーな人は、口が悪いのが特徴です。

日頃から人の悪口をよく話す、人の秘密をすぐ他人に話すなど、信頼されない性格をしています。

また、悪口を言っていることや秘密を話したことがバレたときに、人間関係のトラブルに発展することがあります。


また、口が悪い人は周囲の人もその性格を知っているため、トラブルに巻き込まれないよう周りから距離を置かれることがあります。

嘘をつく

トラブルメーカーの人は、嘘をつくのが特徴です。

嘘をつく人は、話を盛ることがあります。それは自分の話に興味を持ってもらいたい、もしくは自信のなさから自分が華やかな生活を送っているように見せるなど、承認欲求の表れから起こるものです。

トラブルメーカーの人は嘘の話でも興味を持たれれば嬉しいと思い、「もっと褒められたい、認められたい」と思うようになると歯止めが利かなくなり、嘘に嘘を塗り重ねていくようになります。


私生活を盛るなど、プライベートな嘘はバレなければ大きなトラブルにはなりにくいでしょう。

ただし、仕事で嘘をついたときは真実が明らかになると自分だけではなく他人、会社そのものに迷惑がかかります。

すぐに泣く

トラブルメーカーの人は、すぐに泣く特徴があります。

例えば仕事で少し注意されただけで泣いてしまう人は、悪気がなくても周囲からトラブルメーカーだと思われていることがあります。


どんな理由であっても、泣かせた方が悪いと思われやすいからこそ、すぐ泣く人は相手に気を遣わせてしまいまます。

泣いてばかりいると周囲の人からも「また泣いてる」と呆れられてしまい、場合によっては上司から注意されることもあるでしょう。

人との距離感が分からない

トラブルメーカーの人は、人との距離感が分からないのが特徴です。

「何歳ですか?」「結婚していますか?」「子どもはいますか?」など、何の遠慮もなく人のプライベートな話題に口出しする人は、相手の顰蹙を買います。


こうしたタイプは人との距離感が分からず、自覚がないトラブルメーカーです。

周囲から失礼な人、幼稚な人と思われますが、本人には全く悪気はありません。

人から失礼だと注意されてもその意味が分からず、相手の気持ちを考えられない場合もあります。

そのため誰にでも同じように失礼な発言をし、相手によっては喧嘩を売っていると思われトラブルに発展することがあります。

トラブルメーカーの心理

自分が正しいと思っている

自信過剰タイプのトラブルメーカーは、自分は正しい、間違っていないという心理があり、自分の意思を曲げないため人と衝突しやすくなります。

意志を貫くのは悪いことではないですが、自分が正しいと信じている人は、他人の発言には聞く耳を持たなかったり、相手の言うことは全て間違っているとはねつけます。


そこから相手の反感を買い、トラブルが生まれる原因になります。

自信がない

悪口や嘘が多い人は自分に不満が多く、自信がありません。

嘘をついてでも自分を良く見せないと馬鹿にされる、笑われたくないなどの恐怖心があり、素直な自分を見せることに自信のない人です。


悪口が多い人は本当は自分自身に不満があり、それを他人に投影して自分の嫌な面を悪口として話しています。

例えば「あの人は仕事はできるが、細かいことにうるさい」という人は、本当は仕事ができるその人のことをうらやましいと思っている心理がありますが、素直にそれを認めたくないために余計な悪口を言います。

仕事ができる人を素直に認められる人は「あの人は几帳面だからこそミスが少なく、仕事もできるんだ」という見方ができます。

自己中心的

すぐに泣く、人との距離感が分からないタイプの人は、自分のことしか考えられない人です。

すぐに泣く人はパニックになると、自分の考えや感情で頭が一杯になります。


距離感が分からない人は自分の関心事にしか心が向かず、相手の気持ちを考えられません。


自己中心的なので自分がトラブルメーカーになっている自覚がなく、同じことを繰り返します。




トラブルメーカーに考えられる病気・障害

反社会性人格障害

反社会性パーソナリティ障害の人は、社会のルールを無視し、それに罪悪感を抱かないのが特徴です。


規則を守らない、嘘をつく、物を盗む、人に暴力を振るうなどの行動を取ります。

境界性人格障害

境界性人格障害の人は情緒不安定で、少しのことでも癇癪を起こすなど、感情を制御できない特徴があります。

また、強いストレスがあると一時的に記憶を失い、自分のしたことを忘れていることがあります。

人から見捨てられることに強い不安があり、人に迷惑をかけまいと一人で頑張り過ぎたり、嘘をつくなど、かえって周囲を振り回すことがあります。


本人も生きにくさを自覚しており、辛い感情を抱えている場合があります。

自己愛性人格障害

自己愛性人格障害の人は、人から注目されたい気持ちが強く、傲慢な態度を取るのが特徴です。

自分のことだけを考えているので、他人の気持ちを考えない発言をします。

また、自分が賞賛されるためなら、人を平気で裏切ることもあります。

自分が一番でないと気が済まず、自分より優れていると思う人に嫉妬して悪口を言い触らすことがあります。


自分は特別であるかのような態度を取り、自己中心的に見られます。

統合失調症

統合失調症の人は人と関わることを嫌い、必要最低限しか関わらないようにすることがあります。

そのため会話するときに人と目を合わせないなど、相手に失礼だと誤解されてしまう態度を取ることがあります。


人によっては幻聴が聞こえることがあり、他人に悪口を言われたと思い、被害妄想を抱くことがあります。

妄想性人格障害

妄想性人格障害の人は、他人が自分を攻撃してくるような被害妄想を抱くのが特徴です。

他人が善意でしてくれたことも悪意のように受け取り、攻撃されたと感じます。

そして、攻撃されたと思う相手を許せず、仕返ししようとしたり、怒ることがあります。

強迫性人格障害

強迫性人格障害の人は、物事の進め方などに自分なりの強いこだわりを持っています。

完璧主義のように見えますが、そのこだわりが病的な場合は強迫性人格障害の可能性があります。

職場では締切より自分のこだわりを重視して仕事に遅れが出るなど、自分のこだわりに固執する傾向があります。

回避性人格障害

回避性人格障害の人は、自分が緊張やストレスを感じる場面を避けるのが特徴です。

失敗することに対して、強い恐怖感を抱いています。

苦手なことを避けるため積極的に仕事に取り組めず、苦手な業務を拒否したり、指示待ち人間になることがあります。

依存性人格障害

依存性人格障害の人は、他人への依存心が強いのが特徴です。

自分の判断で行動できず、他人の指示がないと行動できません。

他人に自分の面倒を見てもらいたいと考えており、自分には何も能力がないような発言・態度を取ります。


自分一人では何もできないと思っており、自信がないので他人に依存します。

演技性人格障害

演技性人格障害の人は、人から注目されたい気持ちが強いのが特徴です。

人気を獲得するため、職場で異性に対し思わせぶりな態度を取るなど、不真面目と思われる態度を取ることがあります。




トラブルメーカーの対処法

必要以上に関わらない

職場や家族など身近にトラブルメーカーがいる場合は、なるべく関わらないようにしましょう。

トラブルメーカーは自己中心的で、自分を守るためなら何をするか分からない面を持っています。

側にいるだけで自分が巻き込まれる可能性もあるので、普段から距離を置くことをおすすめします。

悪口に同意を求められても同調しない、秘密の話をされそうになったらその場を離れるなど、余計なトラブルに巻き込まれないよう自分を守ることを優先しましょう。

相手にしない

トラブルメーカーの人に失礼なことを言われても、相手にしないのが対処法です。

失礼な発言をされたら誰でも頭に来るものですが、そこでムキになると相手の態度に振り回されることになります。

自分のペースを保つには「また失礼なことを言っている」と呆れて相手にしないことを意識してみましょう。


いちいち失礼な言動に躍起になっていては、自分も相手と同レベルとなってしまいます。

失礼なことを繰り返す人は大体他の人にも同じことをしているので、周囲の人からも嫌われていたり、自分の発言で痛い目に遭うときが来ます。

自業自得で不幸になっていく可哀想な人だと思うようにし、聞き流すようにしておくのが無難です。

相談する

トラブルメーカーの人にあまりに酷い態度を取られた場合、その人の上司や親などに相談するのも対処法です。

相談するときは言われた日時や内容についてメモしておき、三人で話し合いがしたいと協力してもらいましょう。

自分と相手だけで話しても、相手に悪気がない場合は「謝る理由が分からない」と謝ってもらえない可能性もあります。

きちんと謝罪してほしいときは相手の目上に当たる人にも話に参加してもらうことで相手も言い逃れできなくなり、反省すれば失礼なことを言ってこなくなるでしょう。

病気だと考える

空気を読まない発言が多い、すぐ泣くなど情緒不安定な人がいる場合、その人は病気だと考えるのも対処法です。

聞くに堪えない言葉を言われたり、子どものように泣く態度を取られることが続くと腹も立つでしょう。

しかし、そうしたことがやめられない病気の人だと思えば、腹は立っても病人だから仕方ないという気持ちになります。


また、トラブルをよく起こす人の中には実際に人格障害があったり、精神的な病気を発症しているケースもあります。

家族の場合は一度病院へ連れて行くか、職場の場合は上司に相談したり、企業内カウンセラーに相談することも検討してみましょう。




トラブルメーカーの直し方

一人になる

職場でイライラしたり、泣きたくなったときは一人になれる場所へ行きましょう。

人前で怒ったり、泣いたりするのでトラブルメーカーだと思われます。

泣きそうになったらトイレに行くなど、事前に一人になれる場所を探しておくのがおすすめです。

価値観を押し付けない

トラブルメーカーな人は、自分の価値観を他人に押し付ける傾向があります。

仕事のやり方、恋愛観、人生の過ごし方など、あらゆる価値観は人によって違います。

何が良い・正しいと思うかは全員違うため、誰にとっても正しい価値観は存在しません。


特に正義感が強い人、真面目で厳しい人は無自覚に自分の価値観を押し付けてしまうことがあるため、自分の価値観で他人に発言していないか、日頃から注意してみましょう。

人の話を聞く

自信過剰な人は、人の話を聞かない傾向があります。

人と話し合うときは、自分の意見だけでなく、相手の意見もよく聞いてみましょう。

人は自分の意見を聞いてもらえなければ、相手の話を真剣に聞こうとは思わないものです。

相手の話に聞く耳を持てば、相手も自然と自分の意見を聞いてくれるようになり、トラブルも起こりにくくなります。

また、相手が自分と違った考えを持っていても、それを否定せず「そういう考え方もある」と相手を受け入れようとする姿勢が大切です。

言葉に気を付ける

普段から悪口を言ったり、口が軽い人は言葉に気を付けましょう。

悪口が本人の耳に入れば、相手と人間関係のトラブルになる可能性があります。

口が軽い人は、会社の機密情報などをうっかり話せば、会社に損害を与えたとして訴訟・解雇されることも考えられます。

自分のしたことは自分に返ってくるので、日頃の言葉遣いには気を付けるよう意識してみてください。

正直に話す

仕事でミスしたときは、嘘をつかず正直に話しましょう。

早い段階に報告することで、問題が小さいうちに解決しやすくなります。

一度嘘をつくと、嘘に嘘を重ねていき、問題がどんどん大きくなっていくこともあります。


問題が大きくなってから嘘をついたことが知られると、会社を解雇されるだけでは済まず、訴訟されることも考えられます。

ミスをしたときは正直に話し、謝罪してすぐに軌道修正するようにしましょう。

相談する

人間関係のトラブルをよく起こす原因は、心の病気や発達障害が原因になっている場合もあります。

気を付けていても、同じことを何度も繰り返してしまう場合は、一度病院に相談するのも対処法です。


一人で解決するのが難しいと感じたときは、専門家にも相談してみましょう。