仕事、勉強、家事などでやらなければならないことを後回しにしやすいところがありませんか?

やらなければならないことを後回しにすることが多い場合、「先送り症候群」の可能性があります。

やりたくないことを後回しにするのは性格のせいで変えられないと思うかもしれませんが、少しずつ考え方や習慣を変えていけば、先送り症候群は改善することができます。

先送り症候群とは?


先送り症候群とは、呼び名の通りやらなければならないことを後回しにすることで、別名「pcn症候群」とも呼ばれています。

誰でもやりたくないことは後回しにしたくなることはありますが、先送り症候群の場合は日常生活に支障を来たすレベルで物事を先送りしてしまいます。

仕事の締め切りが守れない、宿題が期限内に提出できない、家事ができないなど、やるべきことを後回しにする回数が多い場合、先送り症候群と考えられます。

先送り症候群になる人の心理

先送りにする癖がある


元々やらなければならないことをギリギリまでやらず、後回しにする癖のある人は、それが原因で先送り症候群に陥りやすくなります。

今までの自分の習慣を変えるのは難しいですが、先送り症候群を治すにはやりたくないことほど先にやっておく習慣へと変えていくことで、先延ばしにすることを防ぐことができます。

優柔不断である


先送り症候群になる人は物事の段取りが決められず、どれから片付けていくか迷っている内に、何でも先延ばしにしてしまう場合があります。

先送り症候群の人は日によって考えがころころ変わりやすく、予定を組んだとしてもそのときの気分でやることを変えたり、やっぱりやりたくないと後回しにしてしまうことがあります。

判断力のある人であれば、やるべきことを先に済ませ、後回しにしていいものは後でやるというように、自分がやることに順番を付けることができます。

やる気を出せない


先送り症候群の人は元々やらなければならないことにやる気を出せないところがあります。

やらなければならないと分かっていても行動に移すのが億劫になり、ついそのまま先延ばしにしてしまうところがあります。

やる気を出せず先送りにする習慣がついている場合は「やることを先に終えたら後は好きなことをする」というように、やることを終えたら後には良いこと、自由があると考え方を徐々に変えていくことで先送りする癖を予防できます。

不安を感じやすい


先送り症候群になる人は、行動を起こす前にあれこれ考え込んでしまい、一歩踏み出せず何でも先延ばしにするところがあります。

不安な状態のまま何も行動しないと、後回しにしていた分、不安はますます大きくなっていきます。

そのため、成功や失敗を気にし過ぎることをやめて、何事もとにかくやってみるという気持ちで取り組む姿勢が必要です。

完璧主義である


先送り症候群の人の中には、何でも完璧にやり遂げないと気が済まないという思いから、なかなか物事を片付けられない場合があります。

完璧主義な人は何事も結果だけでなく、結果に至るまでの過程も完璧にこなしたいという思いがあります。

そのため、仕事や家事などをしている途中で少しでもつまづいたり失敗すると、全てが駄目になったと思い、最初からやり直そうとします。

なかなか一度で全てが完璧に上手くいくことなどそうはないので、結果的にどんどん物事が先延ばしになってしまいます。

1つのことに集中できない


様々なことに気移りしやすい人の場合も、先送り症候群になりやすくなります。

気移りしやすい人は、勉強をしていればふと本や漫画が目に入って読んでしまったり、掃除をしている途中に昔書いていた日記を見つけて読みふけってしまうなど、今やるべきことから意識が外れてしまうところがあります。

気移りしやすい人は、仕事や家事など何かを始めるときは、気移りしやすくなるものを作業場の側に置かないことで気移りを防ぐことができます。

先送り症候群は病気?


先送り症候群そのものは病気ではありませんが、仕事や勉強、家事などで先送りすることが多く、日常生活に大きな支障をきたす場合は病気、障害の可能性もあります。

ADHD、アスペルガー症候群の症状として、1つのことに集中できない、または反対に1つのことにものすごくこだわるといったものがあります。また、計画的に物事を進めるのが苦手、整理整頓が苦手といった症状も先送りしやすい原因になります。

また、完璧主義が行き過ぎると強迫性障害という精神病を発症する場合があります。

強迫性障害とは何回も手を洗わないと気が済まず、肌荒れを起こすほどに手を洗う、家を出る前に水道の蛇口や鍵を締め忘れていないか気になって仕方がなく、何度も確認しに行くというように、病的に強いこだわりを持つ症状が表れます。

自分では気を付けているつもりなのに、なぜかいつも失敗が多い、強いこだわりを持ちやすく物事を進めることができないことが多い場合は病気や障害の可能性もあるので、精神科や心療内科を受診する必要があります。

先送り症候群を治す対策法

先送りしたらどうなるか考える


先送り症候群になる人は、先延ばしにした後のことは考えられないところがあります。

そこで、仕事や勉強などを先延ばしにしたらどうなるのかを考える必要があります。

仕事を先送りにして締め切りが守れなければ、自分だけではなく他の社員にも迷惑がかかります。締め切りを守れないことが多いと、場合によっては減給、解雇もあり得ます。

勉強を先延ばしにしていると試験で良い結果を出しにくくなり、進路にも関わってくるようになります。

やる気が出ず物事を先延ばしにしてしまう癖がある人は、「先送りした結果は大変なことになる」ともう少し危機感を持つ必要があります。

何も考えずやる


不安を感じやすい、心配性で前に進めないという人の場合は、何でも思い切って始めてしまう気持ちも大切です。

また、やる気が出ない人の場合もやる気が出なくても良いからとりあえずやるという気持ちを持って、行動に移すことが対策となります。

仕事でやる気が出なくてもとりあえず仕事の資料を見る、パソコンを開くというように、とりあえずやる気が出なくても仕事を始めようとする姿勢が大切です。

心配、やる気が出ないという気持ちを無視して、とりあえず行動していると、自然とそのままの流れでやることに取り組んでみようという気持ちが出てくるようになります。

メリハリをつける


先送り症候群になる人は、時間を守って行動できないところがあります。時間を決めて行動できないと、長時間仕事や勉強を続けてしまったり、やる気が落ちて別のことをしてしまう原因になります。

そのため、タイマーをセットして「○時から仕事や勉強を始め、タイマーが鳴ったら一旦終わらせて休憩する」というように、時間にメリハリを持って行動する習慣を付けるようにします。

やるべきときはやる、休むときは休むと時間にメリハリを付けて行動することで、あれこれ気移りしたり、やる気が出ないといって先延ばしにすることを防ぐことができます。

気移りしやすいものを側に置かない


集中力が続きにくい人の場合は、気移りするようなものを側に置かないことが対策になります。

例えば机の上に漫画やスマホ、ゲームが置いてあると、ふと集中力が切れたときに手を伸ばしてしまい、そのまま本来やるべきことを忘れてしまいやすくなります。

机の側に本棚がある場合は布を下げて隠す、スマホやゲームは箱にしまうというように、仕事や勉強を始めるときは気移りしやすくなるものを自分の目に入らないようにすることで集中しやすくなります。

病院を受診する


自分では気を付けているつもりなのに、やるべきことを忘れて締め切りが守れない、強いこだわりを持ちやすく、いつまでも前に進めないということが日常生活の中で思い当たる場合は、病気や障害の可能性もあります。

病気や障害の場合は自分の考え方や行動だけでどうにか対策できるものではないので、精神科や心療内科を受診して医師やカウンセラーと一緒に病気の治癒、障害への対策を考えていくことが必要です。

先送り症候群を治すにはすぐ行動する


自分は先送り症候群かもしれないと思う人は、まずは日常生活で自分がどれくらい物事を後回しにしているかを自覚することが、先送り症候群を防ぐことにつながります。

そして、「後でやろう」という気持ちが起きたときこそ、先送り症候群の人はやることを後回しにせず、すぐに始める習慣を付けることが必要になります。