サイコパスは人格障害の中でも良く知られていますが、最大の特徴は共感性が低いことです。

サイコパスに関わると不幸になるイメージがあるかもしれませんが、その気質を社会で活かしている人もいます。

サイコパスとはどういう気質なのか、特徴や対処法について解説します。

サイコパスとは?

サイコパス(psychopath)とは人格障害の一つであり、正式名は反社会性人格障害です。

他人への共感性が低い、自分のために利用する、自分が尊大な人間であると誇大妄想を抱くなどの特徴があります。

サイコパスが登場する作品などの影響で、異常者や凶悪犯罪者などのイメージがあるかもしれませんが、サイコパスでも全ての人が犯罪行為をする訳ではありません。

サイコパスの性質を社会的に活かし、経営者や医者、弁護士、警察官など、感情に左右されない判断力が必要な職務で能力を発揮する人も存在します。

今回はサイコパスの性質を持ち、他人を苦しめる人の特徴や対処法について解説します。

サイコパスの特徴

共感性が低い

サイコパスの最大の特徴として、共感性の低さがあります。

他人に共感するのが難しいため、自己中心的で冷酷な性格に見えるのが特徴です。

相手の気持ちが分からないので平気で嘘をつく、失礼なことや傷つくことを言うなど、人間関係のトラブルを起こすことがあります。

ただしサイコパスは共感するのは難しいですが、相手の顔色を見て喜んでいる、悲しんでいることを情報として掴むことはできるので、相手の心理を読むことには長けています。

魅力がある

サイコパスは初対面のときから印象が良く、魅力的に感じられるのが特徴です。

どういう見た目、性格の人が好印象を持たれやすいのかを知っているので、自分を魅力的に演出することができます。

相手が何を求めているのかを言葉や表情から察することができるため、話術で人の心を掴むことも得意です。

コミュニケーション能力の高さから他人とすぐに打ち解けられるため、人脈、交友範囲は広い傾向があります。

ただしサイコパスの人間関係は上辺の付き合いのみで、たとえ親友やパートナーのように深い仲であっても、自分の本心は打ち明けないことがあります。

自信がある

サイコパスは自分が素晴らしく、誰よりも優れているという強い自信を持っていることがあります。

その自信を上手く社会で活用できれば、カリスマ性を発揮できる人もいます。

一方で「自分は優れた人間なので、何をしても許される」という考えを持つと、犯罪を犯すなど法律や規則を守れない人間になります。

攻撃性・衝動性が強い

サイコパスは冷静な判断力を持つイメージがあるかもしれませんが、自分の攻撃性、衝動性を上手くコントロールできない人もいます。

何らかのストレスがかかると暴力や暴言で解消しようとしたり、ルールを強いられると反抗して暴れるなど感情を爆発させることがあります。

しかし感情に任せても問題が解決しなかったり、更に身体的・精神健康を損ないますが、その悪循環から抜け出せず同じことを繰り返すことがあります。

スリルを求める

サイコパスにはコツコツと努力したり、長期計画を立てて行動するのが苦手な人がいます。

その場合、仕事もプライベートもスリルを感じるようなものを選ぶことがあります。

ハイリスク・ハイリターンを求めて成功を掴む人もいますが、スリルを求めて犯罪行為に走ることもあります。

後先考えず行動する

サイコパスで自分が尊大であるような妄想を持っている場合、自分の願いは何でも叶わないと気が済まないことがあります。

サイコパスは行動力がありますが、それが自分のためであると金品を騙し取る、借金して返さないというように、計画性のない行動を取ることがあります。

しかし共感性が低いことや、自分は尊大な存在であると思っているので、他人に迷惑をかけても反省することがありません。

人を利用する

サイコパスは、自分にとって利用価値がある人としか関わらないことがあります。

お金に価値を置いているならお金持ちとしか付き合わなかったり、貧乏人には価値がないような発言を平気ですることがあります。

また結婚して家族を作るのは世間体を良くして信頼を得るため、恋人を作るのは相手がお金持ちだからなど、それを口にはしませんが、自分の目的を果たしてくれる人のみを選ぶことがあります。

たとえ家族や恋人に対して優しい態度、言葉を使っていたとしても、それは相手を自分の側に置いておくためであって、本心では愛情や感謝の気持ちは持っていない場合もあります。

サイコパスの顔の特徴

顔の横幅が広い

サイコパスはテストステロンという攻撃性をもたらすホルモンの分泌量が多く、ホルモンが輪郭や顔立ちに影響を与えるといわれています。

テストステロンは男性ホルモンのため、輪郭は男女ともに顔の横幅が広い、もしくは骨ばった顔立ちの特徴があり、一目見たときに男らしい、女性であれば凛々しい顔立ちの印象があります。

目つきが無表情

サイコパスは口は笑っていても目は笑っていないなど、目つきに感情が表れないのが特徴です。

サイコパスは口が達者で目的のためなら作り笑顔も浮かべますが、内心では相手を利用できるか判断しており、それが目つきに表れていることがあります。

目が充血している・瞳孔が開いている

攻撃性の強いサイコパスは、興奮して目が充血していたり、瞳孔が開いていることが多いといわれています。

ただし、日常的にスマホやパソコンの使い過ぎで目が充血したり、ストレスで瞳孔が開くこともあるので、一概にサイコパスとは言い切れません。

日頃からテンションが高い、攻撃的で問題行動を起こすなどトラブルメーカーの場合は、サイコパスの性質を持っている可能性があります。




サイコパスになる原因

サイコパスになる原因は脳のホルモン異常、前頭葉(扁桃体周囲)の活動が低下していることが原因と考えられています。

扁桃体周囲の活動が低下すると衝動的な性格になる、人と共感できなくなるなど人間関係を築くのに必要な感情が働かなくなります。

サイコパスは共感性を働かせる脳の領域は活動しにくいのですが、理性的な認知を司る部分は正常です。

そのため悪く言えば人情がない、良く言えば冷静な判断力がある印象を持たれます。

また、こうした脳の性質に加え、虐待、いじめなど精神的ストレスがかかる環境に長期間いることによって、後天的にサイコパスになる場合もあると考えられています。

サイコパスの脳機能や遺伝子についての詳細

出典:サイコパスとは?その心理的特徴、仕組みと接し方など解説

サイコパスへの対処法

関わらない

サイコパスの性質を悪用していると感じる人からは、早いうちに離れた方が良いでしょう。

サイコパスは魅力的な人が多く、また悪人ほど本心は隠します。

しかし共感性が低いため、ふと思いやりのない発言をしたり平気で嘘をつくなど、言動に違和感を覚えることがあります。

サイコパスに利用されると犯罪に巻き込まれることがあるため、少しでもおかしいと感じたときは自分から距離を置いた方が良いでしょう。

すぐに信用しない

人を騙すサイコパスは自分には権力がある、お金持ちであるなどの嘘を平気でつきます。

自分を良く見せようとするアピールが強い人ほど、何かを隠していることがあるので警戒した方が良いでしょう。

サイコパスに騙されても「騙される方が悪い」と反省しないので、上手い話ばかり持ちかけてくる人を信用するのは危険です。

サイコパスの心理を知る

サイコパスの特徴や心理を知っていればサイコパスかもしれないと気付くので、コントロールされる前に逃げることができます。

例えば人を支配しようとするサイコパスはターゲットを脅したり、罪悪感を植え付けるような態度を取ることがあります。

それは相手が恐怖や罪悪感を感じて自分に反抗できなくするため、自分の思い通りにコントロールするためです。

脅したり、責めるような発言の後に、自分の要求を押し付けてくる人には注意しましょう。

またサイコパスは一度ターゲットを決めるとどうにかして二人きりになろうとし、ターゲットを脅して支配するような行動を取ることがあります。

危険を感じた場合は普段から一人で行動せず、家族、友人など信頼できる人と行動するようにしましょう。

相談する

サイコパスに脅されるなど被害に遭った場合は、人間関係に関する電話相談や、警察署の相談窓口へ行きましょう。

サイコパスは自分が人にどう見られているかを非常に気にするので、自分の評判を良くするために優等生を装う傾向があり、身近な人に相談しても「あの人がまさか」と信用してもらえないことがあります。

そのためサイコパスから受けた被害をメモしておき、客観的な判断ができる第三者の機関に相談しましょう。電話相談の場合、判断が難しいときは被害内容を警察に話した方が良いかの相談もしてみましょう。