高所恐怖症で飛行機に乗れない、観覧車に乗れないなど、高所恐怖症で悩む人は数多くいます。

ですが、高所恐怖症は治そうと行動することで克服できるものです。そこで高所恐怖症になる原因と、実践しやすい克服法についてご紹介します。

高所恐怖症の心理・原因

高いところが嫌い

高いところから落ちれば怪我をしたり、命を落とす危険があるので、誰でも高い所に立てば恐怖心が起こります。

ただその恐怖心は人によって差があるので、元々高いところに対して恐怖心が強い人が、その気持ちが段々と強くなっていき、高所恐怖症になる場合があります。

高いところで嫌な経験をしたことがある

「高いところに上って怪我をしたことがある」「飛行機が強風に揺れて怖い思いをした」「登山で高山病になった」など、高いところで嫌な経験をしたことが原因で高所恐怖症になることもあります。

嫌な思いが強いショックとして残っていると、二度と同じ思いをしたくない恐怖から、高いところを避けるようになるのが原因です。

心配性な性格

心配性な性格の人は、「この橋が落ちたらどうしよう」「飛行機が墜落したらどうしよう」というように、高所から落ちるイメージを想像してしまうので、高いところが苦手です。

また、登山の滑落事故や飛行機の墜落事故などのニュースを見て、「自分も巻き込まれたらどうしよう」という不安から、高いところが苦手になることもあります。

高所恐怖症の克服方法6つ

1.高いところの写真・映像を見る

高所恐怖症の人は、まず高いところの景色を見るのも苦手な人が多いと思います。そこで、高いところからの視点に慣れるために山頂やビルの上から撮影された写真・映像などを複数見てみましょう。

写真や映像であれば自分が落ちる心配はないので、実際の景色より見やすいと思います。

いきなり自分で高いところへ行くと、そこから見える景色でパニックを起こす人もいるので、自分が安全な立場にいる状態で、視覚から高所に慣れる練習をします。

2.練習は安心できる場所を選ぶ

高所恐怖症を克服する練習場所は、自分が安心して選べる場所を選びましょう。

練習場所に適しているのは

  • 不安になったらすぐに戻れる距離
  • 手すりなど掴まれるものがある
  • 逃げ場(休憩所・トイレなど)が近くにある

といった条件の場所で、それに適しているのは階段や橋、山などです。

飛行機や観覧車、ロープウェーなど、逃げ場がない場所での練習はパニックになりやすいのでおすすめしません。

自分のペースで距離、時間を変えられる場所ををおすすめします。

3.少しずつ高いところへ上る

高所恐怖症の人がいきなり高いところへ行くとパニックを起こす危険もあるので、少しずつ高いところへ上る練習をしてみましょう。また、付き添いの人がいると安心して練習しやすくなります。

例えば100段の階段があるとしたら、いきなり100段上ろうとするのでなく、最初は20段上り戻ってくる、それができたら30段、50段と成功体験を積んでいき、100段まで上れるよう練習します。

「1日目に20段上ったので、2日目は30段上る」、「20段上るのを3日続けて、次は30段を3日続ける」のように、距離の決め方は人それぞれで大丈夫です。

「これくらいまでなら安心して上れる」と自分が思える距離で練習し、徐々にその距離を広げていくよう練習します。

4.高いところにいる時間を増やす

高いところに上れるようになってきたら、高いところに慣れる練習もしてみましょう。

橋の上に10秒立つ、できたら30秒、1分というように、高いところにいる時間を少しずつ長くしていきます。橋や階段なら手すりがある場所など、掴まれるところがある場所だと練習しやすくなります。

この練習は飛行機や観覧車など、高いところで留まることに慣れるための練習です。

また展望台など景色の綺麗なところで、高いところに慣れる方法もあります。

高いところにいる時間の決め方は、高いところへ上る練習方法と同じように、自分に合った時間を設定しましょう。

5.集中する

「高いところから落ちそうで怖い、落ちたらどうしよう」という不安を消すために、別のことに集中します。

不安は考えれば考えるほど増大し、冷静に判断できない状態に追い込まれるため、自分で事故を招いてしまう恐れもあります。

そこで不安に捉われるのでなく、意識的に不安を逸らす行動を取ってみましょう。

高いところを歩くときは歩数を数える、自分の好きな音楽を聴く、飛行機であれば勉強や仕事、ゲームをする、音楽を聴く、動画を見る、寝るなど、集中せざるを得ない状況に追い込んだり、眠って意識を遮断するなど、不安を起こさせないよう行動します。

6.薬を飲む

高所恐怖症の不安が強い場合は、病院で抗不安薬を処方してもらったり、飛行機では睡眠薬や、睡眠薬入りの酔い止めを飲んで眠ってしまう方法もあります。

ただ、薬を飲むのは高所恐怖症の根本的な解決法ではないので、高所恐怖症を完全に克服したいと思ったら、自分の意識・行動を練習によって変えていくしかありません。

抗不安薬を飲む場合は病院の医師に相談し、薬を服用しつつ、高所恐怖症を治す練習を行うのが効果的です。