自分の気持ちを我慢して相手のためになることをする人がいます。そのような人を自己犠牲タイプと言いますが、なぜ事故を犠牲してまで相手の気持ちを重視するのでしょうか。今回は自己犠牲する人の心理をご紹介します。

自己犠牲の心理は?

誰も傷つけたくない


自己犠牲する人は、誰かを傷付けるよりも自分の気持ちを我慢する方が良いと考えています。誰かと意見が違うとそこで言い合いや喧嘩などのトラブルが起こる可能性がありますが、自分の気持ちを抑えて相手の意思に同意しておくことで余計なトラブルを回避しようとしています。

人から感謝されたい

自己犠牲をして相手のためになることをした場合、相手から感謝されることもあります。そうした経験を何度かしていると、自己犠牲する傾向が強くなります。人から感謝されたり、褒められることで自分に自信が持てるからこそ、自己犠牲してまで相手に尽くそうとします。ただし、尽くす程度が強すぎると相手にも「重い」と思われて、距離を置かれる可能性があります。

人の言うことを断れない

自己犠牲のつもりはなくても、人に頼みごとをされるとつい断れず、結果的に自己犠牲になってしまう人もいます。何でもかんでも引き受けてしまうといつかパンクしてしまうので、本当に嫌なことは嫌と伝える態度も大切です。

思いやり・責任感が強い

「他人が辛い思いをするのが嫌」、「自分が引き受ければ他の人が嫌な思いをしないで済む」という思いやりの気持ちの強い人は自己犠牲になりやすいです。思いやりの気持ちは、別の見方をすれば「私がやらなければ誰もやらない」という強い責任感の表れでもあります。

他人を当てにしていない

自己犠牲する人には、仕事を他の人に任せることができず、自分でやらないと気が済まないという人もいます。人を頼りにできないで全て自分でやるので、結果的に自己犠牲になることがあります。自己犠牲になっても、自分で全てやった方が満足できる気持ちがあり、完璧主義的な心理も持ち合わせています。

自己犠牲の原因は?

幼少期の環境

自己犠牲する人は、幼少期に高圧的な親に育てられた可能性があります。親の言うことに従わないといけない環境に長くいると、自己犠牲の思考パターンがクセになり、自分の気持ちより人の気持ちを優先します。こういった自己犠牲タイプの人は、自分の気持ちを言うことは悪いこと、わがままなどの思いこみを抱えているので、自分の気持ちを押し殺してしまいます。

相手に興味がない

自己犠牲タイプというと人のことばかり尊重して、自分の考えを貫き通せない意志が弱いイメージがあるかもしれません。しかし、実は自己犠牲の根底には人と無用な争いをするのが面倒、とりあえず同意しておけばいいといった内心相手のことをどうでも良いと思っているタイプの人もいます。

つまり相手と関わりたくないからこそ、自分の気持ちを我慢すると言うより、気持ちを隠して適当に同調しているのです。こういった人は自分が興味のない相手との会話については生返事だったり、適当だったりします。興味のない人はどうでもいいと割り切っているので、実際は強いエゴイズムを持っています。

自己価値が低い

自己価値が低いと、日常的に自己犠牲を自ら繰り返してしまう場合もあります。自分は価値の低い存在だと思っており、「自分のためになることをしてはいけない」という気持ちが根底にあると、私と仲良くする必要なんかない、無駄遣いをしてはいけない、など過剰な自己犠牲の気持ちが強くなります。

自己犠牲を止める対処法は?

自己犠牲することで自分の本当の気持ちを抑圧していると、「私はこんなに我慢しているのに!」と自分の気持ちを抑え込むストレスが爆発しやすくなります。ストレスが体に内向すると、頭痛、肩コリ、胃腸の不調など体のあちこちに症状が現れたり、人格が変わったかのように人に対して厳しくなる場合があります。

他人に依存しない

自己犠牲する人は、自分が我慢すれば「誰かに幸せを与えられる」という気持ちがあります。しかし、本当の幸せは本人の努力でしか掴めません。良かれと思ってやったことも、相手が本当に感謝しているのかも分かりません。自己犠牲が行き過ぎると善意の押し売りになってしまいます。自己犠牲の行動で感謝されることがあるかもしれませんが、自分のためにも相手のためにも、自己犠牲は良くないことだと認識しておくことが大切です。

好きなものを見つける

自己犠牲する人は、自己評価や自尊心が低い傾向があります。読書、スポーツ、ハンドメイドなど何でも良いので、やればやるほど自分に知識や経験が身に付くものを趣味にすると、自信が生まれるようになります。自信が生まれると、次第に自己犠牲的な考え方や行動も変わってくるようになります。

自己犠牲よりも自分を大切にしよう


自己犠牲の根底には「人から良く思われたい、嫌われたくない、他人がどうでもいい」などのエゴイズムな気持ちもありますが、深層心理にある自己評価の低さから生まれます。自分で集中できる趣味を持ち、上達すると自信が付いて自己評価が上がっていきます。自信などそう簡単には付かないという人がいますが、そういう人ほど実際には何も行動に移していません。自己犠牲を止めたいときは、何か新しいことを始めてみるのが対処法になります。